世界ごはんたべ記#26 イスラエルの海鮮料理屋「ウリブリ」

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「世界ごはんたべ記」のせつめい

「世界ごはんたべ記」は、ライターのがぅちゃんによる外食の記録です。どんなお店で何を食べたか、どんなことを感じたか……などなど、じゆうに書いています。

海外ぐらしが長いので、異国のお店はひんぱんに登場します。とはいえ「世界」と名乗っている手前、母国のお店も発表していかねばなぁと思っています(……か?)。



前回の記事「#25 イスラエルのイタリア料理屋/ラ・レプッブリカ」はこちら。「世界ごはんたべ記」の記事一覧はこちら

ウリブリとは

ウリブリの看板。

「ウリブリ/Uri Buri」はイスラエルの伝説的レストラン。シーフードのみ提供する。国内のはるか北の「アッコ/Akko」という港町にある。アッコは、有名なテルアビブエルサレムと比べて、わかりやすい観光地が無い(とはいえ世界遺産の旧市街があるけど)。だから観光でパスされやすい。日本人にとっては無名に近い場所だ。

アッコの雰囲気。(世界遺産のエリア内)

民家の雰囲気。(世界遺産のエリア内)

なんてことない「近所の市場」も、「世界遺産の市場」として認識されている。

岬のように突きでてるエリア一帯が世界遺産。(ウリブリもエリア内にある)

日本人観光客がウリブリに行くことはあまりない。ウリブリは、「地球の歩き方」にすら載ってない。日本語で視る世界線のイスラエルには、ウリブリは存在しない。しかし欧米圏が視るイスラエルにおいては真逆だ。食の文脈において、ウリブリを無視してないコンテンツが無い(言い過ぎかもだけど)。

ウリブリのインタビュー。(英語)

ウリブリのインタビュー。(ドイツ語)

ウリブリのインタビュー。(フランス語)

ウリブリは、2017年のトリップアドバイザーのランキングでは、ドバイやエジプトを含む中東全域のレストランで1位だった(はず)。また、2020年の世界のベストレストランランキング・ファインダイニングの部では、TOP25にランクインしている。ウリブリは、英語でイスラエルの料理を調べる際、発見が避けられない。

世界的にも知名度が高いウリブリだが、国内の人気もすこぶる高い。大阪にある有名な居酒屋「とよ」に似た存在と視た。ウリブリは、テルアビブの「アブハッサン 」、エルサレムの「マハネユダ」と並んで、「イスラエルの三大名店」といえる。お笑い界で例えるなら「さんま」「たけし」「ひとし」みたいなことだ。

ウリ・エレミアス氏。

ウリブリのオーナーシェフ「ウリ・エレミアス/Uri Jeremias」のひととなりも、(本人が意図しないところで)人気に貢献していると思う。16歳で学校からドロップアウトして、世界を旅して、インドでハッとなって、お店を開いたらしい(すごくざっくりだが)。完全に独学で自由な料理が、ウリブリのうり。

今となっては、イスラエル国内外でのウリブリの人気は確立されたものとなり、「イスラエル料理」を語るうえで外せないキーパーソン/レストランになっている。

イスラエル料理

イスラエル料理についてのオーソドックスな説明。

イスラエル料理」は、まだ無い。確立してない。なぜならイスラエルは、移民が作った若い国だから(1948年建国)。母国料理が外国料理となる状態が、まだある。だからまだ、「イスラエル発祥の料理」が成立してない。あたたかく見ればあるかもしれないが(おやつのバンバやビスリなど)、「日本=寿司」みたいに全世界承認型の「イスラエル料理」がない。

イスラエルの有名おやつ「ビスリ」。@京都のイスラエル料理屋「ファラフェル・ガーデン」

イスラエル料理を確立しようぜ! イスラエルの食文化はまだ、このフェーズ。日本料理でこの状態をむりやり例えるなら、「だれが最初の寿司をにぎるの?」のようなことだ。そんなとき、75歳(イスラエルより3歳年上)のウリさんはもう、握ったシャリの上でネタをペチペチやってる。もうそろそろ、寿司ってもんが生まれそう。だからみんな注目してる。

