イスラエルのテルアビブに住んでいました、がぅちゃんです。
テルアビブ・ヤッファのビーチ。
「大阪といえばタコヤキ」くらい分かりきった、イスラエルの定番B級グルメのみ厳選しています。「ソウルフード」「ストリートフード」といった類ですが、どれも国を代表する定番料理です。(イスラエルの食文化についても説明しています)
もくじ
・イスラエルの料理はどんな感じか
・圧倒的定番のB級グルメ7つ
・最強の一品
イスラエルの料理はどんな感じか
イスラエルは1948年に移民が建国した国なので、「イスラエル発祥のイスラエル料理」がまだありせん。ただし発祥じゃないだけで、現地で愛される郷土料理や定番料理はたくさん存在します。
テルアビブの名物料理になりつつある「カリフラワーロースト」。(詳細記事)
イスラエルは中東や欧州や北アフリカからの移民が多いため、それらの海外料理を現地で融合・発展させたような料理が多いです。それを象徴するような朝食の定番「イスラエリ・ブレックファスト」は、他国では類を見ない食材の組み合わせ。
「イスラエリ・ブレックファスト」。東欧の魚や中東のスパイスが共存する料理。
イスラエル人の食のセンスは、アジアよりは「北米・欧州先進国の都会の人」といったところ(じぶん調べ)。「ピザ」「フィッシュ&チップス」「シュニッツェル」「ハンバーガー」といった欧米の定番料理も、よく食されます。
「フィッシュ&チップス」は、もはや定番料理と言ってよい。(詳細記事)
そんな食のセンスを極端に簡略化すると「中東料理や地中海料理が日常食になったアメリカ人やドイツ人」となります。現地では、「中東や地中海の地理的影響を強く受けながら、欧米的なセンスで発展した食べ物が人気」といった状態があります。
西洋風のサラダに、中東のスパイス「スマック」がしれっとふりかかる。@Brut(詳細記事)
イスラエルの定番B級グルメ7つ
現地ではもう聞き飽きたと言えるほど、明らかに定番なB級グルメのみ紹介します。これらは「B級グルメ」であると同時に、王道の現地料理でもあります。「料理の内容」や「現地でどう食されるか」なども含めて説明します。
おしながき
1. フムス
2. ファラフェル
3. サビーフ
4. シャワルマ
5. ケバブ
6. ジャフヌン
7. シャクシュカ
1. フムス/Hummus
平均的な外見のフムス。@The YMCA Restaurant
フムスは中東地域で広く食される、ひよこ豆のペーストです。 イスラエルでは「ソウルフードの筆頭格」のような存在。ひよこ豆、タヒーニ(中東のゴマペースト)、レモン、ニンニク、オリーブオイルなどを調合して作られます。
マッシュルーム入りのフムス。@Fattoush
イスラエルでは、イケア(IKEA)のカフェテリアでもフムスが売られています。ミートボールやサーモンやフライドポテトと、フムスは同格で王道な料理であることが伺えます。なお、フムスはピタパンと食べるのが一般的。
イケアのフムス。
イケアのフムス売り場の様子。
イスラエルとレバノンの「フムスの本家争い」は有名で、「世界一大きなフムス」 のギネス記録をお互いに更新しあったという内容。イスラエル側のギネス記録更新に関わった「アブゴシュ」というお店は、国内ではフムスの聖地として知られています。
「アブゴシュ/Abu Gosh」のフムス。松の実がトッピングされている。
アブゴシュの店内の様子。
テルアビブで有名なフムス屋
・アブハサン/Abu Hassan
・フムスの家/Hummus Habayit
2. ファラフェル/Falafel
テルアビブの名店「Falafel Hakosem」のファラフェル。
ファラフェルは中東地域で広く食される豆のコロッケです。ひよこ豆かそら豆を使用するのが一般的で、クミン、コリアンダー、ニンニクなども含みます。外見は「丸いコロッケ」ですが、中を割ると鮮やかな黄緑色。
ギリギリひとくちでいけないサイズと熱さ。(タコヤキとほぼ同じ)
イスラエルでは、ファラフェルには「フムスと並ぶソウルフードの二大巨塔」のようなステータスがあります。子供のおやつとしても親しまれており、ショッピングモールの飲食店の子供向けメニューに採用されたりしています。
子供向けメニュー。上から3段目がファラフェル。
イスラエルのファラフェルはピタパンに挟んだ「ファラフェル・サンドイッチ」が一般的なので、ストリートフードとしての印象が強いです。ちなみにファラフェル・サンドイッチもイケアで売られており、圧倒的な国民食といった様子。
