アメリカにある中東料理のファストフードチェーン「ファラフェル・キング/Falafel King」を紹介する(マサチューセッツ州のボストン店@Washington Streetより)。ファラフェルやフムスやケバブを説明しながら食べる。
ファラフェルとは
ファラフェル。@アブゴッシュ/イスラエル
「ファラフェル/falafel」を一言で説明すると「豆のコロッケ」となる。ひよこ豆が使われるのが一般的だけど、そら豆を使ったりもされ、何の豆を使うかにはバリエーションがある。作り方は至ってシンプルで、豆と他の材料を混ぜて揚げるだけ。
アメリカのスーパーに売ってるファラフェル・ミックス(粉)。
粉を水と混ぜて揚げるだけ。
ファラフェルのひよこ豆材以外の材料は、ニンニクやクミンやコリアンダーなど。風味を日本料理で例えるとカレーに近いが、ファラフェルはカレーではない。日本のカレーにもバリエーションがあるように、ファラフェルにもバリエーションがある。
「など」とか「バリエーション」という言葉を多用していることを許してほしい。なぜならファラフェルは広く食されているから。ファラフェルは中東料理や地中海料理として認識されている。でもそれってどれだけ範囲が広いんだよという話だ。
例えば「アジア料理」とカテゴライズされる料理は、それはアジアのどこの国の料理なのか?となるのと同じ状況だ。大陸をカウントするならイスラエルさえアジアになる。そうなってくるとファラフェルやおにぎりが同列になる(ならない)。
ようするに(そして例えば)、日本人にとってのおにぎりの感覚でファラフェルを食べる人はこの世界に大勢いるという話だ。私が昔暮らしていたイスラエルでもファラフェルは国民食扱いだった。
イスラエルのイケアに売っていたファラフェル(サンド)。150円。
ファラフェル・キング/Falafel Kingとは
ファラフェル・キングの外観。ボストン・ワシントン通り店。
中東料理のキングともいえるファラフェルを取り扱うチェーン店が「ファラフェル・キング/Falafel King」。アメリカ・マサチューセッツ州の州都「ボストン」を中心に店舗が複数存在する。ボストンでは有名なお店だと思う。
ファラフェル・キングは名前が名前なのでファラフェル専門店な気配を放っているが、実際は中東料理店といった様子。中東料理のファストフード店。アメリカではファラフェルやケバブはファストフードというイメージがある。
ファラフェル・キング/Falafel Kingの雰囲気
ファラフェル・キングのあるワシントン通りの様子。
ファラフェル・キングはボストンのダウンタウンで目立っていた。目立ち方を京都で例えるなら、京阪の祇園四条駅を出てすぐ松竹の南座がそびえてるあの感じだ(わかりにくい例えで申し訳ない)。とにかく存在感がある。
ファラフェル・キングの店内。壁にはファラフェルとケバブの写真。
店内はファストフード店らしい雰囲気。壁にデカデカと中東料理の写真がプリントされている。ファラフェルとケバブが。写真のファラフェルのサイズが調子良くバグっていて、ここではファラフェルがキングだということがモリモリ伝わってくる。
壁紙の写真を日本料理で例えたい。カレーライス(=ケバブ)とおにぎり(=ファラフェル)の写真だと想像してほしい。おにぎり2個とカレーライスのサイズが同じ、という状態だ。さらにカレーライスにもおにぎりが乗っていて、脳を沸かす。
…なんかこの記事、例えばかりでくどいが、ファラフェルという食べ物を日本語で説明するときには、これくらい許シテヤッタラドウヤ?と笑い飛ばしたい気持ちがある。
ファラフェル・キング/Falafel Kingのメニュー
1/3。
2/3。
3/3。
サイド(一品)、ロールアップ(ラップサンド)、プレート、サラダという構成。ケバブサンドやファラフェルやフムス※がある。紛うことなき中東料理のファストフード店だし、イスラエルのお店だとか言われても疑わない。
あれもこれも食べたくて迷ったが、ケバブのロールアップ(ラップサンド)、ファラフェル、フムスを注文した。注文はサブウェイ方式で、具を指定できる。
カウンターからの眺め。手前のボウルに大量のファラフェルが待機している。
ファラフェル、ケバブ、フムスをお持ち帰りした。
※「フムス/Hummus」はひよこ豆のディップで、ファラフェルに匹敵する代表的な中東料理。フムス=クイーンとは言わないが、そういう表現をしても怒られないほどには、フムスとファラフェルは圧倒的二者感がある。
ビーフ・ラム・シャワルマ
9.95ドル/1094円。
中身。全体的に酸味があってスパイシー。フェタチーズのような味もした。
シャワルマとは、日本のトルコケバブ屋でくるくる回っているあの肉(を削いだやつ)のことだ。でもファラフェル・キングのものはミートボール状のケバブだった。シャワルマがミートボール状だったのは初めてだ。
一応これが、一般的なシャワルマの肉。@ヤシカ・イスラエル
フムス
4.99ドル/548円。
アメリカのスーパーに売っているヘルマンズ・マヨネーズの味がした気がする。イスラエル人が食べたらフムス認定しなさそうな味だけど(中東料理をイスラエル基準でジャッジするのは適切じゃないとは思う)、めちゃくちゃ美味しい。私は好きだ。
ファラフェル
4.99ドル//548円。
断面。
こうしてやるッ!
そんなフムス・マヨネーズ(言ってしまったw)をべっとり塗って喰らうファラフェルは絶品だった。ファラフェルの風味の概念を端的に再現したような風味(野菜スープの素+ファラフェル・ミックス、のような)で、塩が強めで美味しい。
コロッケという表現
ファラフェルを説明するときに「ひよこ豆のコロッケ」と私も言いがち。日本料理で思いつく最寄りの類似がコロッケだからだ。でもファラフェルは衣をつけない上に小ぶりだし、正直、コロッケという表現には抵抗がある。
でもファラフェル・キングのファラフェルは本当にコロッケだった。大きくてザクザクしていたから(衣は付いてない)。アメリ化じゃないとこうはならなかったと思う。ファラフェルは、アメリカに来てついに日本料理になれた(なってないw)。
ファラフェル・キングのファラフェル。
もしファラフェルを初めて食べる日本人がこれを食べたなら「ファラフェル=コロッケ」としてすんなりインプットできそうだ。そんなこんなで、これからもファラフェルをコロッケと呼んでいこうと私は決心した。
御ま品と書め
ファラフェル・キング/Falafel King
ビーフ・ラム・シャワルマ/Egg Roll/1094円(9.95 USD)
フムス/Lemon Chicken/548円(4.99 USD)
ファラフェル/Rice/548円(4.99 USD)
ファラフェル・キングのHP
ファラフェル・キング/Falafel King@Washington Streetの住所:260 Washington St, Boston, MA 02108, United States