世界ごはんたべ記#40 イスラエルのハンバーガー屋「ビトリーナ・リリ」

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「世界ごはんたべ記」のせつめい

「世界ごはんたべ記」は、ライターのがぅちゃんによる外食の記録です。どんなお店で何を食べたか、どんなことを感じたか……などなど、じゆうに書いています。

海外ぐらしが長いので、異国のお店はひんぱんに登場します。とはいえ「世界」と名乗っている手前、母国のお店も発表していかねばなぁと思っています(……か?)。



前回の記事「#39 イスラエルの朝食専門店/カフェ65」はこちら。「世界ごはんたべ記」の記事一覧はこちら

ビトリーナ・リリとは

ビトリーナ・リリの雰囲気。

「ビトリーナ・リリ」は、イスラエルの東京「テルアビブ」で一番おいしい(と耳にタコができるくらい聞く)ハンバーガー屋だ。ほんとうに美味しい。「5本の指に入る」とか「3本の指に入る」とか、しょっちゅう言われている。テルアビブでいちばん美味しい(と言ってよい)ハンバーガー屋だとおもう。

ビトリーナ・リリの看板料理、チーズバーガー。

ビトリーナは2店舗ある。「ビトリーナ・リリ」は、ビトリーナの「リリエンブルム店」という意味で、「リリエンブルム通り/Lilienblum St」にある。まあどこにあろうが、ビトリーナはどちらの店舗も人気なので、どちらもざっくり本店だと思われている(と視た)。

“まじ美味いで”

とある宅飲みで。

イスラエルみ120%の、肴たち。

ビトリーナ・リリを知ったのは、あるゲイパーティでのこと。宅飲みスタイルの、イスラエルらしい飲み会だった。誰の家かはあまり重要ではない。そのへんに腰掛けて、てきとうにおしゃべり。このままナンパしてしまおうかなと思わされた素敵なおっちゃんは「ウクライナ出身」と言っていた。典型的なイスラエル人だった。

家主のはやとくん(仮名)が「こんなん冷凍食品やでW」と言いながらオーブンで焼いた「ブレカス/Bourekas」をつまみながら、おしゃべりを続行する。「ブレカスはイスラエルの定番料理と聞いてたけど、ほんとに定番なんだな」というのを味わった。えらいもんで、はやとくんは焼き慣れてた。早くてうまい。

ブレカス。中身がマッシュドポテト&チーズの、「パイの実」。

いれかわりたちかわりで、あらたに前に座ったユダヤ教徒の青年(ゲイパーティだから男しかいないんだけども)と、いい感じの会話になった。「京都エルサレムは似てる」とかについて話してたはずなんだけど、気付いたら「一番うまい店」の話になってた。で、彼がえらく感情を込めて推してきたのが、ビトリーナだった。

「チーズバーガーは食わんけど、肉だけのやつもあるし。まじ美味いで。」と彼は言う。肉だけのやつ? あ、そうか、ユダヤ教徒は、乳製品と肉を一緒に食べないんだっけ(個人差がある)。

ビトリーナ・リリの雰囲気

お店の外観。「Vitrina/ビトリーナ」とある。

イスラエルのウーバーイーツ「ヴォルト」の配達員が、ひっきりなしに来る。

アーティスティックでコンテンポラリ。私はネオンに弱いので(虫か)、昼にもかかわらず煌々と輝く「Vitrina/ビトリーナ」のネオンに、エントランスでやられてしまった。ここがビトリーナと知らなくても、うかつに入ってただろう。(私は人間なので、食べる側にいるという圧倒的な安心がある。)

ブンブン入店だ!

カウンターでオーダーし、料理を待つ。

店内にはUSのヒップホップが流れていた。もうちょっとで「ロンドンとかにありそうなレストラ…」とか言いそうになったけど、ボストンあたりに訂正しておいた(心の中で)。この日はめずらしく雨だったれど、大繁盛していた。「まあでも、晴れでもロケット弾がふってくる可能性があるわけだから、雨なら大丈夫か」と、我に帰った。

天井があることを確認。

頭上のスピーカーが落ちてこないか心配で、気が気じゃなかった。(当時のイスラエルでは、工事現場の事故が社会問題になっていた。)

ビトリーナ・リリのメニュー

ビトリーナ・リリのメニュー。むだがない。

出ました! 私の大好きメニュー。プリント一枚のやつ。これだけでもう、ここは美味しいと言い切れる(勝手に言ってろ)。「ハンバーガー」「ソーセージ」「サイド」「ドリンク」といった内容。ここだけの話、ビトリーナはソーセージもなかなかと言われている。ソーセージがあるということは肉に関してガチだな…と察した。

