世界ごはんたべ記#19 京都の納豆料理屋「納豆創作料理・夏豆」

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「世界ごはんたべ記」のせつめい

「世界ごはんたべ記」は、ライターのがぅちゃんによる外食の記録です。どんなお店で何を食べたか、どんなことを感じたか……などなど、じゆうに書いています。

海外ぐらしが長いので、異国のお店はひんぱんに登場します。とはいえ「世界」と名乗っている手前、母国のお店も発表していかねばなぁと思っています(……か?)。



前回の記事「#18 京都の朝食専門店/ロリマー京都」はこちら。「世界ごはんたべ記」の記事一覧はこちら

納豆創作料理・夏豆とは

お店の提灯。

「納豆創作料理・夏豆/なつまめ」は、祇園にある納豆料理の専門店だ。「納豆がおなぜ美味いか」を伝道している(という気概が伝わってくる)。うまい納豆が食えるだけでなく、日本人が好む定番料理を、納豆の特性を生かしてアップデートしているような感じ。たとえば納豆のカルボナーラ「ねばボナーラ」がそう(後述)。

ねばボナーラ。(後述)

どうすれば納豆の解像度があがるのか、どうすればそれが伝わるか。そのあたりをすんなり届けてくれるところに、相当なクリエイティビティとインテリジェンスを感じた。「納豆専門店でぇーす」ではなく、「納豆って、知ってはります?」と真顔でささやきかける気迫がある。

お店の外観。

納豆創作料理・夏豆の雰囲気

「KEEP CALM AND TRY NATTO/おちついて納豆をためしてみ」の看板。

入店というより入信。こっちの勝手な気分はそんな感じだった(いいぞわくわくする)。とはいえ入りにくいお店ではない。むしろ真逆。コンテンポラリーで和モダンな外観、「KEEP CALM AND TRY NATTO」の看板、でーんとつられた提灯には「納豆と酒」。美しい。

世界共通のミーム(大喜利)と、純日本酒場のサイン。フェロモンが巧みだ。祇園で散歩中の若者や外国人観光客、美味い酒をしっぽり飲みたいビジネスパーソン、どんな大人も拒絶しそうにない雰囲気。こんなことしてるお店がセンスないわけねぇ! という安心感。はいよろこんで、入信だ。

お外の看板にはキラーメニュー一覧。おひとりさまも大歓迎。

入信

カウンター席の様子。

酒のボトルがパーテーションのように機能していて、いい具合。

あきらかにやり手なオーラがびんびんな外観だったから怯んだけれど、店内はほっこりウェルカムな雰囲気。「これぞ日本の小料理屋」という印象をうけた。マスターの精神的なソーシャルディスタンスの距離感が絶妙で、また行って仲良くなりたい。夏豆はおひとりさま大歓迎な雰囲気なので、ひとりでも行きやすい。通える場所(=居場所)がふえる。そんな期待感もあるお店だと思う。

納豆の箸置き。

トイレにいた「ねば〜る君」。

インテリアの随所に納豆ネタが散りばめられてて、「ふだんから納豆について考えてはるんやろな」という、引き出しの豊かさを感じる。ふつう、トイレにゆるキャラの「ねば〜る君」がいたら「キミだれやねん」となるが、「あ、ねば〜るクンや」となった(そうだよね、そこがキミの居場所だよね)。便器に座りながら、健康に関する納豆のポジティブな情報を学べるのも◎ むだがない。

ポスターや新聞の切り抜き。

「日常的な納豆の摂取が循環器疾患による死亡リスクを減らす」とある。

納豆創作料理・夏豆のメニュー

ドリンクメニュー。

フードメニュー1。

フードメニュー2。

メニューはプリント3枚で構成されている。ドリンク1枚、あとは料理2枚。完全に「匠メニュー*」で、読み物としてもおもしろい。納豆の美味しさを倍増しうる料理が選抜、そんなかんじのラインナップだ。もはやこのメニューは「研究報告書」とさえ呼べるのかもしれない。「胃が足りひん」と思った。食前にくやしうれしい、良店のサインだ。

*「匠メニュー」に関する記事:海外キマグレごはん#番外編 美味い店を見抜くための4項目

「米」「麺」「野菜」「卵」「大豆」「肴」etc、それぞれに複数の創作納豆料理が含まれる。おひとりさま限定の「おまかせ盛り合わせ4品」も気になる。ところで「Omakase」は欧米先進国とかならもう通じる概念だから、外国人観光客にも刺さりそうな気がした(ひとりで来る人は稀だろうけど)。アメリカ人の友達とかにも教えたい。

季の美のロック(炭酸が推奨される)。950円。

あとやはり「納豆と酒」がキャッチフレーズなだけあって、ドリンクメニュー(というかお酒)が良い。京都のクラフトジン「季の美」とか、黒豆の焼酎とか、”いけてる酒”が厳選されてる印象をうけた。サワーに「カルダモンソーダ」なんてあって、文面にてTKOされた。あと、納豆=自動的にベジタリアンフレンドリーだし、そのへんもいろいろ都合がいい。

