世界ごはんたべ記#27 京都のさば煮専門店「今井食堂」

「世界ごはんたべ記」のせつめい

「世界ごはんたべ記」は、ライターのがぅちゃんによる外食の記録です。どんなお店で何を食べたか、どんなことを感じたか……などなど、じゆうに書いています。

海外ぐらしが長いので、異国のお店はひんぱんに登場します。とはいえ「世界」と名乗っている手前、母国のお店も発表していかねばなぁと思っています(……か?)。



前回の記事「#26 イスラエルの海鮮料理屋/ウリブリ 」はこちら。「世界ごはんたべ記」の記事一覧はこちら

Imai Shokudo, Kyoto: Legendary simmered fish shop – Sushi Sandwich

Simmered fish (煮魚/nizakana or 魚の煮付け/sakana no nitsuke) is a quintessential seafood dish in Japan. Especially with mackerel (鯖の煮付け/saba no nitsuke). Imai Shokudo (今井食堂 / Imai Dining room) bets 100% on simmered mackerel. Served since the 1970s, their homespun simmered mackerel ‘Sabani (さば煮)’ is the staple of its kind in Kyoto.

今井食堂とは

お店の外観。

「今井食堂」は、京都ではかなり有名な食堂だ。「さば煮」がメインのお店で、メニューは「さば煮定食」しかない(後述)。京都のナイル川「鴨川/かもがわ」のすぐ近くにある世界遺産の「上賀茂神社/かみがもじんじゃ」のすぐ近くにある…。京都のナイル川はさすがに言い過ぎだと思う(このテの例えは調節が狂うとくどい)。「イスラエルのびわ湖! ガリラヤ湖!」くらいが丁度よい。

鴨川。

上賀茂神社。

イスラエルのガリラヤ湖。(関連記事)

今井食堂の雰囲気

開店前の今井食堂。

今井食堂は、11時から14時までしかやってない(水曜休み)。「人気店なので混む」と聞く。私は、すぐ食べてすぐ帰りたいので、10時45分くらいに行った。2〜3人は待っていた。まだのれんがかかっておらず、皆、どこを基準に列を形成していいか迷ってる。「列」という概念を、誰がやりはじめるか? みたいな感じだった。みんな、好きなところで立っていた。

のれんがかかった直後の様子。

のれんがかかれば、入りゃいい(〽︎お酒はぬるめの、燗がいい〜みたいにゆうな)。のれんのない飲食店の前では、みんな誰もが一番。いま立ってる、その場でナンバーワン。2021年、コロナのおかげで(?)、「ソーシャルディスタンス」という概念とセットで「順番(a.k.a.マナー)」という概念が導入されたイスラエルを思い出した(言いすぎ)。

2020年4月のイスラエル(のスーパー)。

当時はタマゴが売り切れて、液卵が棚に並んだ。(詳細記事)

そしてこちらが、本題の今井食堂(の店内)。

今井食堂の店内は、「食堂」だった。嘘みたいに。映画か何かのセットのようで、ちょっとアトラクションみがあった。

今井食堂のメニュー

手書き。

メニューのアイテムはたった2種類。「さば煮定食」と「おすすめ定食」。「さば煮定食」は、「さば煮」「ライス」「おつゆ」を含む。味噌汁のことを「おつゆ」って呼んでるのがいい。「ライスとおつゆ」。そういう漫才コンビがいたら、見てしまうかもしれない。「おすすめ定食」には、さば煮定食に加え、「チキンカツ」「コロッケ」「卵やき」が付く。

サービスの、あたたかいお茶。

さば煮定食

720円。

銀のサバが銀のプレートに乗ってる!! ネオンとかに反応するタイプなので、まずそこが気になった。円形の赤いトゥルトゥルお盆もかわいい。銀のプレートに関しては、イスタンブールでたべたイスケンデルケバブを思い出した。「さば煮」「ライス」「おつゆ」、あとはお漬物もついてる。

イスタンブールでたべたイスケンデルケバブ。

さば煮。

おつゆ。

お漬物。

まずはお漬物、おいしい。ダイコン、ショウガ、キャベツの浅漬けというかんじ。ショウガのおかげで、日本の漬物を食べているという感覚がある。あと、おつゆ。これがかなり美味しい。ダイコン、厚揚げ、豆腐が入ってて、とくにダイコンがうまい。このおつゆ、アメリカとかイスラエルなら、単品で1000円クラスだと思う。

そして、さば煮。「さば煮」といえば味噌のイメージだけど、今井食堂のは醤油らしい。「しょうゆとみりん」という感じだった。甘いけど、みたらしだんごのタレみたいなことになってない。「3日煮込んだァ!今井食堂のォ!」と、ネット記事では必ずと言っていいほど言及されている。「じっくり浸透させた」という感じだった。

煮汁をたっぷり吸いこんだ、さば。

今井食堂を訪れる前は、「醤油味のさばのカス」みたいなことになってるのかなとか思っていた。全くそんなことはない。サバは脂が感じられてジューシー。肉の繊維一本まで、煮汁が染み渡ってる。なのに崩壊してない。こいつら一体どんな3日間を過ごしたんや、という感じだ。

さば煮定食の俯瞰。

この地域のランチどきのQOL、きっと高め

テーブルのデフォルト調味料たち。

20分くらいで、ごちそうさまでした。がぅちゃんは食べるのが早いので、気を抜くと3分で食い終わってまう。場の雰囲気を味わったりもしたいから、いつも食べるスピードを落とす必要があるのだけれど、それが苦痛でしかたない。そんな苦痛を代償に得たもの。それが次の3つだ。「おもちかえりの客は多め」「人気はおすすめ定食」「20分でほぼ満員」。

入り口の扉。開店直後以外は、常に誰かが立ってた。

自分がお店を出るまでに、ほぼ満席になっていた。男性の声で「おすすめ定食」がこだまする。開店するや否や、おもちかえりの客も雪崩れ込んでくる(という体感)。今井食堂のさば煮はローカルの支持を得まくってるな、というのがすごく伝わってきた。上賀茂エリアのランチどきのQOL(クオリティ・オブ・ライフ)は高そう。たった7ドルでこんな旨いシーフードが食えるなら、そら流行るわな。という感じだ。

Imai Shokudo, Kyoto: Legendary simmered fish shop – Sushi Sandwich

Simmered fish (煮魚/nizakana or 魚の煮付け/sakana no nitsuke) is a quintessential seafood dish in Japan. Especially with mackerel (鯖の煮付け/saba no nitsuke). Imai Shokudo (今井食堂 / Imai Dining room) bets 100% on simmered mackerel. Served since the 1970s, their homespun simmered mackerel ‘Sabani (さば煮)’ is the staple of its kind in Kyoto.

今井食堂の住所:京都市北区上賀茂御薗口町2

出演-おしながき-

今井食堂
さば煮定食/720円

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