ホットドッグと並ぶ、ファラフェル・サンドイッチ。どちらも150円/5シェケル。
申し分ない美味しさ。中東料理が珍しい日本なら千円はしそうなクオリティ。
テルアビブで有名なファラフェル屋
・ファラフェル・ハコセム/Falafel Hakosem
・ラツォン/Ratzon
関連記事:
・世界ごはんたべ記#9 京都のイスラエル料理屋「ファラフェルガーデン」
・世界ごはんたべ記#11 大阪のイスラエル料理屋「ファラフェル・サババ」
・世界ごはんたべ記#15 大阪のイスラエル料理屋「ファラフェル・タイム」
・ファラフェルの記事いちらん
3. サビーフ/Sabich
テルアビブで最も美味いと言われる屋台「SABICH TSERNIKOVSKI」のサビーフ。
フムスとファラフェルは中東の他の国でもよく食されるのに対し、「サビーフ」はイスラエルならではの料理の一つ。イラクから移民したユダヤ人がイスラエルに持ち込んだ料理と言われています。
「SABICH TSERNIKOVSKI」の雰囲気。
サビーフを一言で表すと「ピタパンのベジタリアンサンドイッチ」。ゆで卵、揚げナス、ジャガイモが主役。これに、「イスラエリ・サラダ*」などの他の野菜が加わります。ソースは「タヒーニ」と「アンバ/Amba*」が決め手。
国内の人気ビュッフェ「Cafe 65」で展開していた、手作りサビーフのコーナー。
イスラエルでは「サビーフは屋台の料理」という印象が強いため、ファラフェル・サンドイッチと並ぶストリートフードの代表格と考えられています。サビーフはピタパンが一般的ですが、別のパンを用いた西洋的なサンドイッチスタイルも存在します。
病院のカフェテリアに売っていたサビーフのサンドイッチ。
「イスラエリ・サラダ」と「アンバ」
「イスラエリ・サラダ」 はイスラエルの定番サラダのひとつ。角切りにしたキュウリ、トマト、タマネギなどに、レモンやオリーブオイルを和えた料理。内容は、地中海料理の代表格「ギリシャサラダ」とよく似ています。
イスラエリ・サラダ。英語表記は「Chopped Salad/角切りサラダ」が一般的。@Benedict
「アンバ/Amba」はマンゴーを原料としたソース。南アジア(インド周辺)でもポピュラーだそうです。マンゴーは甘くなく、ビネガーやスパイスやターメリックを調合して作られるため、辛みがあって酸っぱいです。
スープやポン酢のように飲めない、強烈な個性がある味。
テルアビブで有名なサビーフ屋
・サビーフ・チェルニホフスキー/SABICH TSERNIKOVSKI
・フリッシュマン・サビーフ/Frishman Sabich
4. シャワルマ/Shwarma
半分にカットした、シャワルマ・ラップ。
イスラエルのシャワルマは、「日本でケバブと呼ばれている食べ物」とほぼ同じ食べ物です。日本のケバブはトルコの「ドネルケバブ」 。そのドネルケバブのことを、アラビア語圏ではシャワルマと呼んだりします。
テルアビブで最も美味いと言われるシャワルマ屋「Yashka」の雰囲気。
日本やトルコ同様、イスラエルでも、シャワルマはストリートフードとして人気です。カットした肉をピタパンやラップ(Laffa)で包んで食べます。ユダヤ教の食のルール・カシュルートでは豚肉がNGなので、鶏肉、牛肉、ラムが一般的。
屋台とはまた違う、ダイニングレストランのシャワルマ(鶏)。@Masada
イスラエルのシャワルマは屋台に限らず、ダイニングレストランでも定番のメニューです。ダイニングレストランでは、皿に肉が盛られるスタイルが一般的。魚のシャワルマ、ビーガン・シャワルマなど、種類も様々。
魚のシャワルマ。@Rooftop Mamilla Hotel
ビーガン・シャワルマ。(ビーガンとは、動物性食品を使わない食べ物のこと)@Cafe Alma(詳細記事)
テルアビブで有名なシャワルマ屋
・ヤシュカ/Yashka
・ファラフェル・ハコセム/Falafel Hakosem(シャワルマもやってる)
5. ケバブ/Kebab
お手本のようなケバブ。テルアビブのケバブの名店「Haj Kahil」にて。
イスラエルでは「シャワルマとケバブは別物」という一般認識があります(シャワルマのことをケバブと軽々しく呼ぶと、ちょっと怒られる)。イスラエルのケバブの内容は「肉の串焼き」が一般的。日本の焼き鳥とほぼ同じです。
