イスラエルの定番ケバブ3種類と12品の解説

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イスラエルのテルアビブに住んでいます、がぅちゃんです。

祝日にケバブ&バーベキューするテルアビブの家族。

イスラエルでケバブは、日本でいうラーメンのような定番料理です。お店ごとに多様なケバブがあるわけですが、定義をおさえて3パターンに分類し、各4品・合計12品のケバブを紹介します。最後に、もうすぐイスラエルでケバブと呼ばれそうな海外料理も紹介しています。

この記事を読めば、寿司と焼き鳥もケバブに見えてくるかもしれません。

ケバブとは何なのか

「アニキ〜!」でピンとくる人もいるくらい、ケバブは日本でもあるていど認知された食べ物だと思います。ケバブとは、主に中東や地中海沿岸で食べられる肉料理で、野菜も焼けばケバブと呼ばれることもあるくらい、定義が広い料理です。材料や調理法によって様々な種類が存在し、国によって名称が変わることもあります。

イスラエルのモーゼスさんのケバブ。人気チェーンレストランの「Moses」にて。(Moses=モーゼス/モーゼ/モーセ)

この状況を日本の麺料理で例えるなら「そば」の感覚に似ています。中華そば、ざるそば、焼きそば、どれも「そば」ですが、それぞれ内容は違いますよね。ときに「中華そばはラーメンか」「焼きラーメンは焼きそばか」などの議論も発生し、地域ごとにレペゼンしている「そば」の内容が違うことさえあります。ケバブのシーンでも、概ね同じことが言えます。

テルアビブで食べた「モーニングラーメン/Morning Ramen」。これはこれで興味深い。24h年中無休の朝食専門レストランチェーン「ベネディクト」にて。

国によって様々なケバブ

日本の屋台で見かけるトルコのケバブは「ドネルケバブ/Doner Kebab」と呼ばれます。直訳すると「回しケバブ」のような意味で、縦に積み重なった肉の塊を回転させて焼く調理法が料理名になっています。一方で、中東ではそれが「シャワルマ/Shawarma」と呼ばれ、アラビア語で「回る」のような意味があります。ドネルケバブとシャワルマは名称が違えど、同じケバブと言えます。「中華そば」と「ラーメン」みたいなものでしょうか。

典型的なドネルケバブの屋台。肉塊の表面を削ぎ落として食べる。ドイツ・ベルリンで最も有名なケバブ屋「Mustafas Gemüse Kebab」より。

例えば、トルコ系移民の影響でドネルケバブが国民的ファストフードにまでなったドイツでは、ケバブと言えばトルコのドネルケバブ(=中東のシャワルマ)を指します。しかし(トルコの)近所のギリシャでは、ケバブは串焼きの「スブラキ/Souvlaki」が一般的で、これはトルコの「シシケバブ」に該当します。そしてドネルケバブ/シャワルマに該当するものは、「ギロ/Gyros」という名前で存在します。

上の「Mustafas Gemüse Kebab」の、ドネルケバブ。いわゆる中東のシャワルマ。

この、めくるめくケバブ談義はシャワルマばりにぐるぐるやってられそうなのですが、目が回ってお腹いっぱいになりそうなので、ここらでイスラエルのケバブの定義へと、話を削ぎ落としていこうと思います。

上のケバブのまとめ
・ドイツのケバブ=トルコのドネルケバブ/中東のシャワルマ/ギリシャのギロス
・ギリシャのケバブ=ギリシャのスブラキ/トルコのシシケバブ

イスラエルの3大ケバブと12品を紹介

左から、「Kebab/ケバブ」タイプ、「Skewer/スキューワー」タイプ、「Shawarma/シャワルマ」タイプ。

イスラエルで「ケバブ」 として一般的に認識されているのは以下の3種類です。(イスラエルの飲食店のメニューの英語表記を基準にしています)

1 肉だんご状の「Kebab/ケバブ」

イスラエルで最もオーソドックスなケバブで、小さなハンバーグのような形が多い。「肉だんご状」だが、メニューでの表記は「ひき肉(Ground/Minced Meat)」となっていることが一般的。ひき肉=肉だんごという解釈は言わずもがな。

