世界ごはんたべ記#90 東京のカフェ「クンバドゥファラフェル」

「世界ごはんたべ記」の説明

「世界ごはんたべ記」は食レポです、と言ってよいのかもしれませんが、違う気もします。1エピソードにつき、1軒のお店を紹介します。「世界」と名乗っている手前、異国のお店も母国のお店も登場します。



前回のエピソード「#89 東京のレバント料理屋/パルミラ」はこちら。「世界ごはんたべ記」の記事一覧はこちら

クンバドゥファラフェルとは

クンバドゥファラフェルの外観。

クンバドゥファラフェルはファラフェル*の専門店なのか? というのはある。ファラフェルと言ってるからファラフェルのお店、のようになってるけど、それだけじゃない気がする。もっと奥が深い感じがある。(ファラフェルの専門店ではある。)

「クンバドゥ/Kuumba du」という言葉も気になった。ググってすぐ意味が出てくる言葉じゃなかった。「Kuumba」はスワヒリ語で「Creativity」という意味、のような結果にたどり着いた。つまり、クリエイティビティオブファラフェル(仮)。

クンバドゥファラフェルがファラフェル屋さんなのは間違いないと思う。でもそれ故に、ファラフェルをソウルフードとするイスラエルに関連し、イスラエル料理屋としてカウントされてることがある。でも多分、イスラエル料理屋ではない。

*ファラフェルとは

イスラエルのファラフェル。@アブゴッシュ/アブゴッシュ

「ファラフェル/falafel」は「ひよこ豆のコロッケ」のような料理。クミンやコリアンダーの風味が強い。日本では「カレーのような味」となるかもしれない。中東の定番料理。むかし住んでいたイスラエルでは、イケアでも売られていた。

イスラエルのイケアのファラフェルサンド。

クンバドゥファラフェルの雰囲気

店内の様子。

クンバドゥファラフェルのHPには、「フルメイドファラフェルサンド、オリジナルカフェ&タパス」とある。たしかに、「カフェ&タパス」という感じだ。「ファラフェル屋」よりは「カフェ」、「カフェ」よりは「バル」のような。

カウンター席には、食材が詰められた瓶が並んでいた。

クンバドゥファラフェルのメニュー

メニューはファラフェルとフムスだけだった。だけ、は言いすぎだが、ほぼそういう状況だった。英語に日本語で補足されているようなメニュー。読みやすかった。コロッケとポテサラだけで勝負している居酒屋、のような感じか。

お店の外から見えていたメニュー。

フムス

700円。

「フムス/Hummus」は「ひよこ豆のディップ」のような料理。中東料理として紹介されることも多く、イスラエルでも定番で、これまたイケアにも売っていた。でも、クンバドゥファラフェルのフムスは、そういう定番の型から卓逸していた。

私はフムスの定番っぷりをポテサラで例えることがあるけれど、このフムスは今まで食べた中で、バイブスにおけるポテサラみが最も強かった。ピタパンをつけるディップとしてのフムスではなく、単品で食べるためのフムス。

ターメリックとディルの風味。

これをフムスのフィールドにもってくるのはチートな気もするけれど、そういうの込みで反則級に美味しかった。今まで私が食べた、「フムス」と名付けられた食べ物のなかで、一番おいしかったと思う。

簡単に言えば、好みだった。「美味しすぎ」って、こう言う時に使うべき言葉なのかもしれない。

ちなみに「ふつうのフムス」はこんな感じ(ピタパンつき)。@イスラエルのイケア

ファラフェルサンド

1000円。

ファラフェルはピタパンに挟んで「ファラフェルサンド」とするのが王道、みたいなノリがある。少なくともイスラエルではそうだった(イケアでも)。なんだかイスラエルイスラエルうるせーが、私の最寄りのファラフェル体験がイスラエルだったので勘弁してほしい。

で、クンバドゥファラフェルのファラフェルサンドは、イスラエルのファラフェルサンドとは全く違った。葉っぱが多めで、大葉(!)や揚げナスが含まれている。ファラフェルは砕かれて混ぜられていたから存在感が薄いかと思いきや、しっかりファラフェルの味がした。全体的に甘味と酸味がする。

ほどよくグショッとして美味しい。

チリソースも異様に美味しかった。唐辛子料理をいただいてる気がした。

ガルバンゾ/Garbanzo

ファラフェルサンドも相当だったけど、フムスが好きすぎて、何が入ってるのかお店の人に聞いてしまった。「あれとこれと、ガルバンゾとー」と、教えてくれた。ガルバンゾ、初めて聞いた。ひよこ豆のことをスペイン語ではそう言うらしい。言葉からもお店のバイブスを感じた。

お店の壁のテクスチャは、ちょっとイスラエルっぽいかもしれない。

クンバドゥファラフェル、ファラフェルやフムスを取り扱っているのに、「中東料理屋!」という感じではないのが絶妙だった。ドイツのベルリンとかにありそうな感じだ。なんとなく、大阪のファラフェル専門店「ゴールドファラフェル」のファラフェルサンドを思い出した。ヨーロッパのファラフェルというか。

今回のおしながき

クンバドゥファラフェル/Kuumba du Falafel
フムス/700円
ファラフェル/1000円

クンバドゥファラフェルのHP

クンバドゥファラフェルの住所:東京都渋谷区神泉町23−1

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