アメリカのマサチューセッツ州に住んでいました。ライターのがぅちゃんです。同州の州都・ボストンの観光名所「フリーダムトレイル」を解説しつつ、実際に訪れた全16件を紹介しています。(文末に16件の一覧&地図もあります。)
ボストンの雰囲気。
ボストンのフリーダムトレイルとは一体何なのか
「ザ・フリーダムトレイル・ボストン」と記された地面。
「フリーダムトレイル/Freedom Trail」とは、アメリカ独立革命の舞台となったボストンにある、16件の歴史的重要スポットをつないだ「道」のことです。「フリーダム=独立」をめぐる「トレイル=道」という意味です。「道」は赤いレンガで地面に埋めこまれており、それを辿るのがフリーダムトレイルの楽しみ方です。
赤レンガで示された、フリーダムトレイルのルート。
ボストンの名所はたいていフリーダムトレイルに含まれているため、観光するなら嫌でもフリーダムトレイルを歩くことになります(しかもほとんどダウンタウンにある)。歩くだけなら無料なうえに、ボストンの観光名所を自動的にカバーできるので、単純明快でコスパのよい観光アクティビティです。
フリーダムトレイルに含まれる観光名所「ファニエル・ホール」。
フリーダムトレイルの全長は4kmで、スタートは「ボストンコモン」、ゴールは「バンカーヒル記念塔」です(※後述)。アクティビティとしては、日本の「四国八十八箇所」、スペインの「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」にちかいものがあります。
スタート地点「ボストンコモン」の噴水。
それではさっそく、全長4kmにわたるフリーダムトレイルの16件を紹介していきましょう。
1. ボストンコモン/Boston Common
ボストンコモンの雰囲気。
ボストンコモンはダウンタウンエリアにある都市公園です。その歴史は1634年に遡り、アメリカで最も歴史のある都市公園といわれています。面積は50エーカー/20ヘクタール(東京ドーム4.3個分)と、かなり広いです。
インフォメーションセンターから、赤レンガのフリーダムトレイルが始まる。
これがフリーダムトレイル。
2. マサチューセッツ州会議事堂/Massachusetts State House
ルートに沿ってボストンコモンを出ると、すぐ目の前にある。
マサチューセッツ州の政治の中枢であり、マサチューセッツ州知事のオフィスがある建物です。アメリカを代表する建築家「チャールズ・ブルフィンチ」によって1798年に建築されました。アメリカ合衆国国定歴史建造物に指定されています。
ドーム部分は、1997年に約3100万円かけて23金で塗装された。
振り返ると、このようになっている。(奥の緑のエリアがボストンコモン)
3. パークストリート教会/Park Street Church
背が高い。
パークストリート教会はダウンタウンエリアにある福音派の教会で、1804年に設立されました。1810年から1828年の間はボストンで最も高い建物だったとそうです。現在でも、日曜の礼拝には1日2000人ほどが参加すると言われています。
礼拝の予定が書かれている。
「1. ボストンコモン」から見ると、高さがよくわかる。
4. グラナリー墓地/Granary Burying Ground
無料で入場できる。
グラナリー墓地はボストンで3番目に古い墓地であり、1660年に設立されました。アメリカ独立戦争時代の著名な人物を埋葬していることで知られ、パトリオット(愛国者)として有名なポール・リビアの墓もここにあります。
門は「エジプトの復興建築/Egyptian Revival」という建築スタイル。
ポール・リビアの墓。
5. キングス・チャペルとキングス・チャペル墓地/King’s Chapel & Burying Ground
キングス・チャペル墓地のエントランス。
キングスチャペルはアメリカ合衆国国定歴史建造物に指定されている教会で、その裏にキングス・チャペル墓地があります。ボストン最古の墓地であり、1630年〜1660年の間はここがボストン唯一の墓地だったと言われています。
キングス・チャペル墓地。(入場無料)
キングス・チャペルの外観。
6. ベンジャミン・フランクリンの立像とボストン・ラテン学校跡/Benjamin Franklin Statue & Boston Latin School
ベンジャミン・フランクリンの像。
ボストン・ラテン学校は1635年に設立されたアメリカ初の公立学校であり、同国で現存する最古の公立学校です(校舎は移転)。ベンジャミン・フランクリンはアメリカ合衆国建国の父のひとりで、100ドル紙幣に印刷されている人物です。
ボストン・ラテン学校があったことを示すプラーク。
ベンジャミン・フランクリンが見下ろす場所は、現在はステーキハウスになっいる。
7. オールド・コーナー書店/Old Corner Bookstore
オールド・コーナー書店の外観。
オールド・コーナー書店は1718年に建設された建物で、当初は民家と薬屋があったと言われています。書店になったのは1828年のことであり、1973にアメリカ合衆国国家歴史登録財として登録されました。
現在はアメリカのメキシコ料理チェーン「チポトレ」が入居している。
チポトレの「ブリトー」は、今やアメリカのソウルフード。
8. オールド・サウス集会場/Old South Meeting House
オールド・サウス集会場の外観。
オールド・サウス集会場はキリスト教の会衆派教会であり、1773年12月16日にボストン茶会事件の集会が行われたことで知られています。当時のボストンでは最大の建築物だったそうで、5000人が収容できたと言われています。
横断歩道から見た様子。
内部も見学可能。
9. 旧マサチューセッツ州会議事堂/Old State House
旧マサチューセッツ州会議事堂の外観。
その名の通り、1798年までマサチューセッツ州議会として機能していた建物です。公共の建築物としてはボストンで最古の建築物の一つとされています。現在は、ミュージアムとしても見学することができます。