2 ぶつ切り肉の「Skewer/スキューワー」

「Skewer」は英語で「串」。つまり串で焼いたケバブはこれにあたり、ぶつ切り肉が複数刺さっているのが一般的(トルコのシシケバブ)。「Kebab」と「Skewer」はイスラエルの2大ケバブ。ある意味、焼き鳥も「Skewer」である。

3 スライス肉の「Shawarma/シャワルマ」

トルコの「ドネルケバブ」とほぼ同じ。イスラエルでは、削いだ肉を皿に山型に盛って提供する店が多い。調理器具が特殊で家庭では作りにくいため、1と2の二者とは別格の存在感がある。ケバブ(1&2)とシャワルマは別と考える人もいる。

それでは以下に、それぞれの種類から4品ずつ合計12品を、実際のメニューの名前で紹介していきす。分類を明確にするために、あえて表記は「Kebab」「Skewer」「Shawarma」で固定しています。実物のメニューも一緒に紹介しているので、よかったらそれも参考にしてください。

なお、イスラエル料理やケバブの定義に議論の余地はありますが、この記事ではあくまでも「イスラエルでケバブは一般的にこう考えられている」という基準でまとめています。

「Kebab」の4品

【1】Fattoush Kabab(=ファットゥーシュ・ケバブ)

イスラエルの理想の「Kebab」が具現化されたような一品です。種類豊富な野菜が丁寧にカットされていて(ズッキーニやスイートポテトは「Kebab」には稀)、エエとこのケバブ感が滲み出ています。「ファットゥーシュ/Fattoush」とはこのお店の名前であると同時に、この地域の国々が共有する食文化の「レバント料理(東地中海系の中東料理)」の定番サラダの名前でもあります。

肉の味付けは王道のクミンやパセリ(ひとくちで広がる中東感!)。クラフトマンシップに則ったような肉の整形に愛を感じます。肉の下のパン(Flat Bread)をかじると、ねりこまれたスパイス(マサラっぽい)がフワーっと広がり、肉→野菜→パンの三角食べが止まりません。ひとつひとつを味わうべく作られた丁寧なケバブだと思いました。

レストラン「ファットゥーシュ」のメニュー。赤線が「ファットゥーシュ・ケバブ」。(KababとKebabは同じ)

ファットゥーシュ・ケバブのまとめ
状態:肉だんご状の「Kebab」
素材:牛肉
値段:69シェケル/2,070円
一言:エエとこの「Kebab」。

【2】Mediterranean Kebab(=地中海ケバブ)

地中海料理といえばギリシャ料理とも言われていて、このお店はギリシャ料理屋なのですが、見た目は完全に「イスラエルの中東料理のケバブ」でした。ギリシャという一点を除くと、「Kebabは普通こう」というのが味わえて安心感があります。やりすぎずやらなさすぎず、ちょうどいいKebabです。

付け合わせの特徴として、中東のごまペーストのタヒーニ(写真左上)と中東料理のマジャドラライス(写真右)が挙げられます。タヒーニは日本の醤油ポジションの食材で記事中に何度も登場するので、「イスラエルのごまだれ」と覚えていただければ今後も話の辻褄が合ってきます。それにしてもギリシャはどこにいった?

赤線が「地中海ケバブ」。風光明媚なカイサリア港のギリシャ料理屋「Limani Bistro」にて。

地中海ケバブのまとめ
状態:肉だんご状の「Kebab」
素材:ラム肉
値段:68シェケル/2,040円
一言:やりすぎず、やらなさすぎずのKebab。

【3】Seniya Kebab(=セニヤ・ケバブ)

本来、「セニヤ・ケバブ」はタヒーニやトマトソースと一緒にオーブンで焼くケバブ。これはタヒーニをかけてセニヤ・ケバブを名乗っていますが、盛り付けは「Shawarma」方式です。つまりはなかなかのハイコンテクストで、おめかしした「Kebab」と言えます(【11】と比較)。こういった定義の掛け合わせはイスラエルのケバブの醍醐味でもあります。

肉だんご状のラムをミントやタヒーニと絡めてピタパントーストに乗せて食べるのですが、日本の料理で例えるなら、ジンギスカン×ミント×ゴマだれをパンでいただくような感じ。焼きナスやひよこ豆も含まれていて(それぞれをタヒーニと混ぜるとババガヌーシュやフムスという料理になる)、この皿の中で複数の他の料理が作れます。ある意味ぜいたくな一品。

