「世界ごはんたべ記」の説明
「世界ごはんたべ記」は食レポです、と言ってよいのかもしれませんが、違う気もします。1エピソードにつき、1軒のお店を紹介します。「世界」と名乗っている手前、異国のお店も母国のお店も登場します。
*
前回のエピソード「#91 東京の中近東カフェレストラン/江戸博砂漠」はこちら。「世界ごはんたべ記」の記事一覧はこちら。
ナスコフードコートとは
ナスコフードコートの外観。
「ナスコフードコート」じゃないかもしれない。看板に「Nasco Food Court」と書いてあったので、ナスコフードコートと呼ぶまでだ。新大久保のイスラム横丁とよばれるエリアにある「ナスコハラルフード」というスーパーがやってる? フードコート? と解釈している。緑と白の看板が目立っている。
ナスコフードコートの雰囲気
2Fには韓国語の看板がある。
ぱっと見は屋台という感じだ。エントランスの左右に屋台があり、それぞれ、取り扱っている食べ物が違う。私は右のケバブ屋に行った。「ナスコケバブ」とも呼ばれているお店だ。左も同じお店なのかは不明だが、共通の看板には「インディアン」とか「トルコ」とか書いてあったので、同じと視ている。
右のケバブ屋の雰囲気。
ガスコンロで炙られるピタパン。
ナスコフードコートのメニュー
ケバブのメニュー。(右のお店)
ビリヤニのメニュー。(左のお店)
ケバブは「日本のトルコケバブ」という感じで、これはトルコでもイスラエルでもありつけない料理だと確信する。嬉しさがこみ上げる。ドネルケバブが回ってる厨房で忙しくしてる店員さんに「ケバブ下さい」と言った。オプションが色々あるようだが、そんなもの無い感じで作業を進めてくれているようだった。
肉は、チキン、ビーフ、MIXが選べたので、「ビーフ下さい!」と言った。念のため英語でも言った。ビーフという言葉を何回か言った。何語で言っても結果は変わらなさそうだったが、対応は微妙に変わった気はした。でも店員さんの心にはたぶん効いてなくて、チキンを盛り盛りしていた。
そうだろうとは思ってたので(というかそれくらいの態度で作ってくれるほうが逆に安心する)、むかし住んでいたイスラエルで手に入れた闇の力を使い、必死でビーフを主張した。ラッパー同士の喧嘩について収録したドキュメンタリー「Beef」を思い出してちょっと笑う。
ビーフには発展せず、結果として山盛りのMIXになった。450円。
ケバブ一丁まいどありィ! とは言ってないが、そんな感じでケバブができた。お持ち帰りかどうか聞かれて、このとき初めてイートイン可能なのを知る。店員さんの指示通り奥に行き、座れるところで食事を始めた。ドイツのベルリンに住んでたときに通った床屋の裏に展開していた生活空間を思い出す。
テーブル。
スマホやラップトップ、日本語のテキストなどが放置されていた。
これぞ日本のケバブ。
この味。日本でしか食べられないケバブの味。肉、キャベツの千切り、トマトのスライス、カレー粉、ケチャップ、マヨネーズ?、なんかしらのアーシーなスパイス。大学生のときに東京旅行した際は、必ずどこかで、こういうケバブを食べていた。夜行バスをついでに思い出す、懐かしい味。
異国情緒
「新宿八百屋」。
ナスコフードコートがあるエリアは「イスラム横丁」と呼ばれていて、よく「異国情緒が」など言われている。半分反対で半分賛成だ。私にとっては、イスラム横丁はまぎれもなく日本に見えた。だって横丁だし。まぎれもなく日本に見えたので、「やっぱり日本だ」という意味で、異国情緒は感じた。
今回のおしながき
ナスコフードコート/Nasco Food Court
ケバブサンド/450円
ナスコフードコートのHP
ナスコフードコートの住所:東京都新宿区百人町2丁目10−8 新大久保イニシャルハウス ビルANNEX1F