イスラエル料理に関するドキュメンタリー。ホストはマイケル・ソロモノフ。

「ユダヤ人国家」と言われるイスラエルに匹敵するユダヤ人の人口を有するアメリカには、イスラエル料理のご意見番的(?)アニキが二人いる。ニューオリーンズの「アロン・シャヤ」、フィラデルフィアの「マイケル・ソロモノフ」。この人らが「ウリさんはレジェンド」みたいなことを英語で言ったりするもんだから、世界のウリブリ人気に拍車がかかる。

アロン・シャヤ流、フムスの作り方。

「ウリブリは、フムスとかシャクシュカじゃなくて(近隣諸国でかぶり倒してる中東料理によるアプローチじゃなくて)、新規の路線でイスラエル料理を創ってる。それがインスピレーショナル。」アメリカのマイケル・ソロモノフは、ウリブリに対して、そのようなことを言ってた。

ウリ・エレミアス流、「刺身サーモンwithわさびシャーベット」。(後述)

独学でここまでやってきたと言われるウリブリは、自由。「紙が落ちてたので、折り始めた。鶴もパックンチョも知らずに。」みたいなことだ(なんてことだ)。でも看板メニューが「サーモンサシミwithワサビシャーベット」なのは、最大のオチだと言っておきたい。このあたりがイスラエルらしいというか。

ウリブリの雰囲気

お店の外観。

ガレージ。(いちおうここも世界遺産のエリア内)

駐車場から出発進行中のパーティー。

地中海の美しさを気にも留めないような、無骨なガレージ。だいたいみんな、ここで車をとめる。ウリブリはそこにある。それをウリブリと知らなければ、ちょっと入店を敬遠したかもしれない。外観に、特になにか目立ったものはない。「手入れがそんなに行き届いてない食堂」みたいな印象さえうける。

とはいえ清潔。

店内は活気がある。回転は早くて繁盛している。予約席以外の空席が無い。店員さんは、若くてテキパキしている。明らかに人気店のオーラ。「手入れが行き届いてない」のではなく、「デコレーションに凝ってるヒマはない」という感じ。人が循環している空間なので、生気が充満している。店員さんは英語が話せた。

ランプがかわいい。

ウリブリのメニュー

メニューのカバー。

内容1。

内容2。

内容は、「前菜」「スープ」「メイン」「野菜料理」「デザート」という構成。野菜料理とデザート以外は、魚介類。食材の多くを近所の市場で仕入れているそうだ。海外の食材もある。

近所の市場で撮影された、イスラエルの桑田佳祐「イーヤル・ゴラン」の曲。

料理名は多言語。日本語の「サシミ」、スペイン語の「セビーチェ」、フランス語の「コキーユ・サン・ジャック」。「サシミを作ろうとしてサシミを作った」ではなく、「完成したらサシミっぽかったのでサシミと呼んでる」という感じ。

生牡蠣

1個960円(32シェケル)。

「ジラルド・オイスター/Gillardeau Oysters」というブランドのカキ。フランスにあるカキの名産地「オレロン/Oléron」のもの。欧米ではたいそう人気なカキらしい。ウリさんに鮮やかにカードを切られた気分。こうゆうのもそろってまっせ、と。(ていうか、緑のとろっとしたタバスコ、こういうときに使うんだな。)

イカフライ

ハーフサイズ1620円(54シェケル)。

要するに「カラマリ/Calamari Rings」。欧米先進国のレストランでは定番メニュー。ウリブリのは変わってて、衣がイカを、完全に包み込んでいない。でも崩壊してない。イカ自体もうまい。「カラマリなんてどうせ腹がふくれるだけ」とブスな見方をしてたけど、覆った。どうしよう、どんどんかわいくなってく(自分が)。

バラマンディ

ハーフサイズ2010円(67シェケル)。

「バラマンディ/Barramundi」は、「アカメ」に近い魚。こんな柔らかい身を焼き、よく形がくずれないな…と畏れ多い。ソースは、バター、セージ、レモン。サイドはカリフラワーのピュレ。カリフラワーは、イスラエルで最もよく食される野菜(だと思う)。テルアビブの名物グルメは「カリフラワーロースト」だったりするし。

