世界ごはんたべ記#11 大阪のイスラエル料理屋「ファラフェル・サババ」

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「世界ごはんたべ記」のせつめい

「世界ごはんたべ記」は、ライターのがぅちゃんによる外食の記録です。どんなお店で何を食べたか、どんなことを思ったか……などなど、じゆうに書いています。

海外ぐらしが長いので、異国のお店はひんぱんに登場します。とはいえ「世界」と名乗っている手前、母国のお店も発表していかねばなぁと思っています(……か?)。



前回の記事「#10 大阪のイスラエル料理屋/ルディーズクラブデリシャス」はこちら。「世界ごはんたべ記」の記事一覧はこちら

アメ村のファラフェル・サババ

大阪にはイスラエル料理の店が3つあるのだが、なんばのアメ村の「ファラフェル・サババ」は、その中でも一番イスラエルっぽいという印象がある。なぜなら「サババ」と言ってるからだ。

「サババ」と言ってる。

「サババ/סבבה」はイスラエルの公用語・ヘブライ語のスラングで、「すごい!」「やばい!」みたいな意味がある(アラビア語由来だけど)。英語の「Cool」とか「Awesome」に近い。「やぁ〜ばいw」みたいな言い方で「サバ〜バw」と言う。

〽︎Bassa Sababa – Netta Barzilai

「サババ」がタイトルに含まれる曲もあって、ヨーロッパ最大級の音楽コンテスト「ユーロビジョン」で優勝したイスラエル人シンガーのネッタ・バルジライの「バッサ・サババ」が、一時期(というかたぶん今も)流行ってた。

ユーロビジョン・テルアビブの会場付近に現れたネッタ・バルジライ像。

ようするに「サババ」のひとことで、「あーこの店はマジだな」というのが伝わってくるわけだ。

ファラフェル・サババの雰囲気

お店の外観。

なんばの中でもボヘミアンでスカンキーな雰囲気がつよいアメ村(アメリカ村)に、ファラフェル・サババはある。アメ村はかなり独特な雰囲気で、「アジアのどっか感」が強いパンエイジアンな世界観。ラッパーとシーシャが多いという(勝手な)印象がある。

近所の定食屋「ニューライト」。

いちおうカレー屋らしい。

ファラフェル・サババは狭くて、ショッピングモールの喫煙ルームくらいのスペースしかない。でもソツのない小気味いいイスラエリ・インテリアでデコレーションされていて、こきたなかったりしない。テルアビブとかにあってもおかしくない雰囲気で、いかにも今時のイスラエルのストリートフード屋という感じ。

店内の雰囲気。

エルサレム(詳細)の写真。

イスラエルの定番お土産、アルメニア陶器(詳細)。「Shalom=こんにちは」

目が飽きない。

イスラエル関連の本。

イスラエルワイン。(アマゾンでも買える

イスラエルビール(手前2つ)。

シーシャ。

カウンターに、定番おやつの「ハルヴァ」も売ってる。

イスラエルの定番料理やドリンクの説明。

さんま、たけし、たもり、つるべ、ダウンタウン、みたいなことだ。

ファラフェル・サババのメニュー

写真つきでわかりやすい。

メニューを見る限り、ピタパンのサンドイッチが主力メニューといった感じ。なかでもファラフェルサンドが推しという印象をうけた。サビーフ(後述)もある!  プレート、前菜、デザート、ドリンクも充実していて、イスラエルの定番料理をほしい分だけセレクトしやすい。

ドリンクやデザートも。

前菜盛り合わせや定食メニュー類もあって、イスラエル料理をあまり知らない人も一通り楽しめるような内容だと思う。

関連記事:イスラエルを代表するB級グルメ7選(人気店も紹介)

ファラフェルフムス

熱いピタパンつきで900円。

「フムス」はひよこ豆のペーストで、「ファラフェル」はひよこ豆のコロッケ。この2つはイスラエル最強の定番料理だ。両方いっきに楽しめるのがファラフェル・サババのファラフェルフムス。まんま、フムスにファラフェルがのっかってる。東京タワーと京都タワーが同じ敷地内にある感じだ(どんな感じだ)。

フムス。(奥の丸いやつがファラフェル)

フムスはピタパンにつけて食べるのが一般的。

イスラエルのフムスは日本のカレーライスくらいバラエティがある。お店によっては、違う料理くらい差が出たりする。ファラフェル・サババのフムスを一言で表すと「クリーミー」。タヒーニ(ゴマペースト)の風味が感じられて、イスラエルのフムスに近い。「イスラエルのフムスはクリーミー」って説明するときの「クリーミー」を感じた。かなり好みだ。

