「世界ごはんたべ記」のせつめい
「世界ごはんたべ記」はライターのがぅちゃんによる外食の記録です。どんなお店で何を食べたか、どんなことを感じたか、などを自由に書いています。
海外での生活が長いので、異国のお店はよく登場すると思います。でも「世界」と名乗っている手前、母国のお店もたくさん発表していきたいです(か?)。
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前回の記事「#71 京都の中華料理屋/糸仙」はこちら。「世界ごはんたべ記」の記事一覧はこちら。
北極星・心斎橋本店とは
北極星・心斎橋本店の看板。
「北極星・心斎橋本店」は、大阪で有名な洋食屋チェーンの本店だ。心斎橋(しんさいばし)というエリアにある。心斎橋には、「大阪の雰囲気を説明するときに使われるイメージの場所」という印象がある(私の中で)。かの有名な「道頓堀グリコサイン」は目と鼻の先。東京でいうところの「渋谷スクランブル交差点」みたいな場所だ。
道頓堀グリコサイン。この場所は「ひっかけ橋」という名でも知られている。
そんな心斎橋にある北極星は、オムライス発祥の店と言われている(東京・銀座の「煉瓦亭」説もある)。その昔、常連のためにオムレツと米をアレンジして作ったのが、オムライスの始まりだそうだ。当時は「パンヤの食堂」という名前だったらしい。1922年のオープンと言われている。
北極星・心斎橋本店の雰囲気
北極星・心斎橋本店の外観。
風情のある旅館みたいな佇まいだ。近くには風俗店などもあったので、とりわけそう感じた。かの有名な風俗街「飛田遊廓」に似てなくもないかも、とも思ったが、冷静に考えるとぜんぜん似てなかった。北極星は、見れば見るほど飲食店だということがわかる。今はなき京都のハードロックカフェには、似ているかもしれなかった。
エントランスの壁には、健全なことばかり書かれていて安心した。
玄関の雰囲気。北極星の歴史が味わえる写真が並んでいる。
他の壁には、有名人たちのサイン。
玄関をあがった先にある、廊下の雰囲気。
中庭もある。
北極星・心斎橋本店は、靴を脱いで入店するタイプのお店だ。靴箱が銭湯と同じやつだったので、銭湯なのに風呂に入らないというシュールなアトラクションを体験している気分だった。映画「千と千尋の神隠し」で主人公の千尋が連れ込まれた「油屋」みたいな雰囲気がある。BGMがクラシックだったので、純喫茶にいるような気分でもあった。
靴箱の鍵。
ダイニングルームの雰囲気。まるで料亭だ。
エアコンから送られてくる風情がすごい。
地上で活躍する空気清浄機に、時代-コロナ-を感じた。
北極星・心斎橋本店のメニュー
「味に輝く 北極星」。
アラカルト。
写真付きで読みやすい。日本語のほかに英語&中国語&韓国語が併記されていて、外国人観光客にも人気があることが伺える。オムライス専門店というイメージがあったけれど、「アラカルト」のコーナーには洋食のおかずアイテムも揃っていた。ハンバーグ、エビフライ、鶏の唐揚げ、タコの唐揚げetc。
水色が目を引く、夏季&店舗限定メニュー。
ビシソワーズ
500円。
「ひんやり ビシソワーズ(冷静スープ) 堀江店・心斎橋本店限定」などと、気になる日本語がたくさんメニューに並んでいたので、つい注文してしまった。「ビシソワーズ/Vichyssoise」には、西洋ネギ、ジャガイモ、生クリームが含まれる。この一杯があればお酒はいらない、と確信できる美味しさだった。
カニクリームコロッケ
920円。
ケチャップとデミグラスソースを両方味わえるソース。
ビシソワーズの肴(さかな)のつもりで注文したが、おつまみとするには十分すぎる量で感動した(べつに北極星はこれをおつまみとは言ってない)。実はここに来る前にうどん屋できつねうどんを食べていたので、この後にオムライスいけるのかい? と一瞬焦った。でも美味しくて、食欲とかどうでもよくなった。
つけあわせは、サラダ、キュウリ、トマト、ポテサラ。日本の洋食屋ならではだ。
チキンオムライス
920円。ソースはケチャップとデミグラスソースのやつ。
つけあわせはガリ。
私はオムライスがあまり好きではない。でもメニューの「スタンダードオムライス」の一覧のてっぺんに「よくできました」のハンコのデザインと共に「第1位」と書かれていたので、迷わず注文してしまった。チキンライスが、すでにめちゃくちゃ美味しい。あ、自分、ラード(だと思う)が好きなんやわ。と気づかされた。
卵が無くてもいい、とさえ思えた。でも卵もうまい。
「プロが神経をつかって作ったもの」という感じをひしひしと感じた。うすい卵の生地(とでも言えばいいのか)が、焦げてもいなければ破れてもいない。おうちで自分がどうでもよかった事がどうでもよくないという、次元を啓蒙する感動があった。アメリカのダイナーで食べたオムレツとはまた違う料理オムレツという感じで、面白い。
アメリカのダイナーで食べた「ハム&チーズのオムレツ」。
西洋御料理
北極星・心斎橋本店のエントランスにかかっていた、のれん。字面にハッとした。
「西洋御料理=洋食」だと思うけれど、日本の洋食は日本国外ではなかなか食べられない。アメリカ人のユーチューバーがアメリカのジャパニーズレストランで日本食を紹介する際にオムライスを食べていたのを思い出した。日本の洋食は、日本ぶってないぶん、余計リアルな日本料理だと思う。
メニューの角についていた、星マーク。
北極星・心斎橋本店の住所:大阪市中央区西心斎橋2丁目7-27
出演-おしながき-
北極星・心斎橋本店
ビシソワーズ/500円
カニクリームコロッケ/920円
チキンオムライス/920円
北極星のHP