赤線が「セニヤ・ケバブ」。イスラエルのチェーンカフェ「Landwer Cafe」にて。

セニヤ・ケバブのまとめ
状態:肉だんご状の「Shawarma & Seniya」風「Kebab」
素材:ラム肉
値段:63シェケル/1,890円
一言:おめかしした「Kebab」。

【4】Shikshukit(=シャクシュキット)

「シャクシュキット」はお店の造語だと思うのですが(シェイクスピアを意味してたような…?)、メニューには「Grounded(ひき肉)」の文字。ひき肉をひき肉のまんま出すという、ありそうでなかった異端児な「Kebab」です。このお店は「Machneyuda(マハネヤフダ)」という、エルサレムの飲食業界を牽引する名店だそうです。既存の見解のアップデートで新境地を開拓するタイプのケバブと言えるのではないでしょうか。

「Kebab」は牛かラムが一般的なのですが、ひとくち目では、何肉か正体がつかめませんでした(咀嚼のたびに牛羊牛羊、君の名は?)。店員さんに聞いてみたら「牛肉をな、ラムのオイルと混ぜてんねん」と、ニヤッとしながら教えてくれました。た、匠だ…! あと、付け合わせのトマトが温かくて、「あったかいトマトはソースにもなるんや」とでも言われているようでした。これは奇抜さに意味があるやつでした。

赤線がシャクシュキット。メニューはモノクロのプリント1枚で文字オンリー。このタイプのメニューを、私は勝手に「匠メニュー」と呼んでいる。

シャクシュキットのまとめ
状態:ミンチ状の「Kebab」
素材:牛肉&ラム油
値段:56シェケル/1,680円
一言:正統に異端児。

余談:イスラエルの「セニヤ・ケバブ」とトルコの「キョフテ」

左:イスラエルで「キョフテ」として提供される「セニヤ・ケバブ」、右:トルコの「キョフテ」。

【3】で登場した「セニヤ・ケバブ」でしたが、実際のセニヤ・ケバブは写真左を指します(【1】と同じ店)。ところがメニュー表記は「キョフテ」でした。そこでトルコのキョフテ(写真右)と比べてみると、これはこれで全く違う。写真左のモヤっとした状態を言語化すると「肉だんご状なのでキョフテと名乗ったが調理方法はセニヤ」となります。「定義がかすれば名乗ってOK」というのはイスラエルの料理でよく起こる現象です。

「Skewer」の4品

【5】Chicken Skewers(=チキン串)

イスラエル人に「ケバブってなに?」と聞いた場合、2人に一人は説明するであろう料理が、この鶏肉の「Skewer」です。スーパーでもよく売られていて、路上のバーベキュー(祭日をバーベキューで祝う文化がある)でも最もよく見るタイプです。発想は日本の焼き鳥と同じですが、串は鉄製で二の腕くらいの長さがあります。

食べてみると、クミンやパプリカといったエキゾチックかつ王道なフレーバーで「万人が思い描く中東料理」という感じ。ややもすればぶっきらぼうに添えられた野菜&しなしなポテトですが「インスタ映えとかいらんねん」というお店の主張にも(勝手に)取れて最高です。ちなみにここは、アラブ系イスラエル人の村にある「アブ・ゴーシュ」という名店。

赤線が「チキン串」。世界最大のフムス(ひよこ豆のペースト)でギネス記録を塗り替えたこともあるレストラン「アブ・ゴーシュ」にて。

チキン串のまとめ
状態:ぶつ切り肉の「Skewer」
素材:鶏肉
値段:62シェケル/1,860円
一言:ケバブ中のケバブ。

【6】Ground Lamb Skewers(=ラムミンチ串)

序盤に登場した、肉だんご状の「Kebab」の本来の姿がこれです。「Skewer」を名乗るかどうかは、串から外すか外さないかといったところでもあります。チキン串の【5】とこれは、イスラエル人が思い描くであろう典型的なケバブの外見TOP2と言えます。

食べてみると、味は「Kebab」の【2】とあまり変わりありません。ただし、一個一個串から外して食べていくので、無くなっていく情緒も味わえます(串から外す行為自体に「ケバブやってるなぁ」と感じる)。そうなってくると発想は完全に焼き鳥のつくねですね。