カルダモンソーダ。750円。

つきだし:納豆たべくらべ

皿がきまってる。

2種類の納豆がでてくる。これについてはマスターが説明してくれる。ひとつは市販の安価な納豆(アメリカ産の大豆)、もうひとつはマスターがセレクトした納豆。この日のセレクトは新潟の「白糸納豆」だった。白糸納豆は甘めで旨味が長続きした。おいしい。重要なのは、これを体験したことにより、市販の納豆の一辺倒で単調な苦さに気づけたこと。

おいしいと思っていた、ふつうの納豆。 (けして不味くはないのだけれど)

「ボーズの1万円くらいのスピーカー」と「百均とかのイヤホン」で同じ曲を聞き比べたくらいには、差を感じた。「クオリティの差がわかるような食べ方」というのは中々できることではないので、それを僭越じゃない形式で導入されたことに、感動した。差(=なぜよ良いか)を味わうというのは、本当にいいお店でしかできないと思う。夏豆は、ただの美味い店ではなさそうだ。

白糸納豆。

納豆ポテサラ

750円。

納豆を絡めたポテサラに「納豆のタレ」のようなものがかかっていて、その上に京都産の赤い卵「濃紅/のうこう」の味玉がのってる。赤胡椒の粒からもセンスがほとばしる。ポテサラに粘りが加わって、アメリカのマッシュポテトの最上級のやつみたいになっていた。豆のウマミを纏ったポテト。そりゃ美味しいぜ。

赤胡椒により、赤(の美しさ)が共鳴してる。

3年にわたるイスラエルでの生活で、なんでもかんでもフムス(=ひよこ豆のペースト)やタヒーニ(ねりごまのソース)と混ぜるという癖がついたので、豆や胡麻のうまみへの感度は弱点-へき-となって、納豆を受け止めた。あとこれはいつも密かに感じてることだけど、納豆は工夫次第でイスラエル人に推せる。

イスラエルのタヒーニ。

納豆飯

1200円。

このようなテクスチャ。

メニューには「五味薬味でたべる納豆飯(なっとうはん)」と書いてある。納豆飯は、夏豆をレペゼンする名物料理として君臨している。粗挽きポークと二種類の納豆で調理された具が、米の上にのっている。五味薬味は「九条ネギ」「ミョウガ」「大葉」「柴漬」「かいわれ大根」。

納豆飯の食べ方指南書。3ステップ。

納豆飯にはおいしく食べるティップスがあり、3つのステップで優勝に導かれる。1、納豆と肉をそのまま食べる。2、京都の赤い卵「濃紅」と絡めて食べる、3、あとは五味薬味と組み合わせながら食べる。3つの料理(考え方によっちゃ7つ)が一皿で楽しめて、満足度が高い。

プロセスその2を実行中。

納豆と肉、トルティーヤチップスやクラッカーにも、モリモリつけて食べたい。フムスやチリコンカンをそうやってモリモリ食べるアメリカ人の友達にも教えたい。納豆飯、イスラエルのエルサレムで食べた、ゴマソースのタヒーニがぶっかけられた創作ケバブを思い出した。納豆も確実に肉とあうの、納得。

創作ケバブ。エルサレムの名店「マハネユダ」にて。(詳細記事

濃厚和風ねばボナーラ

1200円。

夏豆における「納豆飯」と「ねばボナーラ」は、イスラエルの定番料理における「フムス」と「ファラフェル」と視た。アメリカ料理なら「ピザ」と「ハンバーガー」だろう。ようするに、めちゃ重要ということだ。風味については「すき焼き!」と友達が興奮して語っていた。的を外してはいない意見だと思う。

納豆じゃなきゃいけない。それくらいのシナジーを感じた。

チファジャ至上主義の友人が興奮するということは、つまり外国人観光客も楽しめるということ。納豆のとろみうまみはチーズに匹敵する。どちらも発酵食品でウマミの塊だからコンパティブル、そんな式を教わった気がした。TV番組でチーズをかじって半泣きになっていた米国人シェフ「サミン・ノスラト」に食レポしてほしい。

納豆アイス最中

500円。withトリュフ塩。

納豆ではじまり、納豆でおわる。トルコアイスのような食感だった。つまりトルコ人も食べられるということか。お酒がうますぎてトぶ(味の解釈が雑になる)5分前だったが、納豆パウダーがいかしてたことは覚えてる。テーブルに置いてあるので、追い納豆パウダーも可能だ。最中(もなか)で食感をたのしめたのも◎

納豆創作料理・夏豆の住所:京都市東山区小松町561-17

出演-おしながき-

納豆創作料理・夏豆/なっとうそうさくりょうり・なつまめ
カルダモンソーダ/750円
季の美/950円
納豆ポテサラ/750円
納豆飯/1200円
濃厚和風ねばボナーラ/1200円
納豆アイス最中/500円

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がぅちゃん
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