「世界ごはんたべ記 #プライド号」のせつめい
「世界ごはんたべ記」は、ライターのがぅちゃんによる、へんな食レポです。ふだんはセクシュアリティを無視して雑食しております。
「#プライド号」の特別企画がスタートした6月は、「プライド月間」と言われています。せっかくなので屋号をいじりました。
6月スタートの「世界ごはんたべ記 #プライド号」では、世の流れにのっかり、LGBTにかんするお店について書いてゆきます。
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前回の記事「#プライド3号 ギリシャのカフェバー/デル・ソル・カフェ」はこちら。「世界ごはんたべ記 #プライド号」の記事いちらん。ふだんの「世界ごはんたべ記」の記事いちらん。
ゲットーとは
「イン・ザ・ゲットー」と書かれた、ゲットーの店内。
「ゲットー」は、クロアチアのアドリア海沿岸の、ダルマチア地方にある観光都市「スプリト」にあるバーだ。お店の本名は「アカデミア・クラブ・ゲットー/Academia Club Ghetto」。みんなゲットーゲットーと言っていて、「治安とか悪いのかな?」と思っていた。でもそうわけではなくて、安心した。ゲットーは、己のFBページでは「アートギャラリー」と言っている。カオスなバイブスは、ある。
ゲットーのオブジェ(1/3)。
ゲットーがあるスプリトは、というかクロアチアは、ゲイフレンドリーをアピールしてる国ではない。いちおう、周辺国(スラブ地域/Slavic World)の中では最もフレンドリーとは言われている。スプリトはクロアチアきっての観光都市だし、ヘテロセクシュアルの人をはじめ、いろんなセクシュアリティの人がくる。ゲイビーチ(とされるビーチ)も、あるっちゃある。でもゲイバーやゲイサウナは無い。
スプリトの雰囲気。
スプリトの街並み。
ゲイヌードビーチ(仮)がある、カシュニビーチ。
特殊といえば特殊な環境のスプリト。そのゲイ娯楽を一挙に担っているのが、ゲットーである。「ゲイフレンドリーバー」とは自分では言ってないけど、もうほぼ、そうなってる。スプリトに来たゲイが「ゲイバーどこどこ?」となって辿りつくのがゲットー。「非公式ゲイバー」とも言われている。行けばわかるが、はっきり言って、ゲイバーよりゲイゲイしい。
ゲットーのインテリア。
ゲットーの雰囲気
赤い部屋に赤いオブジェ(2/3)。 ライブハウスとしても機能しているそうだ。
赤っ。と言ったら負けな気もするけど(なにと戦ってるの?)、まずはそう言ってしまいたいのがゲットーだった。到着するまでの道のりもフリになってる。ゲットーがあるエリアは、スプリトの世界遺産(の宮殿)をそのまま使ってる。いろんなお店が、世界遺産の物件に入居している。ユニークな景観で、徒歩でしかたどり着けない(よく迷った)。映画のセットみたいな異空間を恐る恐る進んだ先にゲットーがあるので、ギャップでやられてないと言えば嘘になる。
ゲットーのエントランスへと続く門(左)。
門の先で展開するゲットー。
中はこんな感じ。
ドラム缶のテーブル。
演奏するDJ。
風情のある頭上。
歴史むきだしの建造物に囲まれた中庭でDJが演奏していて、穴場感が増していた。老若男女がたのしんでいる。ゲイクルーズのツアー客(じぶん含む)が来てたので、「女」以外の客の数は、我々によってかさ増しされたかもしれない。ひらたくいえば、我々がいたことによってゲイバー化していた。他の客は、「あーゲイバなん」という態度で、平常運転な感じだった。
「ゲイバーなう」と言えそうな光景。
アドリア海でおよぐ我々。
ゲットーのメニュー
ドリンクの注文を一挙うけもつ、バーエリア。
英語メニューもあって、観光客フレンドリーな内容だった。ショット1杯425円(25クーナ)、カクテル1杯850円(50クーナ)、スペシャルカクテル1杯1190円(70クーナ)。カクテル1杯1500円のイスラエルで暮らした私からすれば、かなり良心的な値段ととれる。カクテルの種類は欧米先進国共通な内容。私は「ウォッカソーダ」を飲みまくっていた(日本でいうレモンサワーみたいな内容)。
バーテンダーは失礼じゃない程度に不機嫌で、プライスレスな風情◎
ショーシャンク・リデンプション
窓に立つオブジェ(3/3)。
写真をバシャバシャ撮っていたら、「なに撮ってんの?」と男が聞いてきた。ゲイクルーズにアメリカから参加してる、浜くん(仮名)だ。他の誰もそんなことをいちいち気にしてなかったので、逆にこちらが気になった。誰かの写真に自分が映りこむという現象に反応があるタイプの人で、すこし話し込む。まずは怒っていなかったので安心した。浜くんは60歳くらいで、おちついている。つながりがほしいのかもしれないという気配があった。おしゃべりは続行した。
「ショーシャンク・リデンプション」。
浜くんは、むかし俳優をやっていたらしい。「ショーシャンク・リデンプション」とかに出てたそうだ。今はリタイアしたものの、なにかしらのパッションは色あせてない様子だった。未練のそれとは違って、味のある感じのやつ。おいしそうだ。浜くんがガムなら、食べちゃってたかもしれない。
・LGBTフレンドリーな記事いちらん
・クロアチアの記事いちらん
ゲットーの住所:Dosud ulica 10, 21000, Split, Croatia
出演-おしながき-
アカデミア・クラブ・ゲットー/Academia Club Ghetto
カクテル1杯/50 KN(850円)
ゲットーのFBページ