世界ごはんたべ記#71 京都の中華料理屋「糸仙」

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「世界ごはんたべ記」のせつめい

「世界ごはんたべ記」はライターのがぅちゃんによる外食の記録です。どんなお店で何を食べたか、どんなことを感じたか、などを自由に書いています。

海外での生活が長いので、異国のお店はよく登場すると思います。でも「世界」と名乗っている手前、母国のお店もたくさん発表していきたいです(か?)。



前回の記事「#70 京都の中華料理屋/ハオチープレイス ・ハッピーアワー」はこちら。「世界ごはんたべ記」の記事一覧はこちら

糸仙とは

糸仙の看板。

「糸仙/いとせん」は京都の上七軒(かみしちけん)にある中華料理屋だ。「廣東料理・糸仙」となっている。「廣東/かんとん」は「広東省」のことだ。とはいえ私は中国に行ったことがないので、広東と言われても、正直ピンとこない。

広東省

広東省にピンとくるために、(私にとっては)中国よりは馴染みのあるアメリカで、自分のために無理やり例えてみる。すると「広東=フロリダ州」のような解釈になった。(試しに今度アメリカの友達にこの発見をひけらかしてみようと思う)

画像・上=広東省(Image:CC0)。画像・下=フロリダ州(Image by TUBS)。

上七軒

糸仙の前の通り。

広東とアメリカから京都に戻ろう。糸仙のある上七軒(かみしちけん)は芸妓遊びができる地域で、「花街」と呼ばれる。花街は京都に5つあり、「五花街/ごかがい」と総称される。「祇園甲部」「宮川町」「先斗町」「祇園東」「上七軒」の5つだ。

提灯には、上七軒のエンブレムで「五つ団子」がデザインされている。

上七軒は五花街で最古の花街で、「室町時代に北野天満宮の再建の際に残った資材を使って7軒の茶店を建てた。」という歴史がある。ファンタジー映画みたいなエピソードでかっこいい。

まあそんなたいそうな地域に糸仙は位置しており、知名度も高く、京都の中華の名店という印象がある。

糸仙の雰囲気

糸仙の外観。

むかし住んでいたイスラエルと比較すると日本人の私でさえ異国情緒を感じる…など言いたいところだが上七軒はごりごりの地元なので、それは無い。好きか嫌いかだと好きだけど、退屈とすら感じる絶妙な感情を抱く。

糸仙の中の様子。

「京都の家」感がすごい。自分の家に戻ってきたような気がしてちょっと怖くすらある。これはまるで、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の後編のバトルで風景が切り替わって「吉本新喜劇みたい」と感じてしまった、あの変な気持ちに似てる。

振り返るとこんな感じ。

カウンターの雰囲気。

芸妓さんや舞妓さんの名刺としても機能する「京丸うちわ」。

糸仙の雰囲気の味わいが深いか浅いかだと、限りなく深いことに間違いはないと思う。家っぽいけど家じゃない。フリーダイビングの動画を見てる時の気分になる。

フリーダイビングの動画。

糸仙のメニュー

廣東料理献立表。

「廣東料理献立表」と、中国語みたいな日本語が書かれている。白黒で文字のみ。私の好みのやつだ。165円〜1045円という、かなりリーズナブルな価格帯。「1045円〜」と言われても信じてしまいそうな雰囲気なのに。料理は「中華風京料理」という感じで、これはきっと京都でしか食べられない、と直感した。

青菜炒め/770円。椎茸のダシの、おかんの料理。のようなインスピレーション。

ピータン/550円。ショウガとキャベツが爽やか。甘酢のようなソース。

宝石みたい。

焼売/440円。攻撃的ではないけど満腹を無視してくる類の、怖い美味しさ。

糸仙の名物と言われている、春捲。880円。キャベツとシイタケの風味。

春捲の断面。「やさしい食べ物」の頂点に君臨してそうな味だった。

マーボー豆腐/880円。塩、酸味、辛みで風味がまとまった、ドライな美味しさ。

えらいもんで、豆腐自体がかなり美味しい。八角も花胡椒もないが、ちょうどよい。

糸仙のマーボー豆腐についてきたコンディメンツ。山椒と視た。

汁そば

660円。単品アイテムでもある「やきぶた」がついてくる。

ラーメンと言ってもよいのかもしれないが、いつものラーメンとはまた違う。味はというと、天下一品のあのこってりラーメンがこってりしていない、という不思議な感じだった。「あっさり」とあっさり形容してしまうには畏れ多い、リッチな風味。汁そばの味、という感じだ。

半透明でわずかに平べったい麺がちゅるちゅるしていて美味しい。

デザートは杏仁豆腐でした。385円。

お酒はでえしまへんで

お飲み物メニュー。(フードメニューの裏にある)

糸仙に行ったのは、コロナの影響でアルコールの提供に制限がかかっていた時期だった。予約の電話をしたときに、「お酒はでえしまへんで」と言われてハッとした。「でえしまへんで」、めちゃくちゃネイティブな表現だな、と。「お酒は提供していませんよ」という意味だ。

出演-おしながき-

廣東料理・糸仙
青菜炒め/770円
ピータン/550円
焼売/440円
春捲/880円
マーボー豆腐/880円
汁そば/660円
杏仁豆腐/385円

次の記事「#72 大阪の洋食屋/北極星・心斎橋本店」

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