世界ごはんたべ記#36 イスラエルのレストラン「ビシクレッタ」

「世界ごはんたべ記」のせつめい

「世界ごはんたべ記」は、ライターのがぅちゃんによる外食の記録です。どんなお店で何を食べたか、どんなことを感じたか……などなど、じゆうに書いています。

海外ぐらしが長いので、異国のお店はひんぱんに登場します。とはいえ「世界」と名乗っている手前、母国のお店も発表していかねばなぁと思っています(……か?)。



前回の記事「#35 イスラエルのヴィーガンフレンドリーカフェ/アルマ」はこちら。「世界ごはんたべ記」の記事一覧はこちら

ビシクレッタとは

ビシクレッタのエントランス。

「ビシクレッタ/Bicicletta」は、イスラエルの東京「テルアビブ」にあるレストラン。私が勝手に「グルメ通り」と呼ぶ「ナハラベンヤミン通り」にある。「なに料理」とは謳っておらず、地中海系中東料理というか、「現代イスラエル料理」だと思う。アメリカ人が食べたら、「地中海料理」とか「中東料理」とか言いそう。

カリフラワー&タヒーニ。(後述)

「地中海系中東料理/レバント料理(Levantine cuisine)」。イスラエルの定番料理はだいたいこれだ。イスラエルはつい最近(20世紀)に外国人が移民して誕生した国なので、「イスラエル料理」がない。「中東料理」「地中海料理」「ユダヤ教食」「東欧料理」、どれも正解だが、どれでも言い切れない。それが現状。

ビシクレッタの近所にあるレバントビストロ「ブルット」の、地中海・刺身。

そんな状況の中で、間違いなく、現代のイスラエルの定番料理を提供しているのがビシクレッタ。伝統料理ではないが、かといって伝統を無視はせず、定番料理をアップデートして最新の料理を提供している。「現代イスラエル料理」としか言いようがない。京都の「ラクイイッカイ」を「現代日本料理」と呼ぶのと同じことだ。

現代イスラエル料理の例。@マハネユダ/エルサレム(詳細記事)

ビシクレッタの雰囲気

緑にかこまれとる。

テルアビブはよく「ボヘミアン」と形容される。「どちらかといえば小汚いけれど、それが味になっている」という時に使われがちな言葉だ。ビシクレッタは、そういうテルアビブのボヘミアンでアーバンなバイブスを、完璧に代弁している。「イマドキのテルアビブの流行りのレストラン」のお手本みたいなお店だ。

ダイニングエリア。

店員さんは、幸せそうな人が多い。

老若男女LGBT全人類、みんな来てなー! みたいな雰囲気。食べ物はキレッキレの現代料理なのに、サンダルとか短パンでフワ〜っと入店していける。多分、水着でもいけると思う(海に近いので、水着で道を歩いてる人はタマにいる)。でも雰囲気は森の中。ロケット弾が飛んできたら、ちょっと逃げ場に困る。

頭上の風景。

関連記事:イスラエルにロケット弾が飛んできて避難したときの話

ビシクレッタのメニュー

フードメニュー。

ドリンクメニュー。

スペシャル。

「一品」「パン系」「シーフード」「肉」などなど。ドリンクも充実。一人前の量が少ないので、日本の居酒屋みたいにいっぱい頼める。イスラエルの定番料理を、現地のトレンド/需要に特化したスタイルの料理。というかむしろ、「ロンドンの地中海料理カフェ」とか言われたら、しっくりくる(行ったことないけど)。

テーブル。

フライドナス

960円。

「イスラエル料理(と呼ばれてる中東料理)」を食べたい人はガッカリするかもだけど、イスラエルはナス料理が超定番。「フムス」よりも、「ファラフェル」よりも。ビシクレッタのフライドナスは、ナスがパン粉で覆われてる。フライドポテトみたいだ。アメリカのズッキーニフライとかを彷彿とさせる。

