世界ごはんたべ記#37 イスラエルのレストラン「クラロ」

「世界ごはんたべ記」のせつめい

「世界ごはんたべ記」は、ライターのがぅちゃんによる外食の記録です。どんなお店で何を食べたか、どんなことを感じたか……などなど、じゆうに書いています。

海外ぐらしが長いので、異国のお店はひんぱんに登場します。とはいえ「世界」と名乗っている手前、母国のお店も発表していかねばなぁと思っています(……か?)。



前回の記事「#36 イスラエルのレストラン/ビシクレッタ」はこちら。「世界ごはんたべ記」の記事一覧はこちら

クラロとは

クラロの雰囲気。

「クラロ/Claro;」は、イスラエルの東京「テルアビブ」にある、有名なレストラン。「地中海のキッチン/Med Kitchen」がコンセプト。地中館沿岸国(スペイン、フランス、イタリア、トルコ、ギリシャ、レバノン、イスラエル)の食文化をかっさらう、みたいなことを、HPで謳ってた。「Farm to Table/畑から食卓へ」というスローガンを掲げており、イスラエル産の食材を徹底して採用しているそうだ。現代イスラエル料理と言ってよいだろう。

1900年代の、サロナ。Image:CC0

クラロは「サロナ/Sarona」という有名なエリアにある。サロナは、1871年にドイツ人キリスト教徒らが住んでいたエリア。ちょっと前までは薬物中毒者の溜まり場だったとも言われるサロナに、2015年に誕生したのが「サロナマーケット」イスラエルの最先端の食文化が集う屋内フードモールで、約90店舗が存在する。サロナマーケットは、今ではテルアビブの人気スポットだ。そんなサロナマーケットの真ん前に、クラロはある。

現在のサロナ。

サロナマーケットの外観。

サロナマーケットにあったラーメン屋「ヒロ・ラーメンバー」。(詳細記事)

クラロの雰囲気

クラロの外観。

店内の雰囲気。

倉庫みたいな雰囲気。天井が高い。サロナを開拓したドイツ人キリスト教徒らが1886年に建てた物件を利用しているらしい。「インダストリアルな雰囲気」のお手本みたいな空間だ。倉庫とはいえ、ボロボロで汚い感じはない。わざとラスティックな表情を生かした、味のある空間。入店するだけで、ちょっとわくわくする。「畑から食卓へ」とか言いそうな雰囲気(実際に言ってるんだけども)。

中央にあるフルオープンキッチン。

キッチンを囲むカウンターテーブル。

クラロのメニュー

プリント一枚。

地中海のキッチン、なるほどな。という感じだ(どういう感じだ)。イスラエルの定番料理(現代イスラエル料理)は、地中海系中東料理(レバント料理/Levantine Cuisine)。クラロもいちおうソレだけど、中東よりは、地中海に寄ってる。中東料理のキラーアイテム「ファラフェル」とか「フムス」は、安易に採用してない気配がある。メニューのアイテムは、具の詳細がちょくちょく変わったりする。

カクテルメニュー。

とうもろこしキャンペーン

コーン・ダイキリ。1040円(48シェケル)。

クラロには3回は行った(3回までは数えた)。ある日、「とうもろこしキャンペーン」をやっていた。とうもろこしのカクテルsが(脳内で)仁王立ちしてきた。「コーン・ダイキリ」「コーン・マルガリータ」「コーン・ウイスキー」。「ラムと自家製コーンシロップ」の響きにつられて、コーン・ダイキリを飲んだ。おいしい。次回はコーンスープにラムを混ぜてやろうかしら、と思った。

美味。

前菜

グリーンサラダ。1620円(54シェケル)。美しい。

野菜、肉、魚、パン、など揃っている。メインにあってもよさそうなアイテムもある。「フレナ(モロッコのパン)」「地中海の生魚」「グリーンサラダ」「焼きイカ」「ビーフカルパッチョ」を食べた。グリーンサラダは、イスラエルで食べたサラダ史上もっとも美しかった。地中海の生魚には、レバントの豆料理「フリーカー/Freekeh」やイスラエルのゆかり「スマック/Sumac」が含まれている。

地中海の生魚。紫のふりかけのような粒が、スマック。

焼きイカ。「アラブのレタス焼き」が添えられている。

ビーフカルパッチョ。1620円(54シェケル)。

フレナ

540円(18シェケル。)

