イスラエルで最も有名なフムス屋!テルアビブの「アブハッサン」

イスラエルのテルアビブに住んでいました、ライターのがぅちゃんです。

テルアビブの街並み。

イスラエルの定番料理の中でもとくに人気の「フムス/Hummus」。イスラエルの東京・テルアビブで最も有名なフムス専門店「アブハッサン/Abu Hassan」でフムスを買い、食べてみました。

イスラエルのテルアビブはこんなところ

イスラエルは中東地域にある地中海沿岸の国です。縦に長い土地の西側が地中海に面しているため、「海の国」といった雰囲気。四国ほどの面積の土地に、約860万人が住んでいます。雰囲気や食べ物はギリシャやトルコに似ています。

テルアビブのヤッファ地区を歩くサーファー。

国内最大の商業都市が「テルアビブ/Tel Aviv」。人口は約45万人と、国内第2位(1位はエルサレム)。各国の大使館が集い、首都のように機能しています。(イスラエルはエルサレムが首都と主張しているが国際的に認められていない)  

国内最大級のイベント「テルアビブゲイプライド」は世界的に有名。

テルアビブの概要はこちら

「フムス」とは

イスラエルの平均的なフムス。@The YMCA Restaurant/エルサレム

「フムス/Hummus」は中東地域でよく食される「ひよこ豆のペースト」。イスラエルでは、現地の定番料理として圧倒的な存在感があります。もはや国民食なので、スーパーにはフムスコーナーがあり、イケアのカフェテリアにも売られています。

スーパーのフムスコーナー。

イケアのフムス。

イケアのフムス売り場の様子。

フムスの作り方はシンプルで、「ひよこ豆」 「ゴマペーストのタヒーニ」「オリーブオイル」「ニンニク」「クミン」「レモン汁」が一般的な材料。調合の具合によって味が変わるので、お店によって「別の料理」くらい味が変わることもあります。 

様々なイスラエルのフムス。

関連記事:まず名前が挙がるイスラエルの定番料理5つ

テルアビブ・ヤッファのフムス屋「アブハッサン」

テルアビブで最も歴史のある地域が「ヤッファ/Jaffa」。テルアビブの定番観光地の一つで、特に「ヤッファ旧市街」が有名です。有名すぎて、イスラエルを観光する人でヤッファ旧市街に行かない人はいないのでは……とも言えるほど。

ヤッファ旧市街。

ヤッファの中でも人通りが少なく、地元感がやや強めな「ドルフィン通り/Ha-Dolfin St 1」に「アブハッサン」はあります。英語では一般的に「Hummus Abu Hassan」と表記されます。観光客にも地元住民にも圧倒的な人気。 

アブハッサンの外観。

アブハッサンは、イスラエル建国後のテルアビブでは最も歴史が古い飲食店の一つであり、国内で最も有名なフムス屋の一つでもあります。「日本で餃子といえば王将」くらい、テルアビブでは明らかな知名度。

アブハッサンの様子。(動画)

アブハッサンの歴史

創業者のAli Karawan氏(通称:アブハッサン氏)が、ヤッファの有名なアラブ人地区「Ajami」でフムスを売り始めたのがきっかけとされています。当時は荷車で売っていたらしく、なんとなく日本の天下一品の創業ストーリーみがあります。

ヤッファ ・ヤファト通りのランドマーク「Turret Building」。

アブハッサンの最初の店舗は1959年にヤッファの「ヤファト通り/Yefet St」で誕生したものの、長くは続かなかったそうです。1970年代に現在の店舗が誕生し、今に至ります。現在は複数の店舗がありますが、今でも本店(1号店)が根強い人気。 

余談:「アブハッサン」という名前について

「アブハッサン/Abu Hassan」という名前はイスラム教の文化圏では有名な名前のようなので、著名な人物を複数ピックアップしてみました。目立ったアブハッサンたちは以下の通り。

インドのアーティスト「アブ・アル・ハサン/Abu’l-Hasan」、バングラデシュのクリケット選手「アブルハサン/Abul Hasan」、昔のイスラム教国の君主「アブー・アルハサン・アリー/Abu al-Hasan Ali ibn Othman」、etc。

インドのアブハッサンの作品「Squirrels in a Plane Tree」。Image:CC0

とくに有名だったのは、ドイツ人の作曲家「カール・マリア・フォン・ウェーバー」によるオペラ作品の「アブハッサン/Abu Hassan」。「アラビアンナイト」としても知られるイスラム世界の説話集「千夜一夜物語」を題材にした作品です。

オペラのアブハッサン。(動画)

フムス屋「アブハッサン」の雰囲気

アブハッサンの前には人が並んでいるので、通ればすぐに分かる状況。「お持ち帰り」と「イートイン」に列(受付)が分かれています。

右(写真手前)がお持ち帰り、奥がイートイン。

お持ち帰りの窓口。厨房が見える。活気がよく、常に誰かが怒鳴っている。

イートインスペース。

アブハッサンのメニュー

(そもそもフムス専門店だから)客は100%フムスを頼むのでメニューを見るまでもないですが、ある程度種類があります。フムスには四つのサイズがあります。

お持ち帰りの窓口の壁に接着されていた、フムスの容器。

メニューはヘブライ語。

アブハッサンののフムスを実食

私が注文したのは最も小さいサイズのフムス。250グラムで20シェケル/600円です。ピタパン2枚とレモン汁が添えられていました。

フムス一式。

フムス。

ピタパン。

レモン汁。(というよりピクルスの汁に近い)

いざフムスを食べてみると舌触りが滑らかで、固めのホイップクリームといった食感。塩味と酸味がかなりはっきり感じられるフムスです。

フムスのツノが立っている。

フタの裏についたフムス。

フムス食べの作法(?)に則って、ピタパンでディップして食べる。

酸味がやたらと美味い

フムスの酸味に関して「酸っぱさがレモン一辺倒」というのは、わりとよくあります。しかしアブハッサンのフムスは「酸っぱいけどウマミも強力」という内容。備え付けのピクルス風味のレモン汁を相当含んでいると推測します。

例のレモン汁だけを飲んでみてもただならぬ美味しさで、絶対にレモンだけでは出せない味わい。これでポン酢でもをこしらえて日本に輸出された日には「ポン酢屋・アブハッサン」が日本で爆誕しかねない予感。やけにおいしかったです。

アブハッサンのあるドルフィン通り。

フムス屋「アブハッサン/Abu Hassan」・本店の概要

・フムス一人前20シェケル/600円
・住所:Ha-Dolfin St 1, Tel Aviv-Yafo
・営業時間:毎日8時〜15時(土曜休み)

アブハッサンの位置。

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