「営業中」と記された表示。
前の道の様子。(左が旧マサチューセッツ州会議事堂)
10. ボストン虐殺事件跡/Site of the Boston Massacre
石畳の円に「ボストン虐殺事件跡 1770年3月5日」と記されている。
旧マサチューセッツ州会議事堂のほぼ真横にあります。「ボストン虐殺事件」とは、1770年3月5日にイギリス軍が民間人5人を射殺した事件のことです。アメリカ独立戦争を引き起こすきっかけとなった事件の一つと考えられています。
前の大通りに続くフリーダムトレイル。
交通には気を付けたい。
11. ファニエル・ホール/Faneuil Hall
ファニエル・ホールの外観。
ファニエル・ホールは1743年にオープンしたホールです。ボストンの中では群を抜いて有名な観光スポットで、2008年にはアメリカで4番目に観光客が訪れた場所だったそうです。建物の周囲は観光客で常に賑わっており、ユニクロもあります。
「ファニエル・ホール・マーケット」と記されている。
現地料理が味わえるレストラン(詳細)もいくつかあるので、休憩にちょうどよい。
12. ポール・リビアの家/Paul Revere House
手前の黒っぽい三角の家がポール・リビアの家。
パトリオット(愛国者)として有名なポール・リビアが暮らしていた家です。イタリア系アメリカ人が多く暮らす地域「ノースエンド/North End」にあります。現在はミュージアムとして運営されています。
家の外観。黒い。
入場料は大人5ドル(550円)と、安い。
13. オールド・ノース教会/Old North Church
狭い通りに長い建物がそびえたっており、チャレンジングな撮影となる。
オールド・ノース教会は、ノースエンドにある教会です。米国聖公会の教会としては、ボストンで最も歴史があることで知られています。アメリカ合衆国国定歴史建造物に指定されています。
看板。
公園「ポール・リビア・モール」から見やすい。(手前はポール・リビアの像)
14. コップス・ヒル墓地/Copp’s Hill Burying Ground
奥にオールド・ノース教会が見える。
1659年2月20日に設立された、ボストンで2つめの墓地です。キングスチャペル墓地(1つめ)、グラナリー墓地(3つめ)と並ぶ、三大墓地です。近所にはボストンで最も狭い家「Skinny House」があることでも知られています。
コップス・ヒル墓地の看板。(入場無料)
丘の上にあるため、海が見える。
15. コンスティチューション/USS Constitution
映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」に登場しそうな船が、USS。
コンスティチューションは1797年に運行を開始した海軍艦艇です。 別名で「Old Ironsides」とも呼ばれており、現職の戦艦としては世界最古のものとして知られています。船の中を見学する無料ツアーも開催されています。
船の内部の様子。
えらいもんで、現役の海軍が管理している(らしい)。
16. バンカーヒル記念塔/Bunker Hill Monument
バンカーヒル記念塔。
フリーダムトレイルのゴールとなるバンカーヒル記念塔は、アメリカ独立戦争初期の「バンカーヒルの戦い」を記念しています。高さ67メートルの花崗岩のオベリスクで、1824年から1843年まで建設が続いたと言われています。
塔のふもとは広場になっている。
ふもとでは、ダンジョンのぬしのような人物が難問をふっかけていた。
ぬしが言ってた「Qualified Immunity/限定的免責」の説明。
フリーダムトレイルをまわるコツ
いくつか内部を見学しながらでも、1日で回れます。「14. コップス・ヒル墓地」まではダウンタウンエリアエリアに集結しているので一気見しやすいです。それ以降は隣町の「チャールズタウン」にあるため、すこし離れます(でも1.6kmほど)。
「15. コンスティチューション」がある港。
フリーダムトレイルはツアーなども開催されているので、時間のあるかたにはおすすめです。あと、「1. ボストンコモン」と「11. ファニエル・ホール」はそれぞれが単独でも有名な観光地なので、ボストン観光の際は念頭に置いておくとよいでしょう。
フリーダムトレイルの一覧
1. ボストンコモン/Boston Common
2. マサチューセッツ州会議事堂/Massachusetts State House
3. パークストリート教会/Park Street Church
4. グラナリー墓地/Granary Burying Ground
5. キングス・チャペルとキングス・チャペル墓地/King’s Chapel and Burying Ground
6. ベンジャミン・フランクリンの立像とボストン・ラテン学校跡/Benjamin Franklin statue and former site of Boston Latin School
7. オールド・コーナー書店/Old Corner Bookstore
8. オールド・サウス集会場/Old South Meeting House
9. 旧マサチューセッツ州会議事堂/Old State House
10. ボストン虐殺事件跡/Site of the Boston Massacre
11. ファニエル・ホール/Faneuil Hall
12. ポール・リビアの家/Paul Revere House
13. オールド・ノース教会/Old North Church
14. コップス・ヒル墓地/Copp’s Hill Burying Ground
15. コンスティチューション/USS Constitution
16. バンカーヒル記念塔/Bunker Hill Monument
フリーダムトレイルの地図。
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