世界ごはんたべ記#8 大阪のカレー屋「自由軒・難波本店」

「世界ごはんたべ記」のせつめい

「世界ごはんたべ記」は、ライターのがぅちゃんによる外食の記録です。どんなお店で何を食べたか、どんなことを思ったか……などなど、じゆうに書いています。

海外ぐらしが長いので、異国のお店はひんぱんに登場します。とはいえ「世界」と名乗っている手前、母国のお店も発表していかねばなぁと思っています(……か?)。



前回の記事「#7 京都のアメリカ料理屋/ハードロックカフェ」はこちら。「世界ごはんたべ記」の記事一覧はこちら

おれらのマンハッタン

友達のきゃりーと大阪で遊んだ。きゃりーは大阪のおんなであり、大学時代の同級生。口癖は「梅田まじ庭」。「梅田/うめだ」は大阪の中心地で、東京でいう新宿、NYでいうマンハッタン、みたいなとこだ。梅田はおれらのマンハッタン。

梅田、マンハッタン風。

梅田のマンハッタン(ホテル)。

大阪駅も、もう梅田とする。

二刀流の、きゃりー。

当時はクリスマスシーズンだったので、現地でけっこう有名な「ドイツ・クリスマスマーケット」を見にいった。おとことおんなが遊んでいると、世の中はカップルとみなしてくれる。もろもろスムーズで、おもしろおかしい気分。

ドイツ・クリスマスマーケット@梅田スカイビル。

ドイツ・クリスマスマーケット@梅田スカイビル。その2。

本場・ドイツと変わらない「グリューワイン」。

「ブラートヴルスト」に、マンメンの笑みでくらいつきよる。

「ドイツ・クリスマスマーケット」の詳細はこちら

きゃりーにもおいらにも、カレシがいる。なんかへんなかんじ〜。でもいつも、こんなかんじ〜。ドイツグルメに舌鼓をどつきおわり、しばしきゃりーの”庭”でふらふら。異常なしッ。おれらのマンハッタンは、今夜も平和ですッ。

梅田のホテル街(おくにマンハッタンがある)。

北でおちあい、南に堕ちる。なぞにいかがわしい、オーサカ・ミナミへ。そのときのおれらのテンションは、蛾。バタバタはばたき、毳毳しいほうへなだれてゆく。人生か。飛田新地でちょっと街歩きして、あとはミナミでごはんたべの流れとなった。

御堂筋(みどうすじ)St.

わき道の大阪み、つよめ。

みんなまぶしすぎて、虫けらのおれ蛾うしろめたい。

テメー、ちょうちょだったのかよ。

べつにトリキとかギューカクとかでよかったけど、この日はローカルスペシャリティをキメたかった。すでに酒ガンギマリな指でスクロールしながら、このへんで最も観光気分を味わえそうなめし屋を狙った。

自由軒・難波本店

外観。

「自由軒」は、大阪ではけっこう有名なカレー屋さんだ。ここミナミの難波(なんば)にある店舗が、本店。「明治43年に大阪で初めてオープンした西洋料理屋」としても知られている。看板メニューの「名物カレー」が、とくに有名だ。

まじで看板にメニューが書かれてる(これがホントの看板メニュー)。

自由軒は、観光客でごった返す「難波センター街商店街」にあって、めちゃ目立ってる。このとき実際に入店するまでに、過去10回は前を通ってたな、と思った。それくらい、「あ〜ここ!」感がつよい。

自由軒のマダム。

ふぜいのある食品サンプルら。

ようするにこれは、アメリカ・ボストンのダウンタウンにある「サウスストリート・ダイナー/世界ごはんたべ記#5より」と、まったく同じ状態。地元で有名すぎて、知らないのに知ってるかんじになってる。(がちローカル・レジェンダリー)