赤線が「ラムミンチ串」。同じく「アブ・ゴーシュ」にて。

ラムミンチ串のまとめ
状態:肉だんご状の「Skewer」
素材:ラム肉
値段:62シェケル/1,860円
一言:ラム肉のつくね。

【7】Entrecote Skewer(=アントルコート串)

「ケバブ=Skewer」のフォーマットがあるので、牛串もケバブの範疇です。「アントルコート」は牛肉の最高級な部分ということで値段がハネ上がっていましたが(4,050円)、売り切れていたので写真は違う肉です。野菜の丸焼きがあったり、写真左のソースがタヒーニではなく「Salsa Verde (=緑サルサ)」だったり、地中海料理といった内容です。

肉は噛めば噛むほど赤身の天然旨味地獄(最高級なら死ねてたかも)。ここにきて、パセリ、チリ、酢などからなる「Salsa Verde」のピリ辛サッパリ感が活きてきます。イスラエルの食は中東要素と地中海要素でせめぎあうのですが(アジア料理でタイやインドがごっちゃになる感じ)、タヒーニではなく「Salsa Verde」だったのは、ささやかで明確なレペゼン地中海と言えます。

赤線がアントルコート串。これも匠メニューの範疇。テルアビブの地中海料理屋「クラロ」にて。

アントルコート串のまとめ
状態:ぶつ切り肉の「Skewer」
素材:牛肉
値段:135シェケル/4,050円
一言:地中海風ケバブ。

【8】Hanger Skewer(=ハンガーステーキ串)

イスラエルに「ケバ部」なるものが存在するとして、そろそろ一軍に昇格しそうなのがミニの「Skewer」です。これがレギュラーとして前線に繰り出されるようになった時、次に待ち構えるのは焼き鳥や串カツです。ちなみに「ハンガーステーキ」とは牛肉の最小部位と言われ、肉の質で勝負しているお店でよく見るメニューです。

ソースは、牛肉消費一人当たり世界1位のアルゼンチンが誇る「チミチュリ/Chimichurri」。そしてこれは、別の国では「Salsa Verde/緑サルサ」と呼ばれるものです。定義と名称のプレゼン合戦はケバブ以外でも起こっています。これがイスラエルの料理シーンの面白いところ。

赤線がハンガーステーキ串。この匠メニューには、何となく遊びゴゴロがある。テルアビブの創作系カジュアルダイニング「Bicicletta」にて。

ハンガーステーキ串のまとめ
状態:ぶつ切り肉の「Skewer」
素材:牛肉
値段:32シェケル/960円
一言:そして焼き鳥へ。

余談:イスラエルの「スブラキ」とギリシャの「Skewer」

左:イスラエルの地中海系中東料理屋の「スブラキ」、右:イスラエルのギリシャ料理屋の「Skewer」

序盤にちょこっと出てきましたが、「スブラキ/Souvlaki」はギリシャを代表するケバブで「串」を意味します。左の写真は、イスラエルの地中海系中東料理屋で「スブラキ」と表記されていたケバブ。しかし右のギリシャ料理屋では、「Skewer」と表記されていました。ラーメン屋が「中華そば」と言っているのに、中華料理屋は「ラーメン」と言っている感じです。イスラエルのケバブの定義のリミナルさが感じられます。

Shawarmaの4品

【9】Pullet Shawarma(=めんどりのシャワルマ)

イスラエルのレストランで期待できる、最もオーソドックスな「Shawarma」といえます。肉と玉ねぎの山にパセリとタヒーニという王道の構成。「Pullet」は「1歳未満で卵を産んでないメスの鶏」を意味し、日本語のメニューで「若鶏の〜」と書かれるのに似ています(厳密には若鶏は生後3ヶ月の鶏)。

カレー風味の細切れ肉をフォークで食べていると、それだけで「Shawarma食べてるな〜」という気分。肉が茶色いのは(カレー要素と)未熟のマンゴーから作られる「アムカ/amchur」という調味料によるもので、イスラエルでポピュラーな食材です。マンゴーチャツネほど甘くなく、フルーティーで酸味があります。

