「世界ごはんたべ記」のせつめい
「世界ごはんたべ記」はライターのがぅちゃんによる外食の記録です。どんなお店で何を食べたか、どんなことを感じたか、などを自由に書いています。
海外での生活が長いので、異国のお店はよく登場すると思います。でも「世界」と名乗っている手前、母国のお店もたくさん発表していきたいです(か?)。
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前回の記事「#69 京都の中華料理屋/夜市的点心酒場・好」はこちら。「世界ごはんたべ記」の記事一覧はこちら。
ハオチープレイス・ハッピーアワーとは
ハオチープレイス・ハッピーアワーのネオン。
「ハオチープレイス・ハッピーアワー」は、京都の西院(さいいん)というエリアにある中華料理屋だ。「中華料理屋」というと定番イメージのようなものがあるが、ここはその感じではない。ぱっと見は中華料理屋には見えない。というか、何料理屋かは、わからない。怪しくてサイバーパンクな空間が通りから見えていて、「ギャラリーかな」など思わせる。
通りから見た、ハオチープレイス・ハッピーアワー。
ハオチープレイス・ハッピーアワーの雰囲気
ハオチープレイス・ハッピーアワーの外観。
中国語で「歡樂時光」は「ハッピーアワー」を意味するそうだ。
店内の様子。
ギャラリーではなく、バーかな? という感じではある。まだ中華料理屋という確信は持てない。エントランスで主張している「歡樂時光」という文字が、かろうじて「もしかしたら」という感じではある。いざ入店すると、パリッと涼しい。インダストリアルな空間にチル/chillな感じのビートが心地よく響いていて、「どんな服買おうかしら」となった。
オリジナルTシャツと思われる服が頭上に展示されていた。
私が入店した時は開店ほぼ直後で、自分以外に客がいなかった。エントランスから丸見えだった厨房兼カウンターへ、店員さんに誘われるまま向かった。人見知りなので人から距離を取って4人席を1人で陣取ろうとしたけれど、この状況でそれをするのは猛者すぎて逆に自分が怖いと直感し、空気をよんだぜ。
店員さんは2人いて、いい感じの人たちだった。1メートルくらいの距離で2対1という構図だったけれど(誰と戦ってるの)、私のダメージは余裕で0だった。もっと仲良くなって通えるようになったら素敵だなと思う。そういう場所になりそうなお店だ。心が開いていった。さすが、店名にハッピーとついているだけある。
カウンターの雰囲気。
ハオチープレイス・ハッピーアワーのメニュー
「京都・裏・西院」と下に書いてある。かっこいい。
プリント一枚。ラミネート加工。グラフィックデザインかわいい。ペアードダウン(pared down)。ぜんぶ、私の癖に刺さった。ドリンクもフードもこの一枚にまとまっている。メニューをこのまま素敵な額にぶちこんで家の壁に飾って毎日眺めてやろうかこの野郎という気持ちだった。
まずはドラゴンハイボール。紹興酒のソーダ割。ほぼドラゴンボールや。
フードの種類は「チャイニーズバーガー」「アテ」「一品」「飯」の4つで、アテと一品の手練れ感がはんぱではない。これは…お酒を飲ましにかかっている…!という感じだ。「うずらの台湾醤油漬け」の卵を一個ずつ半分に箸で割って食べながら、すぐにでも飲み干したいドラゴンハイボールをちびちび飲んでいた。高速道路で徐行してる気分だった(そんな事したことないけど)。
うずらの台湾醤油漬け。
エキゾチックな苦味と甘みがクセになる。
チャイニーズバーガー
「チャイニーズバーガー」の「チャイニーズポーク」。
「チャイニーズバーガー」は、フードメニューのてっぺんに君臨していた。字面からして只者ではないオーラを放っていた。漫画のハンターハンターの元殺し屋のキルアのじいちゃんがドラゴンヘッドした時の、じいちゃんの右手くらい放っていた。チャイニーズバーガーは死ぬほど食べたかったので、2つも注文してしまった。
ちなみにこれがキルアのじいちゃん。ハンターハンター11巻より。
余談だが、このお店の「チャイニーズバーガー」は、「中国の蒸しパンをつかったハンバーガー」と解釈できると思う。「肉まんの肉を、包まず挟む」とでも言えばよいだろうか。この”チャイニーズバーガー”は、英語では「bao burger」「bao bun」などと呼ばれている。日本では珍しい食べ物かもしれない。
イスラエルのラーメン屋で食べた、牛肉のバオ・バーガー。720円。
チャイニーズバーガーその1「チャイニーズポーク」
800円。(イスラエルのやつの倍はしそうなクオリティに見えた)
八角の効いた豚の角煮が、もっちりした純白のバンに挟まれている。豚が甘ったるくなくて美味だった。ちゃっかりと挟まっていた一枚のシソが天才的で、「シソは日本のバジル」という海外かぶれな個人解釈を踏まえると、日本ならではのチャイニーズを存分に味わえた。バンに塗られていたピーナッツバターのような濃厚なソースも忘れられない。かなりタイプだ。
片手でいったったねん。
チャイニーズバーガーその2「ソフトクラブシェルタルタル」
800円。山盛りのネギ類。カニのモンスターみたいになっていて最高だ。
「ソフトシェルクラブ」は脱皮直後のカニのことで、柔らかいから丸ごと食べられる。テンプラのように揚げられたソフトシェルクラブが一匹まるごと挟まっている。べつに、カニが好きというわけではないが、これは絶対に食べておかなければという使命感を勝手に感じ、一方的に指名したのだった。真紅のピンクペッパーが効いていて印象的だった。
カニは塩が効いていて最高だった。
45度
「白酒/パイチュウ」のショット。
チャイニーズバーガーを2つも食べていたので、入店直後から飲み始めていたドラゴンハイボール一杯ではもう持ちこたえられなくなっていた(うずら卵の時点でもうやばかった)。何を飲もうか店員さんと相談した結果、アルコール度数が高いということで「白酒/パイチュウ」に決定したのだった。
「中国では白酒をビールとあわせてショットで飲んだりする」とか「この白酒は日本向けなのでアルコール度数は45度と低め」とか、店員さんが自然なフローで教えてくれた豆知識を肴に、飲み干した。「45度で低め」というのが好きだった。味は日本酒とかウォッカに似ている気がした。キンキンに冷えていて最高だった。
グラスがかわいい(どちらも)。
出演-おしながき-
ドラゴンハイボール/500円
うずらの台湾醤油漬け/300円
チャイニーズポーク/800円
ソフトクラブシェルタルタル/800円
白酒/400円
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