世界ごはんたべ記#46 アメリカのハンバーガー屋「フィックス」

「世界ごはんたべ記」のせつめい

「世界ごはんたべ記」は、ライターのがぅちゃんによる外食の記録です。どんなお店で何を食べたか、どんなことを感じたか……などなど、じゆうに書いています。

海外ぐらしが長いので、異国のお店はひんぱんに登場します。とはいえ「世界」と名乗っている手前、母国のお店も発表していかねばなぁと思っています(……か?)。



前回の記事「#45 アメリカのハンバーガー屋/BGR」はこちら。「世界ごはんたべ記」の記事一覧はこちら

フィックスとは

フィックスの本名は「The Fix Burger Bar」。

「フィックス/Fix」はアメリカのマサチューセッツ州で展開しているハンバーガーチェーンだ。チェーンといっても大規模ではなく、3店舗しかない。いわゆる「地域密着型」というやつだな(多分)。マサチューセッツ州の「ウースター/Worcester」「マールボロ/Marlborough」「レオミンスター/Leominster」にある(イギリスかッ)。京都でいう、「亀岡」「山科」「伏見」みたいな感じだ(ちょっとちがう)。

マサチューセッツ州(というかニューイングランド地方)といえば、ロブスター。@キャプテン・カルロス/グロスター

ようするにフィックスは、「ボストン」や「四条河原町」といった圧倒的ダウンタウンでド派手に展開するのではなく、地方都市で栄えているお店。クオリティは高く、田舎の都会でうまいめしを食うなら自動的に選択肢に含まれる気がする。ウースターの友達におすすめのお店を聞いてみると、「とりあえずビール」みたいな感じで「ん…フィックス」とか言ってくる。

ウースターの山道。

フィックスの雰囲気

フィックスが入ってる物件。

フィックスのエントランス。

店内の雰囲気。

レンガ造りのインダストリアルな巨大物件のなかに、フィックスは入居してる。天井がやけに高く、配管は丸出しで、レンガまみれ。お手本のような「インダストリアル」なインテリアで、むきだしのアメリカを感じる。京都の町屋をリノベーションした(とはいえ今となってはもう驚くことも少なくなった)和モダンなインテリアを見た外国人観光客が高揚する気持ち、ちょっとわかる。

和モダンな京都のブルワリ。@SVB KYOTO

フィックスに来店したのは、12月(2019年)だった。

当時はクリスマスシーズンだったので、これ見よがしなつもりなんて一切あるはずもないクリスマスツリーに、浮かれた日本人観光客の私は感動した。

フィックスのメニュー

ハンバーガーのメニュー。

その他もろもろ。

選択の幅がひろい。トッピングが40種類以上、ハンバーガーの肉の種類が12種類あった。じぶんで決められる。ゆえに「フィックス/Fix(=v. 決める)」。アメリカの定番料理も一式そろってる。「ありきたりなスタイルからは脱却してます」みたいな内容で、現代アメリカ料理とよべそう。現地のおじいちゃんやおばあちゃんの中には、しかめっ面しちゃう人もいるかもしれない。

マカロニ&チーズ

990円(9ドル)。

「マカロニ&チーズ/MAC&CHEESE」は、ちょっと笑ってしまうくらい、アメリカの定番料理。チーズとマカロニを混ぜたコンフォートフード。日本のカルボナーラに似てる。チーズの組み合わせが無限なので、無限のバリエーションが存在する。フィックスのものは、パルメザンチーズとチェダーチーズとトリュフオイル入り。トリュフオイルで香りをバルクアップさすというやり口、アメリカの都会っぽさも匂う。

日本のモスバーガーの期間限定商品「マッケンチーズ&コロッケ」を思い出す。

「マッケンチーズ」は「マカロニ&チーズ」のことらしい。

フムス

あったかいピタパンつき。770円(7ドル)。

フムスは中東で広く食される、ひよこ豆のペースト。むかし住んでたイスラエルでは最強クラスのソウルフードで、イケアにも売ってた。で、アメリカでは、スナック用のディップとして超定番だと思う(セブンイレブンのおやつ売り場にも積まれてたりするし)。ディップとして、「サルサ」や「ワカモレ」と同列(と視た)。

アメリカのセブンイレブンで売られるフムス。

「グルテンフリー」「ビーガン」と主張している。

フィックスのフムスの本名は「ローストガーリック・フムス/ROASTED GARLIC HUMMUS」。アメリカンイタリアンぽかった。風味としてニンニクを忍ばせてくるフムスはイスラエルにもあるけど、具としてニンニクをぶつけてくる感じ、イスラエルっぽくない◎ テクスチャも違う◎ アメリカ料理(フュージョン料理)という感じで◎

どろっ。茶色いチリソース(calabrian chili pesto)がおいしい。

はぼホイップクリームな、イスラエルのフムス。@アブハッサン/テルアビブ(詳細記事)

ニンニクの風味が強い、日本のイスラエルのフムス。@ファラフェル・タイム/大阪(詳細記事)

バイソンのハンバーガー

1430円(13ドル)。ナイフが刺さってるのは悪ふざけではなく、文化。

「家の近くにバイソンがおる」と、ウースターで暮らす友達がよく言っていた。近くにバイソンを飼ってる牧場があるらしい。その話になるたび、「バイソン食べれんの? 味は牛なん?」という展開になるが、会話の参加者のなかに誰もバイソンを味わった者がいないので、「バイソン食べたいなァ」とか私がヌルヌル言って話がおわる。あきらめかけてたバイソンの物語、ついにこの日、フィックスされた!

メリー・クリスマス!(牛味だった。)

ブルワリ

ビールのメニュー。

フィックスは、トッピングとハンバーガー(の肉)の種類もすごいが、ビールの品揃えもイカしてる。アメリカ各地の地ビールが楽しめる。アメリカ人の心をよく理解してると思う(誰目線w)。この地域では(少なくとも私のお友達は)、休日のちょっとしたお出かけの際に、近所のブルワリに車で行ったりする。とりたてて食に関心があるわけじゃない人も、地ビールの知識がやたら豊富だったりしておもしろい。

バッファローには会えなかったけど、ラクダならいた。

ちょっとイスラエルを思い出す。

イスラエルのラクダ。

の後ろで仕事してた、マライアキャリー。

フィックス・ウースター店の住所:108 Grove St, Worcester, MA 01605, United States

出演-おしながき-

フィックス/The Fix Burger Bar
マカロニ&チーズ/Mac&Cheese/9 USD(990円)
フムス/Roasted Garlic Hummus/7 USD(770円)
バイソンのハンバーガー/Bison/13 USD(1430円)

お店のHP

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