アメリカ★ゲイキャンプ体験記S3#4 それは無理

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アメリカ・ニューヨーク州のゲイキャンプ「イーストンマウンテン」で4泊5日してきました。「アメリカ★ゲイキャンプ体験記S3」では、現地での体験を時系列で発表しています。

前回のエピソード「S3#3 工口ティック・タッチ」はこちら



S1「ジョーズハイダウェイ」編
S2「サコ川ハイダウェイ」編

メンインモーション

メンインモーションの教室。通称「テンプル」。この施設の本堂にあたる場所。

班長の名物ワークショップの後、おかしな量のランチを食べ、午後のワークショップに参加した。ワークショップは2種類あり、「語り合うタイプ」と「ふれあうタイプ」があった。私は、朝のグループミーティングで発表した通り、ふれあうタイプのほうに参加した。

ふれあうタイプのワークショップ「メンインモーション/MIM」は、おさわり先生が担当していた(意訳しすぎ)。先生は大学で​​神経科学を教えているそうで、学術的興味をそそられた。余談だが、このイベントのワークショップの先生たちの中には、本物の先生や大学教授などいる。

テンプル(寺)と言ってるだけあり、中に仏壇がある。

ジーザスやゴータマやファルスが祀られていた。

MIMの内容は、班長のワークショップの縮小版といった感じだった。でも班長のワークショップよりは、身体と意識(or感情と表現)をコネクトするような、知的なアクティビティも多かった。なかでも「ノー大喜利」は、とくに神経を使ったので印象に残っている(先生が意図した神経じゃないかもだけど)。

ノー大喜利

「ノー大喜利(おおぎり)」のルールは簡単だ。2人1組のペアになり、互いに質疑応答する。ターンが決まっており、ターン中は、質問者と回答者は固定される。その間は、質問者は質問しかできないし、回答者は回答しかできない。

制約が一つある。質問者は「〜していい?」という形式でしか質問できない。回答者は、「だめ」から始まる回答しかできず、続けて妥協案を提示しなければならない。「さわっていい?」「だめ。でもゆっくりならいいよ」のように。

つまりこれは、このフォーマットに則ってごりごりにナンパするという、言語のフォープレー。これを数人と繰り返す。でもなかなかケミストリーは発生しない。相思相愛が前提のゲームなので、タイプじゃなきゃ始まんない。設定に問題がある。

ボス

マンマユート団のボス。

でも「ボス」は違った。ボス(仮名)は、ジブリ映画の紅の豚に出てくる、マンマユート団のボスみたいな滑稽さがあった。馬鹿じゃないけどバカやってる。見据えていて、嫌味だけ抜いたおかしみだけ抽出して、純度の高いウィットをぶっ話してくる。笑いのサードウェーブか?

ボスとのノー大喜利は、すこぶる盛り上がった。ぜんぶちゃんとノーと言ってくるが、表現が毎回違う。あしらうようなノー。ためらうようなノー。ざんねんそうなノー。おどろくようなノー。あそびってもんがある。コメディアンの藤本敏史の「顔デカイからや!」を思い出した。

ボスはバーバルコミュニケーションの際、脳内でビジュアルも同時上映してるらしい。画の中でふっかけても、話が展開しつづけた。ジーンときちゃうぜ。

爆発するボス

ボスは、このワークショップが始まった瞬間からおもろかった。このワークショップは、集合がちょっとグダグダな感じがあった。やっとみんなが集合し、へんな緊張が部屋を支配し「え、これ始まってるの?」という空気が充満したあたりで、「はい解散!」とか言う。緩和したWが爆発する。

ボスは動きも良い。ジブリ映画のおやじ達のけんか、みたいなモーションが常だ。「やさしくさわりあう」が目的の「タッチ」というアクティビティで、ペアになった相手に挨拶すべくの出会い頭、フルスイングのビンタをかますジェスチャーを満面の笑みでしてた。ボスは基本、わちゃわちゃしている。

進撃するボス

リーダーの動きを、全員が集団となって真似する、というあそびがあった。リーダーが前進しながら手をあげたら、全員そうする。集団が壁にあたったら、その時点で最後尾の人がリーダーになり、集団を導いていく。これを繰り返す。

そしてついに(と思ってたのは私だけかもしれないが)、ボスがリーダーになった。ボスは出口に向かって行進し、集団は教室を脱出してしまった。おさわり先生は「まてまてまて」となったが、ボスは「よしみんな逃げろ!」と満面の笑みで言った。

無理するボス

ボスはボケのワールドにログインして領域展開したあと、必ずログオフ期間を設ける。そこがいい。ボケをメタ視点でも味わう。おちついていて、毎回のボケにもオチがつく。メリハリがあって、不安を残さない。クールだ。

最後、「ちょ、あれさ、おれ、ノーて言ったやん? もしかしたらさ、ぜんぶイエスかもしれませんねぇ?」とボスが私に言ってきた。「NO, それは無理」と、複雑な真顔で返答した。ノーは拒絶じゃなくて告白、って私の班長も言ってたもん。

寺は備品も充実していた。

次のエピソード「S3#5 夜の音楽会」

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