ファラフェル。中は鮮やかな黄緑色。

ファラフェルはひよこ豆のコロッケで、コリアンダー、パセリ、クミン、タマネギ、ニンニク、タヒーニ(ゴマペースト)など混ぜて揚げる。ファラフェル・サババのファラフェルは「ハーブのかたまり感」が強くて、「ファラフェルを食ったぞ!」という思い出が強めに残る味。じつに好みだ。

「ハーブのかたまり感」を無理やり例えてると、「大地に生い茂った雑草を両手いっぱいにちぎりとってお団子状に丸めてギューしたやつをほうばってる」となる。そんな大大大満足感だ。イスラエルのエルサレムにある有名店「マハネユダ」で食べた「スズキのファラフェル」を思い出した。

スズキくんが大草原でおよいでる。そんな味。@マハネユダ/エルサレム

サビーフ

ファラフェルサババのサビーフ。600円。(バゲットも選べる)

実を言うとファラフェルもフムスもイスラエル料理ではないので(というかイスラエル料理はまだ存在しないので)、どちらもレバント料理(地中海系中東料理)のイスラエル地方版みたいなことでしかない。でもサビーフはイスラエル料理と呼んでいいと思う。なぜならサビーフは、イスラエルでしか発展しえなかった料理といえるからだ。

イスラエルの東京・テルアビブで一番有名なサビーフ。@SABICH TSERNIKOVSKI

サビーフを簡単に説明すると「揚げなすとゆで卵のピタサンド」。イラク系ユダヤ人がコーシャ仕様*で作って広まったそうだ。イスラエルの料理は「地域×移民×宗教」という条件のかけ算で成り立つのだが、イスラエルじゃなければコーシャで広まらなかったので、ユダヤ料理もかすってるサビーフはイスラエル料理と言える。

イスラエルのホテルのビュッフェの、サビーフ作りコーナー。@Cafe 65/テルアビブ

イスラエルのエルアル航空の機内食、サビーフ・ベーグル。

ナスとゆで卵はマスト。

*「コーシャ/כשר」はユダヤ教の食のルールに則った食べ物全般を表す言葉。

関連記事:コーシャの解説&本場イスラエルのコーシャ料理の紹介

日本のそのへんの中東料理屋でファラフェルやフムスを食べる機会はあほほどあっても、サビーフはそうはいかない。例えばこれは、海外のアジアンレストランで寿司はあっても納豆はなかなか食べられないのと同じことだ。その一品に、強烈なナショナリティが匂ってる。

サビーフにおいて、ゆで卵、なす(たいてい素揚げ)はマストで、そこに野菜やソースが加わる。野菜はイスラエリサラダ(キュウリ、トマト、紫タマネギの角切りサラダ)、ソースはタヒーニとアンバ(ターメリックとマンゴーのすっぱいソース)。これを基本に、いろいろバリエーションがある。

ファラフェルサババのサビーフ。野菜がイスラエリサラダ式。

イスラエリサラダの例。@Cafe 65/テルアビブ

ファラフェルサババのサビーフは「サルサ付き卵サラダサンド」という感じだった。アンバはない。アンバを味わうからこそのサビーフみたいなところがあるから、イスラエル人は「なんかたりない」と思うかもしれないけど、私としてはサンドイッチとして毎朝食いたいくら美味しかった。

「アンバ/Amba」。全く甘くなく、強烈にすっぱい。@Cafe 65/テルアビブ

サビーフの日本語メニューが「なすとたまご」になっていて、「なにこの組み合わせ意味わからん」となりそうな印象。実は一番重要かもしれないメニューだけど、日本では(というかイスラエル国外では)サビーフの価値を届けるまでに御託を並べる必要があるのでミニマルな名称にとどまるのも仕方ない。

だからこそ、サビーフ専門店が日本に現れたとき、そのお店は日本初のイスラエル料理屋になれるのかもしれない。でもそれまでは、ファラフェル・サババがいまんとこ一番サババなお店かもと言っておきたい。

P.S.水と温かいお茶がセルフサービスなのが◎

ファラフェル・サババの住所:大阪市中央区西心斎橋2丁目17-13 1F

出演-おしながき-

ファラフェル・サババ/Falafel Sababa
ファラフェルフムス(Falafel Hummus)/900円
サビーフ(Sabich)/600円

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