海外キマグレごはん#15 日本のシュクメルリ

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「海外キマグレごはん」の企画説明-おしながき-

「海外キマグレごはん」では、私が海外で食べたごはんを紹介します。日本国外で食べた自炊以外のごはんなら、なんでも紹介したいと思っています。ただし何を「ごはん」とするかは、その日の気まぐれで決めようと思っています。

そしてこの企画、必ずしも「海外らしいごはん」ばかりではないです。「アメリカのカツ丼」の日もあれば「イスラエルのラーメン」の日もきっとあります。(わけあって、アメリカとイスラエルの料理の発表は多くなるかもです。)

とはいえあまりかたくは考えず、アメリカのハンバーガー、イタリアのピザ、クロアチアのクロマグロなど、できるだけ多くの国から多岐にわたる料理を紹介したいと思っています(きまぐれに)。何卒、よろしくおねがいいたします。



前回の記事「#14 イスラエルのクナーファ」はこちら。「海外キマグレごはん」の記事一覧はこちら

21世紀な胃袋

まずはじめに、嘘をついたことを謝罪したい。企画説明には「私が海外で食べたごはんを紹介します。日本国外で食べた自炊以外のごはんなら、なんでも紹介したいと思っています。」とある。「海外の外食」の紹介なのに、「日本の外食」になってしまった。「キマグレ」でなんでも許されるってもんではない。

世の中をなめるな。

はい、「シュクメルリ」はジョージアという国の郷土料理で、日本では「鶏肉のガーリッククリームソース煮」みたいに言われてる。かねてから、「日本でシュクメルリが話題」とSNSで聞いていたので、「日本に行ったら絶対に食べてやるぞジョージアのシュクメルリさんよォ露死苦」と思っていた。不思議な感じだ。

私が住んでいたイスラエルにはアメリカのチェーン店「ハードロックカフェ」とか「シェイクシャック」が無いけど、私の故郷の京都にはある。だから「京都に行ったらアメリカ料理!」となっていた時期もある。やっぱり地元のドミノピザとかマクドナルドを見ると懐かしい。21世紀な胃袋してんな〜と、我ながら感慨ぶかい。

ハードロックカフェ・京都。(詳細記事

ところで「シュクメルリ」はジョージア語で「შქმერული」と綴るのだけど(ってWikipediaが言ってた)、発音が推測不可能な字面だったので調べてみた。50代のおばさんらしき音声で「シクッメルルル(巻き舌)リ」と再生された。あーやっぱりそんなかんじですか。と妙に納得した。

地獄に等しい

松屋では「総選挙第1位シュクメルリ鍋定食復刻発売!」と壮大なことになっていて、自分の全く知らないところでブームがすでに一周してたことを瞬時に悟り、悠久の時を感じた。「シュクメルリ鍋定食」と「シュクメルリライスセット」が選べたことに混乱した。こういうのは入店しないとわからないことだ。

何の変哲もない、松屋。

みそ汁を除外するほうのセットを選ぼうとしたけど、みそ汁は両方についてた。これが予想外で、思わぬタイムロスとなる。発券機の前に立つだけで緊張する私にとっては「注文に迷う」なんて地獄に等しいので、誰も並んでない食券機の前で苦痛の静寂-前菜-を味わった。もうなにも考えたくなくて、「シュクメルリ鍋定食」にした。

シュクメルリ鍋定食。790円。

黒い定食のお盆に乗せられて、サラダ、米、みそ汁といっしょにシュクメルリがやってきた。旅館とかに出てきそうなラスティックな黒い鉄鍋にクリームシチューが入ってる、そんな格好だった。エルサレムのとがったレストランで、タヒーニがエスプレッソカップで出てきた時を思い出した。悪くない初めましてだ。

「タヒーニ/Tahini」は中東のゴマペースト。

エルサレムのとがったレストラン「マハネユダ」。中東っぽくなかった。

「マハネユダ」の詳細はこちら

いいんだよ。

シュクメルリをたべてみると、まっさきにニンニクを感じる。「やってしまった、ニンニク入れすぎた」となったときの、ニンニクのつよさ。「いいんだよ。過ちじゃないんだよ。」ジョージアがそう囁いてる。私は即席ラーメン一杯につきニンニク3片ほど入れるんだけど、それに等しい強力さだった。へ〜、やるじゃん。

