徹底解説!大阪・梅田スカイビルの「ドイツ・クリスマスマーケット」

ドイツのベルリンに住んでいました、ライターのがぅちゃんです。

毎年・冬に大阪の「梅田スカイビル」で開催される「ドイツ・クリスマスマーケット」は、元ドイツ在住者(のじぶん)も認める本場なみのクオリティ。概要・背景・アクセス・食べ物・値段・設備etcふまえ、実際の様子を紹介します。

※この記事は、過去に他サイトで執筆した記事のリライトです。現在の状況と異なる部分もあるかと思いますが、イベントの理解の参考にしていただければ、さいわいです。

もくじ

・クリスマスマーケットとは、そもそも何か?
・大阪・梅田の「ドイツ・クリスマスマーケット」
・大阪・梅田の「ドイツ・クリスマスマーケット」でやるべきこと

「クリスマスマーケット」とは、そもそも何か?

世界最古のクリスマスマーケット「Striezelmarkt」の動画。@ドイツ・ドレスデン

「クリスマスマーケット/Christmas Market」とは、ドイツやオーストリアなどのヨーロッパの都市で、クリスマスシーズンに開催されるストリートフェア/イベントです。11月中旬〜12月中旬にかけて、一ヶ月間ほど開催されます。

クリスマスマーケットの本質は、夜の広場に集結した夜店。一か月間、工芸品や食べ物の屋台が出続けるといった状態になります。場所にもよりますが、昼から営業していることもあります。

クリスマスマーケットが開催期間中のドイツでは、ほぼ全ての都市の広場でマーケットが展開しています。

クリスマスマーケットの起源

ドレスデンのクリスマスマーケット「Striezelmarkt」。

クリスマスマスマーケットはドイツ語で 「Weihnachtsmarkt」と呼ばれており、1434年のドイツ・ドレスデンの「Striezelmarkt」が最初のクリスマスマーケットと考えられています。

しかしながら、ドイツにおけるクリスマスマーケットの文化自体は、1393年から存在したとも言われています。

クリスマスとキリスト教

「キリストの降誕/Nativity of Jesus」を描いた絵画。Image:CC0

クリスマスマーケットは本来、キリスト教における「アドベント/Advent」の期間である4週間を祝っていると言われています。「アドベント/Advent」とは、「キリストの降誕/Nativity of Jesus(キリストの誕生)」を待ち望む期間のこと。

起源は中東

キリストにまつわる重要な3つの聖地。(以下でそれぞれ説明)

キリストの降誕は、中東・パレスチナのベツレヘムで起こったとされています。キリストの生には大きく3つの流れがあり、(ざっくり)1.妊娠→2.誕生→3.死というもの。これら3つにまつわる聖地は全て中東にあります。

1.妊娠にまつわる「受胎告知教会/Basilica of the Annunciation」。@イスラエル・ナザレ

受胎告知教会とナザレの詳細はこちら

2.誕生にまつわる「降誕教会/Church of the Nativity」。@パレスチナ・ベツレヘム

3.死にまつわる「聖墳墓教会/Church of the Holy Sepulchre」。@東エルサレム・エルサレム旧市街

エルサレムの詳細はこちら

欧米のクリスマス

中東にルーツがあるキリスト教ですが、現在では欧米の宗教といった様相を呈しています。キリスト教文化がベースの国では(アメリカとかドイツとか)クリスマスは重要で、日本でいうお正月のような感じです(ゆえに家族と過ごすのが一般的)。

アメリカのクリスマス。日本の初詣のような感じで、教会に行ったりする。

逆にお正月(大晦日)はどうしているかというと、これは日本と真逆で、パーティーしてハシャぐというのが一般的。 日本のお正月と欧米のクリスマスは、その価値観や過ごし方が逆と言えます。

平均的な、大晦日のドイツ・ベルリンの様子。

つまり、クリスマスマーケットはドイツでは特別な空間であり、一年で最も重要なイベントです。だから大阪・梅田の「ドイツ・クリスマスマーケット」は(ある意味では)本場ドイツのお正月体験と言えるかもしれません。

「キリストの降誕」を表現する工芸品(クリッペ/Krippe)。大阪の会場にもある。

大阪・梅田の「ドイツ・クリスマスマーケット」

大阪・梅田「ドイツ・クリスマスマーケット」の様子。

大阪・梅田「ドイツ・クリスマスマーケット」は、現地のランドマークとなっている建築物である「梅田スカイビル」の1F広場にある「新梅田シティ・ワンダースクエア」にて開催されます。

都会の広場に伝統的なクリスマスーケットが展開しているさまは、本場ドイツのものと比べても遜色ありません。(大阪の「ドイツ・クリスマスマーケット」は特に力が入っているのでなおさら)

なお、開催期間はドイツのクリスマスマーケットとほぼ同じで、11月中旬〜12月中旬。(2019年は11月15日~12月25日の開催)

点灯式やライトアップの時間などの説明があるポスター。

会場「梅田スカイビル」へのアクセス

梅田スカイビル。Photo by Kakidai

梅田スカイビルは目立っているものの、行き方が少しややこしいことでも知られています。最寄駅は3つ:「阪急・梅田駅」「JR・大阪駅」「地下鉄御堂筋線・梅田駅」。それぞれの駅から、5〜10分歩くことになります。