ソーセージに手を出した者は皆、敗れる。アメリカのBBQのTV番組でのことだ。「割合は?」「フィフティ・フィフティ。」バチバチの会話。「ソーセージにつめる肉と脂肪の割合は?」「肉50%脂肪50%です。」という意味だ。ほんとは、肉と脂肪が7:3が良いらしい。その人は、5:5で惜敗した。

最強の焼き手「ピットマスター」を競う番組。

肉料理屋で自家製ソーセージを扱うということが、どれだけの意味をもつのか。それは正直、ぜんッぜんわからないW ビトリーナ・リリでソーセージは食べてない。

チーズバーガー

「Butler Cheese Burger」。1350円(45シェケル)。

メニューの一番てっぺんで「ベストセラー」と名乗っていたアイテム。それがこのチーズバーガー。ニンニク、 ピクルス、 オニオンジャム、アルグラ(ルッコラ)、ビネガー、ゴーダチーズ、ブルーチーズ、BBQソースが含まれる。ハンバーガーのパテは、焼き加減が指定できる。ミディアムレアにしておいた。

断面が美しい。アルグラのまとまり感がすき。

美味しい。いままで食べたハンバーガ史上、TOP5(マクドのてりやきバーガー含む)。まず思ったのは、バランスがちょうどいい。パン、肉、その他の具、すべての量が適切に投与されていると感じる。ぜんぶの味がする。誰かが何かを邪魔してない。最後までパンが崩壊せず、食べ切れた。うれしかった。

キュウリもある。

ブルーチーズとアルグラは飛び道具系フレーバーとして定番、という印象がある。それをウリにするってつよいな、と思った。でもソースは「BBQソース」と、超王道。アルグラもブルーチーズも苦みがあるけど、BBQソースの(私の嫌いな部分である)甘さで、うまい具合に調和した感じ。

BBQソースが、あまり好きじゃない。強くて、自分の味蕾(みらい)をぜんぶヤツに支配されると感じるから。でもヤツも付き合う相手によっては、こんなにも調和して美味しくなる。共生なんだな(しみじみ)。映画「もののけ姫」のアシタカを思い出した(なぜ?)。アシタカバーガーと名付けてやろうか?(やめてくれ)。

もののけ姫の裏タイトルは「アシタカせっ記」という説がある。

フライドポテト

390円(13シェケル)。

油断すまいぞ! これ、チーズバーガーと同じくらい(いやもしかしたらそれ以上)おいしかった。ジャガイモとサツマイモのシューストリング。うッす〜く繊細にグレイトされたレモンゼストが、絶妙に香ばしい(おうちごはんに即ヘッドハンティングした)。フレーバのセンセーションが口内で吹き荒れる、ハンターハンターのセンリツが音楽を奏でたときくらい。

ソース。

一緒についてきたソースもただならぬ雰囲気(と味)で、「なにこれ? なにこれ?」と何回も舐めた。ケチャップがとくに怪しい。微妙に甘くて、イチゴジャムみたい。でもイチゴではない。あとで調べてみると、ビーツ(らしい)ということがわかった。イスラエルでは、ソースを赤くするときにビーツが使われたりする。ケチャップはもともと赤いので、灯台もと赤しだった。

ビーツのマスタードソース。@クラロ/テルアビブ(詳細記事)

「ビーツ入りのソースとか、どうせ色を赤くさせたいだけ」というブスな考え方をしてたけど、覆った。どうしよう、どんどんかわいくなってく(自分が)。

リリエンブルム氏

モシェ・リリエンブルム氏。Image:CC0

「ビトリーナ・リリ」の「リリエンブルム」の正体は、ユダヤ人の作家「モシェ・リリエンブルム/Moshe Lilienblum」の、苗字。元ロシア帝国で現ウクライナの「オデッサ/Odessa」出身の人物だ。イスラエルの初代首相もロシア帝国出身なので、なんかしっくりくる。ではビトリーナは? これについては、いまだ謎のままだ。

イスラエルの初代首相、ダヴィド・ベングリオン。Image:CC0

ビトリーナ・リリの住所:Lilienblum St 40, Tel Aviv-Yafo, Israel

出演-おしながき-

ビトリーナ・リリ/Vitrina Lilienblum
チーズバーガー/Butler Cheese Burger/45 ILS(1350円)
フライドポテト/Small Fries/13 ILS(390円)

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