中東のゴマペースト「タヒーニ」のソースで食べた。

カリフラワーとタヒーニ

660円。

カリフラワーも、ナスと同じくらい定番料理。ナスorカリフラワーのアイテムが無い飲食店は無い、といってもよさそうなくらい。日本でいう「米と醤油」みたいな感じ。わざわざ言うまでもない。言うまでもなさすぎて(エキゾチックみが無さすぎて)、「イスラエル料理」として紹介してもらえない。かわいそうに。

テルアビブ名物「カリフラワーロースト」。@ミズノン/テルアビブ(詳細記事)

フィッシュ&チップス

1740円。

オリーブオイルのマヨネーズ(自家製)。

「フィッシュ&チップス」はイギリス料理だけども、イスラエルでもかなり定番な料理。というか、「揚げ魚にフライドポテトを添えたもの」はぜんぶフィッシュ&チップスと呼ぶ。イスラエルの料理は、名称への執念が強すぎない。「伝わればOK」という感じ。「刺身/Sashimi」もイスラエルの定番料理だったりするし。

これもフィッシュ&チップス。

これもフィッシュ&チップス

これもフィッシュ&チップス。(ノリが「からあげ弁当」)

詳細:海外キマグレごはん#9 イスラエルのフィッシュアンドチップス

ハンガーステーキ串

960円。ソースは、アルゼンチン発祥の「チミチュリ」。

イスラエルでは「ケバブ」が定番料理なのだが、ケバブの見た目がこんな感じ。日本人がこれを見て「焼き鳥じゃん? あっ牛串か」となる感じで、イスラエル人も「ケバブじゃん? あ、ステーキ串か」となる(かも)。焼き鳥とケバブは似てる。というか、「肉の串焼き」をどう呼ぶか? という話。

イスラエルのケバブ。

イスラエルの牛串(のステーキ)。

イスラエルの日本料理屋のヤキトリ。

イスラエルの寿司屋の「ヤキトリ」。

関連記事:イスラエルの定番ケバブ3種類と12品の解説

パン類

サンドイッチ。1680円。ブリーチーズ、トリュフ、スモークターキ入り。

ポテトチップスつき。

イスラエルはパンが美味しい。中東、東欧、アメリカのパン、ぜんぶ駆使。ビシクレッタでは「フォッカッチャ」「サンドイッチ」「ラフマジュン」を食べた。イタリアのフォッカッチャと、中東のラフマジュンが、同列に扱われているのがイスラエルらしくて楽しい。ラフマジュンは、トルコでは「トルコピザ」とか呼ばれてた。

フォッカッチャ。アーティチョーク、アルグラ、ハメイリチーズ入り。

アーティチョークはイスラエルの定番食材。ハメイリチーズはイスラエル産。

「ラフマジュン/Lahmajun」。1680円。

トルコのラフマジュン。(関連記事)

店員こわすぎ

ビシクレッタの看板。

そのお店が何料理かを判断する時に、店名は参考になる。「ビシクレッタ/Bicicletta」は、イタリア語で「自転車」を意味する(店頭でディスプレイされてた自転車の謎はこれで解けた)。でもイタリア料理は関係なさそう。

ビシクレッタの外観。

あと、店員さんがめっちゃ怖かった。がいじん丸出しの私に、不安を解消するような説明を(料理から会計まで)逐一スマイルで実施してくれた。マジでなんで? イスラエルの飲食店の店員に期待できるふつうの水準を、はるか通り越してた。

通り過ぎる店員さん。

ビシクレッタの住所:Nahalat Binyamin St 29, Tel Aviv-Yafo, Israel

出演-おしながき-

ビシクレッタ/Bicicletta
フライドナス/Eggplant Fries /32 ILS(960円)
カリフラワーとタヒーニ/Cauliflower & Tahini/22 ILS(660円)
フィッシュ&チップス/Fish & Chips /58 ILS(1740円)
ハンガーステーキ串/Hanger Skewer/32 ILS(960円)
サンドイッチ/Smoked Turkey Sandwich /56 ILS(1680円)
フォッカッチャ/Focaccia/44 ILS(1320円)
ラフマジュン/Lahmajun/56 ILS(1680円)

お店のHP

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