世界ごはんたべ記#プライド1号 イスラエルの音楽バー「デザイア」

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「世界ごはんたべ記」は、ライターのがぅちゃんによる、へんな食レポです。ふだんはセクシュアリティを無視して雑食しております。

「#プライド号」の企画がスタートした6月は、「プライド月間」とよばれています。せっかくなので、屋号をいじくりました。

6月スタートの「世界ごはんたべ記 #プライド号」では、世界の流れにのっかり、LGBTにかんするお店について書いてゆきます。



「世界ごはんたべ記 #プライド号」の記事いちらん。ふだんの「世界ごはんたべ記」の記事いちらん

デザイアとは

デザイアの外観。

「デザイア/Desire」は、イスラエルの東京「テルアビブ」にある音楽バーだ。本名は「Desire Bar/デザイア・バー」 となっているが、「Desire Club/デザイア・クラブ」と呼ばれてる時もある。そのへんは適当でとくに問題ないのがテルアビブだ。バーだろうが定食屋だろうが、音楽にのって踊ればクラブになるので、べつに誰もまちがってない。

デザイアのカウンターバー。

デザイアは、テルアビブのダウンタウンにある。週に一回、ドラァグクイーンショーが開催されることで有名だ。開催日は火曜だったり水曜だったりする。「イスラエルでドラァグクイーンショーといえばデザイア」となっているので、地元の(というかイスラエルの)ゲイで、知らない人はいないと思う。ゲイじゃなくても、有名なので、行ったことある人はまあまあいると思う。

毎週開催のドラァグクイーンショー「WERK」の様子。

「おもしろいドラァグクイーンショーってどこでやってんの?」と軽々しくイスラエルの友達に投げてみたら、みんなデザイアデザイア言ってきた。うってかわって遠回しにネチネチたずねてみても、答えの内容は変わらなかった。私はもうそろそろ、デザイアを認めてあげてもいいと思う。もうこれ以上、な! に! に! こだわれば! い! い! の!? というかんじだ。

デザイアの雰囲気

奥がステージ。

お店はそんなに広くない。バーというか、バーカウンター付きカフェという感じで、奥に小さめのステージがある。歌手のクリスティーナ・アギレラが出てる映画「バーレスク」のキャバレーみたいなバイブスだ。でもあんなにゴージャスでデカくない。客はゲイは多いが老若男女おり、この雰囲気を愛する地元の人が集っている様子。

ハヌカを祝う蝋燭に火を灯すドラァグクイーンら。

自分がデザイアを訪れたのは、「ハヌカ」のシーズンだった。ハヌカはユダヤ教の祭りで、アメリカのクリスマスに似たものがある(12月だしという意味で)。ユダヤ暦で行事が進行するイスラエルでは、かなり重要なシーズンだ。「エルサレム神殿*を奪回を記念して、8日間、祝い続ける」ということをやる。

*余談:エルサレム神殿

エルサレム神殿(の模型)。Photo by Ariely

「エルサレム神殿」はユダヤ教徒にとって最も重要な場所。今でこそ観光名所の「嘆きの壁」は、西暦70に破壊された神殿の残骸。現場で嘆く(ように見える)ユダヤ教徒が名前の由来とされる。イスラエルは「ユダヤ人はエルサレム(=シオン/Zion)に”帰還”すべき」という思想/信仰に基づいて作られた国で、その信仰の中枢でもある。

嘆きの壁で祈るユダヤ教徒。

「嘆きの壁」=「エルサレム神殿の西壁の一部」。「西の壁」とも呼ばれる。

嘆きの壁があるのは「東エルサレム」で、ここは国際的にはイスラエルの領土ではないとされる(イスラエル観光として行けるけど)。「2000年ぶりに帰ってきた場所=もともと自分の土地だし、いろいろ奪われて迫害され続けてきた自分たちは被害を受けている側」というスタンス、と言われたり言われなかったり。

イスラエル・エルサレムの「嘆きの壁」について解説

デザイアのメニュー

英語メニューもあるのが一般的。1シェケル30円。

酒を飲みながらドラァグクイーンショーを鑑賞するのが一般的な楽しみ方、といった感じではある。イスラエルの地ビール「ネゲブビール」を飲んだ。「マカビ」「ゴールドスター」とあわせてイスラエルの三大地ビールなので、3軒くらい飲み歩くとイヤでも記憶してしまうと思う。ちなみにこれらは日本のイスラエル料理屋でも飲める。

「ネゲブビール/Negev Beer」。330ml/780円(26シェケル)。

ネゲブ砂漠(の道路)。

マクドナルド・ネゲブ砂漠店(と私が勝手に呼んでいる店舗)。

トラ・コック

パフォーマンスするトラ・コック。

「Tola Kock/トラ・コック」という名前のご当地ドラァグクイーンがいる。ユダヤ教の聖書の重要な段落「トーラー」と「おちんちん」を掛けた名前だと推測する。まったくもって不謹慎でけしからんけど、芸名としてかなりまともだと思う。仏教の「経本」と掛けて「狂本おちんちん」みたいな。。

ゲイバーへと道案内してくれたトラ・コック(とその仲間)。

狂本さんは地元で俳優活動もしており、全国テレビにも出演したことがあるらしい。地元の有名人とはこのことか、ということになってた。えらいもんで、ハッテン場を除くすべてのゲイスポットで遭遇した。ハッピーでチャーミングな態度だったので、壁はあまり作れなかった。要するにいい人だった。

デザイアにはエダマメもあった。(エダマメはおつまみとして珍しくない)

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デザイアの住所:Carlebach St 25, Tel Aviv-Yafo, Israel

出演-おしながき-

Desire Bar/デザイア・バー
ネゲブビール/Negev Beer/26 ILS(780円)

デザイア・バーのHP
ドラァグクイーンショー「WERK」のページ

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