「フレナ/Frena」は「ぶあついピタパン」といった感じ(ピタパンはイスラエルの定番パン)。フレナの表面には、イスラエルの定番ハーブ「ザアタル/Za’atar」がまぶされている。サワークリーム、スクッグ(Zhug)、マトブカ(Matbukha)つき。スクッグはイエメン発祥のパクチー入りホットソースで、マトブカは北アフリカのパプリカ入りトマトソース。ぐぅのねも出ないくらいのレバント定食だった。

左:マトブカ。右:スクッグとサワークリーム。

メイン

その名も「クラロハンバーガー」。2640円(88シェケル)。

色とりどりのピクルスつき。

インテリアの如くラスティックなフライドポテト。めちゃくちゃおいしい。

クラロのメインは、肉、魚、パスタ。欧米先進国のレストランといった感じ。「ステーキ串」「ステーキ」「ハンバーガー」「ポークチョップ」を食べた。ステーキにはザクロのソースがかかっていて、かなりイスラエルみがあった。ザクロは定番食材で、「ザクロの蜜」とかスーパーに売ってる。ポークチョップのマスタードにはビーツで鮮やかな色がついている(ロシア料理みたいだ)。

ステーキ。4980円(166シェケル)。

ポークチョップ。100gあたり1260円(42シェケル)。

ビーツのマスタードソース。

ロシア由来の、ビーツ入りワサビ。スーパーに売ってる。

スーパーのザクロの蜜。

ステーキ串

4050円(135シェケル)。

正式名称は「アントルコート串/ Entrecôte Skewer」。アントルコートという部位を、串焼きにしている。見た目は完全に、イスラエルで言うところの「ケバブ」。中東料理みたいだ(中東料理なんだけども)。野菜を丸ごと直火で焼いているのが「地中海風」だそう。ソースは「緑サルサ/Salsa Verde」。「イスラエルらしさ」がかなり強い。余談だが、イスラエルは国民一人当たりの牛肉消費量が世界4位だ。

イスラエルのケバブの典型例。ちなみに鶏肉は世界1位。@アブゴッシュ/アブゴッシュ

デザート

チーズケーキ。ベリーのピュレ(Coulis)がかかってる。

「キングサイズ・トリュフ」という名前の、いわばチョコボール。

チョコレートムース、ヘーゼルナッツのカラメル、クレーム・アングレーズ入り。

甘いものはそこまで好きじゃないれど、クラロではデザートをよく食べた。なぜなら美味しいから。ベリーで遊ぶ「チーズケーキ」、野球ボールみたいな「キングサイズ・トリュフ」、うまみ・あまみ地獄の「ミルフィーユ」。ミルフィーユは、バニラクリームがパフペイストリーに挟まってて、その上からトフィー(バターと砂糖のキャラメルのようなソース)をぶっかけ。イスラエルで食べたもの史上、いちばん美味しかった。

ミルフィーユ。1620 円(54シェケル)。

びっちょん子になって、、

ビジネスランチお得

クラロの「平日ビジネスランチ」はお得だ。いやランチなんてどこもリーズナブル…と思うかもしれないが、そういうことじゃない。クラロのビジネスランチは、日曜でも食えるのだ。なぜなら、イスラエルの平日は日曜〜木曜だから。土日が休みで生きてる外国人はいて、そのノリで日曜のビジネスランチを食べると、異様に得した気分になる。前菜とメインに、ドリンクがついてくる。

サービスのアイスティーでございます。

クラロの住所:Ha’arbaa st 23, Tel Aviv, Israel

出演-おしながき-

クラロ/Claro;
コーン・ダイキリ/Corn Daiquiri/48 ILS(1040円)
グリーンサラダ/Green vegetables and ricotta salad/54 ILS(1620円)
地中海の生魚/Raw mediterranean fish  /54 ILS(1620円)
焼きイカ/Seared calamari/69 ILS(2070円)
ビーフカルパッチョ/Beef carpaccio/54 ILS(1620円)
フレナ/Whole-wheat frena bread/18 ILS(540円)
クラロハンバーガー/Claro hamburger /88 ILS(2640円)
ステーキ/Seared fillet of beef/166 ILS(4980円)
ポークチョップ/Pork chop/ 100gあたり42 ILS(1260円)
ステーキ串/ Entrecôte Skewer/135 ILS(4050円)
チーズケーキ/Cheese cake/48 ILS(1440円)
キングサイズ・トリュフ/King size truffle/58 ILS(1740円)
ミルフィーユ/Classic mille -feuille/54 ILS(1620円)

お店のHP

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