赤線がめんどりのシャワルマ。テルアビブのビーチ沿いのレストラン「マサダ」にて。

めんどりのシャワルマのまとめ
状態:盛るタイプの「Shawarma」
素材:鶏肉
値段:82シェケル/2,460円
一言:オーソドックスな「Shawarma」。

【10】Vegan Shawarma(=ビーガン・シャワルマ)

そもそもビーガンメニューに対応しているあたりに「Shawarma」の圧倒的需要を感じます。今や欧米では当たり前になったかのようなビーガンですが、これは動物性食品を一切摂取しない食事(絶対菜食主義)のことで、ベジタリアンのもっと厳しい版と言えるでしょうか。味付けや構成は【9】と同じですが、完全に大豆性です。

肉味が抜けた鶏肉というか、硬めのちくわのような食感で、酔っていたら鶏肉認定を下せそうです。意地をはって本気で例えを探すとドイツのマカロニ「スペッツェル/spatzel」がそっくりです。主役より美味しいローストポテト(写真右)が完全にダークホースで「さすがベジタリアンカフェ」とハッとさせられます。

赤線がビーガン・シャワルマ。テルアビブのベジタリアンカフェ「アルマズ・カフェ」にて。

ビーガン・シャワルマのまとめ
状態:盛るタイプの「Shawarma」
素材:大豆
値段:55シェケル/1,650円
一言:大豆性のマカロニ。

【11】Grouper Shawarma(=ハタのシャワルマ)

Grouper (魚のハタ類)は、イスラエルでとてもポピュラーなシーフードです。そしてこれは、調理方法ではなく盛り付けが「Shawarma」方式となっています。今のイスラエルでは、「この盛り付け方のケバブ=Shawarma」という概念が成立しています。ちなみに魚でケバブをやるのは、お上品な店の傾向みたいなところがあります。

味付けは一般的な「Shawarma」ですが、ハーブの種類に贅沢さを感じます。パセリ、ミント、コリアンダーと、「Shawarma」であり得るトッピングの全部乗せです。序盤に登場した【3】のおめかしケバブが、憧れて目指しているケバブとも言えます。とはいえこちらは、リッチさに必然性を感じる、破綻なきエクストラバガンザ。

赤線がハタのシャワルマ。エルサレム中心部、マミラホテルの屋上レストラン「Mamilla Rooftop」にて。

ハタのシャワルマのまとめ
状態:ぶつ切りで盛るタイプの「Shawarma」
素材:魚(ハタ)
値段:74シェケル/2,220円
一言:「Shawarma」先輩!

【12】Shwarma(=シャワルマ)

イスラエルのコーシャ料理のファストフードチェーン店で「Shawarma」を頼むとこうなる、の図です。ピタパンじゃないという一点を除いて、ストリートフードとしての「Shawarma」の原風景と言えます。コーシャ料理とは、イスラエル最大の宗教であるユダヤ教の食の戒律に則った料理のことです。

クミンとコリアンダーとカレー粉をかけて家でこしらえたような家庭の味で、最高に心地良いです。ピクルスがハンバーガーを彷彿とさせますが、同時に中東料理の定番おつまみとしてのアイデンティティも発揮し、がぜん中東ポイント高めです。余談ですが、コーシャ料理では豚、兎、貝、乳製品と肉の組み合わせなどNGです。

赤線がシャワルマ。イスラエルのファストフードチェーン「ニュー・デリ」より(インドは全く関係ない)。メニューの上の左右の角に、英語とヘブライ語で「コーシャ」と書かれている。

シャワルマのまとめ
状態:サンドイッチの「Shawarma」
素材:鶏肉
値段:25シェケル/750円
一言:一周まわって家庭の味。

12品のケバブのまとめ

Kebab/ケバブ

【1】ファットゥーシュ・ケバブのまとめ
   状態:肉だんご状の「Kebab」
   素材:牛肉
   値段:69シェケル/2,070円
   一言:エエとこの「Kebab」。

【2】地中海ケバブのまとめ
   状態:肉だんご状の「Kebab」
   素材:ラム肉
   値段:68シェケル/2,040円
   一言:やりすぎず、やらなさすぎずのKebab。