チキンケバブ。大きめの焼き鳥。@Abu Gosh
イスラエルのケバブの王道は「肉だんご型/キョフテ」か「ぶつ切り型/スブラキ」の2種類。レストランでは、串ごと提供されることもあれば、串から外した状態で提供されることもあります(串ごと=本格派という気配がある) 。
イスラエルのファミレスのケバブ。@モーセ/テルアビブ(詳細記事)
ちなみにイスラエルは圧倒的な食肉文化。国民一人当たりの鶏肉の消費量は世界1位(牛肉は4位)。 国家行事や祝日の際には野外でBBQをするのが一般的で、そのBBQがケバブ/焼き鳥になっているという状況は多いです。
ケバブ/焼き鳥/BBQする、イスラエル人。
ケバブ=ハンバーガー
肉だんご型のケバブ(日本でいうハンバーグ)をサンドイッチに挟んで食べるのも一般的。もはやハンバーガーですが、実際にケバブサンドイッチを「ハンバーガー」 と呼ぶ人はいます。「アライス/Arais」という料理がそう呼ばれがち。
アライス。ピタパンに肉だんごを挟んで、パンごと焼く。@5th Avenue
ファストフードチェーン「Meatos」の、ケバブサンドイッチ。(詳細記事)
テルアビブ最強と名高い「ミズノン/Miznon」の、ケバブ・ピタパンサンドイッチ。
テルアビブで有名なケバブ屋
・ハジ・カヒル/Haj Kahil
・ミズノン/Miznon(ピタパンサンドイッチ専門店でケバブサンドが人気)
6. ジャフヌン/Jachnun
半分にカットしたジャフヌン。@Jachnun Mul Hayam
イエメンのユダヤ人がイスラエルに持ち込んだとされる、パン(ペイストリー)の一種です。「薄く延ばして油を塗りたくって丸めて棒状にした生地を鍋に敷き詰めて一晩かけて焼く(放っておく)」という、シンプルな作り方。
ジャフヌンの基本形態は、棒。
「伸びない餅」のような、グニャグニャでネチモチした独特の食感があります。菓子パンとは別物の、ほどよい甘みの中に塩味がきいた、おかずとおやつの間のような食べ物です。サルサや「スクッグ」やゆで卵と一緒に食べるのが一般的。
「すりおろしトマト」くらいあっさりした、サルサ。
トウガラシやコリアンダーを含む辛いペースト「スクッグ/Zhug」。
厳密には焼き卵。(ジャフヌンを焼く時についでに鍋に放り込む)
イスラエルでは冷凍食品のジャフヌンも売っていたりして、ユダヤ教徒以外の一般人にも愛されています。イスラエルの国営航空会社「エルアル航空/EL AL Airlines」の機内食にも、ジャフヌンは採用されています。
冷凍食品のジャフヌン。
機内食のジャフヌン。(白いソースはタヒーニ)
テルアビブで有名なジャフヌン屋
・ジャフヌン・ムルハヤム/Jachnun Mul Hayam
・アビタズ・ジャフヌン/Aviva’s Jachnun
関連記事:イスラエルのモチ!グミ!またはハッピーターンの「ジャフヌン」
7. シャクシュカ/Shakshouka
テルアビブのシャクシュカ専門店「Shukshuka」のシャクシュカ。
シャクシュカは、「クミン」「パプリカ」「カイエンペッパー」などのスパイスを含むトマトソースで卵を煮込んだ料理です。北アフリカでも食されますが、イスラエルでは「シャクシュカは朝食の定番」ということになっています。
ホテルの朝食ビュッフェのシャクシュカ。@The YMCA Restaurant
グリーン・シャクシュカなんてのもある。@Cafe 65(詳細記事)
関連記事:本場イスラエルで人気のシャクシュカ専門店「Shukshuka」
テルアビブで有名なシャクシュカ屋
・シュクシュカ/Shakshouka
・ドクター・シャクシュカ/Dr. Shakshuka
最強の一品
イスラエルの三大定番料理を選ぶなら「フムス」「ファラフェル」「シャクシュカ」。B級グルメとして、イスラエルを代表する一品を選ぶなら「ファラフェル・サンドイッチ」が優勝してしまう気がします。
ファラフェル・サンドイッチがでかでかと印刷された、イスラエルの料理本。
イスラエルのB級グルメのまとめ
・イスラエルの料理はどんな感じか
・圧倒的定番のB級グルメ7つ
1. フムス
2. ファラフェル
3. サビーフ
4. シャワルマ
5. ケバブ
6. ジャフヌン
7. シャクシュカ
・最強の一品:ファラフェル・サンドイッチ
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