大阪の友人に「梅田スカイビルの行き方の最短ルートを教えて」と聞いたら、「大阪駅の中央北口いけ。ここに行くまでにみんな迷うから。」と言われました。中央北口からは標識に従うだけなので、実際にシンプルです。

ちなみに梅田スカイビルへの徒歩でのアクセスは、グーグルマップでも表示されるので、深刻に迷うことはないと思います。最寄駅3つからのアクセス方法(の動画)は以下。

JR・大阪駅から梅田スカイビルへの行き方。

阪急・梅田駅から梅田スカイビルへの行き方。

地下鉄御堂筋(みどうすじ)線・梅田駅から梅田スカイビルへの行き方。

完全に余談:梅田スカイビルの35階は「ドイツ総領事館」

梅田スカイビルの35階には、「ドイツ総領事館(大阪・神戸ドイツ連邦共和国総領事館/Consulate General of Federal Republic of Germany in Osaka/Generalkonsulat Osaka-Kobe)」があります。

ドイツへのワーキングホリデーなど、ドイツに関するもろもろの手続きはここで行います 。(私が利用した当時、館内にベルリンの壁(たしか)があったのを覚えています)

ドイツ・クリスマスマーケットの実際の様子&見どころ

大阪駅付近から梅田スカイビルに向かう人混みの流れに乗っていると、わりとかんたんにドイツ・クリスマスマーケットの会場(梅田スカイビル1F広場の新梅田シティ・ワンダースクエア)に乗り込めます。

梅田スカイビルに向かう人混み。

会場のゲート。「クリスマスマーケットへようこそ」とドイツ語で光っている。

ドイツのクリスマスマーケットでは「屋台で飲み食いする」というのが一般的な楽しみ方です。梅田スカイビルのドイツ・クリスマスマーケットの食べ物も、本場ドイツに匹敵する品揃えです。代表的なものは以下。

グリューワイン

ドイツ・クリスマスマーケットのグリューワイン。「Osaka」と書かれている。

「グリューワイン/Glühwein」は、赤ワインと香辛料を混ぜて作るホットカクテル(温かいアルコール)。ドイツでは冬の飲み物というイメージがあり、クリスマスマーケットになくてはならない一品。日本でいう甘酒のような存在です。

グリューワインの屋台。

屋台のおしながき。1杯900円(マグカップ付き)。

ボトルもある。

ちなみにドイツでは、グリューワインはマグカップこと売るのが定番(返却すればお金が返ってくる)。梅田スカイビルのドイツ・クリスマスマーケットのマグカップも、記念に持って帰ることができます。

ちなみにグリューワインの味は、ドイツのリキュール「イエガーマイスター」と赤ワインを混ぜて温めたような感じです。

ブラートヴルスト

パンの形状とちぐはぐなソーセージが、なんともドイツらしい。ひとつ600円。

「ブラートヴルスト/Bratwurst」は、ドイツのソーセージのこと。パンと一緒に提供されるのがふつうで、ホットドッグとほぼ同じです。なお、ドイツの屋台におけるブラートヴルストは、日本のタコヤキとかフランクフルトくらい王道です。

ドイツ直送のメリーゴーランド

ドイツから運ばれてきた、アンティークの⽊製メリーゴーランド。

アンティークの⽊製メリーゴーランドはドイツでも貴重な存在で、本来なら博物館で展示されるような代物と言われています。大阪・梅田のドイツ・クリスマスマーケットでは、毎年ドイツから輸送されたメリーゴーランドが展示されています。

高さ27メートルのクリスマスツリー

そびえたつクリスマスツリー。

このクリスマスツリーは、「新梅田シティ・クリスマスツリー」としても知られています。クリスマスツリーの真ん中はトンネルのようになっていて、くぐり抜けることができます。

クリスマスツリーのふもと。

ちなみにこの「新梅田シティ・クリスマスツリー」は、ドイツ・クリスマスマーケットだけでなく、大阪を代表するクリスマススポットとしても有名です。

大阪・梅田の「ドイツ・クリスマスマーケット」でやるべきこと

会場の様子。

クリスマスマーケットってそもそも何をする場所?という疑問があると思います。クリスマスマーケットの本質は「夜店」です。その楽しみ方は、日本とあまり変わりません。

しかし一つだけ、もし、「クリスマスマーケットで絶対にやらなければならないこと」があるとすれば、「グリューワインを飲む」がそれにあたると言えるでしょう。「初詣のおみくじ」みたいな感じでしょうか。

ドイツ人に「クリスマスマーケットで何する?」と聞いた場合、「グリューワインを飲む」を含まない人はいない気がします。というか「グリューワインを飲むためにクリスマスマーケットを訪れ、今年の冬を完結させる」ようなきらいすら、あります。

グリューワインの作り方。

まとめ

★クリスマスマーケットとは、そもそも何か?
・クリスマスマーケットの起源
・クリスマスとキリスト教

★大阪・梅田の「ドイツ・クリスマスマーケット」
・会場「梅田スカイビル」へのアクセス
・ドイツ・クリスマスマーケットの実際の様子&見どころ

★大阪・梅田の「ドイツ・クリスマスマーケット」でやるべきこと

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