テルアビブのカリフラワーロースト。@ミズノン/テルアビブ(詳細記事)

ところで私、セージが大好きなんです。せいじ! せいじ! せいじ! もう本当に大好き。せいじを感じるためにマクドのソーセージエッグマフィンのソーセージを、ねぶる。ウリブリのせいじの使い方、おうちパーティでいつか披露してやろうと思っている。テルアビブの名店「ロマノ」の次に、イケてるせいじ料理だった。

せいじ史上いちばん美味しかった、「せいじとカニのパスタ」。@ロマノ/テルアビブ

燃えるせいじもいた。@Burek/テルアビブ

ホタテ

ハーフサイズ2550円(85シェケル)。

メニューにフランス語で「コキーユ・サン・ジャック/Coquille st. Jacques(=ホタテ)」とだけ書かれてた。ホタテの貝柱を、白ワイン、ショウガ、クリーム、海藻(たしか海苔)、で軽く煮た料理。「白ワイン、ショウガ、クリーム」というコンボに感動した。イスラエルで食べた美味しいものランキングTOP10に入っている。

刺身サーモンwithわさびシャーベット

1560円(52シェケル)。

ウリブリの代名詞的メニューがこれ。王将でいう「餃子」。天下一品でいう「こってりラーメン」。もっというなら、宇多田ヒカルのAutomatic、LiSAの紅蓮華、吉幾三の雪国、内藤やす子の〽︎弟よォ〜〜〜みたいなもんだ。イスラエルの最重要グルメを食べてるのに、おさかな経由で日本に上陸するのが興味ぶかい。

わさびシャーベットは、甘辛くてうまい。

イスラエルでは「サシミ」が人気。ウリブリの刺身サーモンは、イスラエルでサシミと名乗ってるアイテム史上、最も「刺身」を表現してると思った。「生魚を醤油とわさびで食べる」を踏襲してた。ぬくい生サーモン、甘い醤油ダレ、いまにも溶け去りそうなわさびシャーベット。なんか、ところてんを食べてる気分だった。

デザートはクリームブリュレでした。

「ウリ」という名前

「ウリ/Uri」。これは超能力者の「ユリゲラー/Uri Geller」と同じ名前だ。ユリゲラーはイスラエルのテルアビブ出身(現在もふるさとで、ゲリラ的に超能力パフォーマンスを行ったりしている)。ユリゲラーは過去に、「ポケモンのユンゲラーと自分が似てる」という旨の裁判をおこしたことがある。

 
 
 
 
 
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テルアビブの人気観光地「ヤッファ」でパフォーマンスするユリゲラー。

世界中で人気のポケモン(のユンゲラー)と自分の関係性を強調する旨の投稿は多い。

 
 
 
 
 
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このての写真で、関係性を主張してくるタイプ。

ユリゲラーは、ブームや権威に全力で絡んでいく。芸風を視るかぎりは文句なしのエスパータイプだと思う。いや、そんなことはどうでもいい。なにが言いたいかというと、「ユリゲラーはウリゲラーなわけで、そうなってくるとポケモンのユンゲラーはウンゲラーだった可能性もある。」ということだ(だからどうした)。

あと、レストランのウリブリについて語るとき、どうしてもユリゲラーにより道してしまうこの癖も、どうにかしたい(走れ、走って逃げろ)。

ウリブリの住所:Ha-Hagana St, Acre, Israel

出演-おしながき-

ウリブリ/Uri Buri
生牡蠣/Oyster/32 ILS(960円)
イカフライ/Calamari rings/54 ILS(1620円)
バラマンディ/Barramundi/67 ILS(2010円)
ホタテ/Coquille st. Jacques/85 ILS(2550円)
刺身サーモン/Sashimi salmon/52 ILS(1560円)
クリームブリュレ/Vanilla Creme Brulee/42 ILS(1260円)

次の記事「#27 京都のさば煮専門店/今井食堂」

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