チーズ入り。

美味しい。でもへんなかんじ。割りに合わない。ニンニクのインプレッションと、食後のニンニクくささが一致しない。ワインのボトルを3本くらい飲み干したのに酔ってないぞあれれおかしいな。そんな感じだ。ニンニクの風味はするんだけど、ニンニクの味はしない、そんな感じだ。ぜんぶあくまでも感じだけど。

サツマイモ。

鶏肉の味はふつう。いい意味での鶏くささがあってなお良しと思う自分にとっては、ものたりなかった。うわーこりゃ鶏だわ! とならなかった。サツマイモがだるく感じたけど(もともとあまり好きじゃないので)、今となってはあってよかったと思う。クリームの楽しみ方の幅がふえたから。でも(だから)、シチューだった。

シュクメルリの調理動画。

本場のシュクメルリはもっとシンプルな食べ物らしく、「鶏一羽焼く→ニンニク・バター・ミルクで煮込む」といったシンプリシティ。こざかしい手間を省き、鶏とニンニクと乳製品の旨味に溺れる料理という印象をうけた。アメリカの家庭料理「マック&チーズ」にニンニクをいれすぎて(アメリカ的には)失敗したときを思いだす。

シュクメルリをためしに作ってみた。

バターでニンニクをいためる。

鶏肉と牛乳をぶちこむ。

9分で完成。めちゃくちゃ美味しい。

よっしゃ、ほな今度、ニンニクを入れすぎたクリーミーソースが爆誕したときは「ジョージア風/Georgean」と謳ってやろう。そう決心した。でもアメリカでジョージアと言ったらジョージア州ということになるしアメリカ南部料理と思われかねないけれど、まあよい。それはそのとき対応しよう。

アメリカ南部発祥といわれる「ソーセージ&グレービー」。(関連記事

ジョージアのお母さん

ごはんにちょいかけ! シュクメルリ。298円。

ファミリーマートが「お母さん食堂」のシリーズとして販売してるシュクメルリも食べてみた。ジョージアのお母さんはシュクメルリを作ってるんだろうし、店頭で(文字通り)マカロニサラダと同列だったのには納得した。味は、「醤油味の甘いお雑煮にニンニクの風味をプラス」という感じ。なに肉かはわからないが美味い。まあでもおかんってそうゆうことするよなと、これまた妙に納得した。

お母さん食堂のシュクメルリ。

原材料はこんなかんじだ。

松屋もファミマも、シュクメルリをごはんと合わせようとしていてなるほどなという感じだけど、正直、パスタと絡めた方がぜったいうまいと思う。「カルボナーラはごはんにかけたほうが美味しい」と言う人が日本に多いのであれば話はべつだけど。まあでもドリアも美味いしいっか。そんな感じだ。シュクメルリのクリームソースをミラノ風にしたらもっと売れるだろう。(バカいってる!)

ジョージア料理は日本人にあう?

「ジョージア料理は日本人にあう」という意見がネットで散見されるけども、だとしたらイスラエル人のほうがあうんじゃないか? というのが私の本音だ。はっきり言って、ジョージア料理と日本料理は、にてない。基本概念は中東料理のほうが似てると思う。

ジョージアのケバブ 。@Tash&Tasha/テルアビブ・イスラエル

ジョージアのヒンカリ。@Tash&Tasha/テルアビブ・イスラエル

ジョージアのハチャプリ。@Tash&Tasha/テルアビブ・イスラエル

Tash&Tashaの雰囲気。テルアビブ・イスラエル。(詳細記事

ハチャプリはイスラエルでわりとふつうに売ってる。

ヘブライ語で「ハチャプリ/חצ’אפורי」と書かれた看板。(ヘブライ語の詳細

ダンプリング(餃子類)はたいていどの国にもあるから、それだけを指して「似てる」というのはキビシイ。クミン味の餃子類を日本人が「これこれこれなんです!」と受け入れられるだろうか? ということだ。イスラエルでジョージア料理を食べたとき、日本で中華料理を食べるときの親近感を思い出したし。

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