【3】セニヤ・ケバブのまとめ
   状態:肉だんご状の「Shawarma & Seniya」風「Kebab」
   素材:ラム肉
   値段:63シェケル/1,890円
   一言:おめかしした「Kebab」。

【4】シャクシュキットのまとめ
   状態:ミンチ状の「Kebab」
   素材:牛肉&ラム油
   値段:56シェケル/1,680円
   一言:正統に異端児。

Skewer/スキューワー

【5】チキン串のまとめ
   状態:ぶつ切り肉の「Skewer」
   素材:鶏肉
   値段:62シェケル/1,860円
   一言:ケバブ中のケバブ。

【6】ラムミンチ串のまとめ
   状態:肉だんご状の「Skewer」
   素材:ラム肉
   値段:62シェケル/1,860円
   一言:ラム肉のつくね。

【7】アントルコート串のまとめ
   状態:ぶつ切り肉の「Skewer」
   素材:牛肉
   値段:135シェケル/4,050円
   一言:地中海風ケバブ。

【8】ハンガーステーキ串のまとめ
   状態:ぶつ切り肉の「Skewer」
   素材:牛肉
   値段:32シェケル/960円
   一言:そして焼き鳥へ。

Shawarma/シャワルマ

【9】めんどりのシャワルマのまとめ
   状態:盛るタイプの「Shawarma」
   素材:鶏肉
   値段:82シェケル/2,460円
   一言:オーソドックスな「Shawarma」。

【10】ビーガン・シャワルマのまとめ
   状態:盛るタイプの「Shawarma」
   素材:大豆
   値段:55シェケル/1,650円
   一言:大豆性のマカロニ。

【11】ハタのシャワルマ
   状態:ぶつ切りで盛るタイプの「Shawarma」
   素材:魚(ハタ)
   値段:74シェケル/2,220円
   一言:「Shawarma」先輩!

【12】シャワルマのまとめ
   状態:サンドイッチの「Shawarma」
   素材:鶏肉
   値段:25シェケル/750円
   一言:一周まわって家庭の味。

イスラエルのケバブ陰謀論

ちょっとあれかもですが、最後に少しだけ。本文で「Skewer」が焼き鳥っぽいと説明しましたが、その延長で「よく考えるとこれもケバブじゃないか」と思える怪しい話をします。話半分で聞いてください。信じるか信じないかは、あなた次第でーす。

ハンバーガーはケバブ

「Kebab」は肉だんご状、つまりハンバーグであることに疑いの余地はない。よってピタパンで挟んだラムKebabは「ラムバーガー」である。人によっては、「ハンバーガー、それはケバブの?」と聞くようにしているとかしていないとか。

焼き鳥も寿司もケバブ

テルアビブのとある日本食屋にて。左から、もも、つくね、ハツ。実は「Skewer」の定番も、鶏肉、肉だんご、ハツ。また、イスラエルでも食される中東のスパイス「Baharat」は英語で「Seven Spices」と呼ばれる。翻訳すると「七味」である。

「Yakitori」という名前の寿司の串カツ。間違いなく「Skewer」である。寿司屋の数が人口比世界3位と言われるテルアビブでは、食のシンギュラリティがもう起こっている。焼き鳥ケバブ同祖論をも超越する新世界がそこにある。

タコスもケバブ

「Shawarma」方式に則ったかのような、メキシコ料理屋のタコス。これからケバブになっていく未来がもうそこまで来ている。メキシコにはすでに、ケバブのタコス「Al Pastor」が到来している。イスラエルの隣国、レバノンの移民がもたらした食文化である。そう、タコスはレバント料理なのである。

…おわかりいただけただろうか?(終)

実際のところ、イスラエルの肉食文化は相当なもので、国民一人あたりの牛肉消費量は世界4位、鶏肉に限っては世界1位です(OECD,2018)。それだけ普段から肉を食べているということなので、肉料理の解釈の幅が広いのにも頷けます。しかもイスラエルはBBQ大国。事あるごとに肉を焼く習慣があるので、ケバブや焼き鳥は、家族団欒の味でもあるのです。

広場に集まってBBQをする人々。イスラエルで最も重要な祝日の一つ「建国記念日」のテルアビブにて。

簡易BBQキットで量産型の肉を焼くおっちゃん。

やっぱり肉はこうでなくちゃ。

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