サウスストリート・ダイナー@ボストン。

ハードロックカフェ京都のご当地メニュー「ローカル・レジェンダリー」。

ごめんやしておくれやして

とは言ってないが、「じゃますんで〜」と言っても「じゃますんにゃったら帰って〜」と返ってきそうな安心感があった。ごっつええ感じの大衆食堂。「こういうことだよね」って、ストンとふに落ちるアトモスフィアで満ちてた。

きくばりの権化のような女性ウェイターらが、客を見守る。

こことかも好き。

カレー屋っぽくて、イイかんじ。

なに飲もっかな。

なに食べよっかな。

まよう…

メニューのアイテム数は厳選されてて、見た目がシンプルで読みやすかった。なんか心地よい。言語表記は4つ:日本語/英語/中国語/韓国語。多言語なかんじは、前すんでたイスラエルを彷彿とさせた。

イスラエルのめし屋のメニュー@ナザレ。(ヘブライ語・アラビア語・英語)

イスラエルの看板@テルアビブ。(ヘブライ語・英語・アラビア語・ロシア語)

イスラエルの日本食屋で食べた、炉端焼きタコカレー(3,540円!)。(詳細記事)

自由軒に話をもどそう……。ここの目玉商品が「名物カレー」なのは前から知ってたけど、「トンカツ定食」「味噌汁」「オムライス」とかもあって、ちょい不意打ちで迷った。さすが西洋料理屋。

迷う…!

迷う…!!

迷う…!!!

名物カレー

迷わず「名物カレー」。

そのルックスが先行して知られている、自由軒の看板商品がこれ。カレールーとライスが混ぜられた状態のものに、生卵がのっかってる。「名物カレー」という名前は正式名称であり、正真正銘、やつの本名だ。

食品サンプルは、たまごの白身がすくなめ。

食べ方の例。

食べ方の例に、「四代目ウスターソースをかける」「卵とカレーライスをまぜて食べる」とある。実践した。うまい。カレーにはクミンがきいてた気がする。家のカレーに、ちょっと高級なガラムマサラとクミンを味がさねしたときの味がした。

四代目ウスターソース。

よいしょッ。

ハイシライス

ハイシライスも卵つき。

名物カレーに匹敵する名物がこれ。ようするに「ハヤシライス」だけど、関西では「ハイシライス」と呼ぶとこがちらほらある。語源は、「丸善の創業者・早矢仕有的(はやしゆうてき)」説と、「ハッシュドビーフ・ライス」説があるらしい。

おおはしゃぎのきゃりー。

コクがあって、どちらかというとさらっとした、トマトスープ。たいそう美味しかった。おおきに!! ぜんぶゴチ!! きゃりーとおいらは、名物カレーよりこっち派だった。(だが名物カレーにチーズが入ってた日には、おれは寝返るかもだ。)

気を遣いながら笑顔でビールを届けてくれたウェイターさんに、チンチン-乾杯-。

おまけ:混ぜないカレー

混ぜないほうも、ありまんねん。

これは食べてないのだけど、字面に心を奪われた。「カレーは混ぜて当然」という世界観ができあがってる自由軒こそだなと。「すげー、混ぜないのもあるんだ!」と、不覚にも思わされた。やるじゃん。

ふつうって何だろうね。

この曲おもいだした。〽︎SIMI LAB – Uncommon

出演-おしながき-

自由軒・難波本店
名物カレー(並)/750円
ハイシライス(並)/700円

スペシャルサンクス:末成映薫/吉本新喜劇/ダウンタウン/天下一品/コタツは〜〜ん!!!

Jiyuken Namba Honten: Osaka’s most famous curry shop – Sushi Sandwich

Founded in 1910 as Osaka’s first yoshoku (西洋料理 / Western food) restaurant, Jiyuken Namba Honten (自由軒・難波本店) is now one of Osaka’s most famous Japanese curry restaurants that serves retro Japanese curry rice. The storefront of Jiyuken Namba Honten. Food models (食品サンプル) at the entrance of Jiyuken Namba Honten.

自由軒・難波本店の位置。

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