世界ごはんたべ記#2 アメリカの海鮮料理屋「ソルティ・ドッグ」

「世界ごはんたべ記」のせつめい

「世界ごはんたべ記」は、ライターのがぅちゃんによる外食の記録です。どんなお店で何を食べたか、どんなことを思ったか……などなど、じゆうに書いています。

海外ぐらしが長いので、異国のお店はひんぱんに登場します。とはいえ「世界」と名乗っている手前、母国のお店も発表していかねばなぁと思っています(……か?)。



前回の記事「#1 アメリカの海鮮料理屋/キャプテン・カルロス」はこちら。「世界ごはんたべ記」の記事一覧はこちら

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ファニエル・ホール

オーマイガー!!! オーゴッド!!! ジィザス!!! 

……って、ものすごい声が聞こえた。周りの人はニヤニヤ・ワクワク。なぜならここは「ファニエル・ホール」。ボストンの……いやつまりは、ニューイングランド地方最大の都市&マサチューセッツ州の州都の、にんき観光地だから。

「ファニエル・ホール/Faneuil Hall」は「フリーダムトレイル」のひとつ。

「ファニエル・ホール・マーケット」と書かれてる。

風情のあるレモネード屋。

やってるやってる、とゴキゲンさんで歩いてると、ひときわ大騒ぎなグループがいた。女の人が、激しく動いてた。というか、取り乱してた。そして地面には男の人が寝てた。動いてなかった。女の人、まじ泣き。……ふつうの事件だった。

通行人が気になりだしていた。

だいたいのひとが「事件だ……」とハッとしつつ、でもとくに足取りは緩めない。そういう一連の流れが生まれてた。救急車を確保したらしい空気を遠目でかぎとり、もう臆すことなく前進すると現れたのが「ソルティー・ドッグ」。

海ぶどうみたいなランプの奥に展開している、ソルティー・ドッグ。

ソルティ・ドッグ

「ソルティ・ドッグ」の本名は「ソルティ・ドッグ・シーフード・グリル&バー」。英語にすると「Salty Dog Seafood Grille & Bar」。ソルティ・ドッグは、地元の食材を用いたニューイングランド料理(のシーフード)のお店だ。

ソルティ・ドッグの様子。

ニューイングランド料理は、タラとかハマグリとかロブスターとかのシーフードが中心の料理。ここボストンを含むアメリカ北東部(ニューイングランド地方)の定番料理。ボストンのソルティ・ドッグは、大阪のお好み焼き屋みたいなもん。

看板には魚が3びきも描かれてる。ぜったいにシーフードのお店だ。

ごめんやしておくれやして〜と(言ってない)テラス席に接近すると、店員さんが座席に案内してくれた。メニューはくれなかったけど、これはコロナ仕様。座席にQRコードがあって、客が各々、スマホで読み込んでメニューを見ることになってる。

メニューがわりのQRコード。

メニューもあるっちゃ、ある。

裏はドリンク。シャツとかグッズも売ってるみたい。

ついでに渡されたケチャップ。

紙のメニューをもらえたのは、カレシがごねたからにきまってる。「そんなんQRコードとか分ァからへんから、紙わァたしてくれたらエァねん! 」と。ボストン弁で。(うちのカレシはよくごねる。というか、”たまにごねない”)

水を飲んで、おちつこう。

フィッシュ&チップス

うるせぇゾおっさん。いらちを虔(ころ)す作業が完了するかしないかのときに、フィッシュ&チップスがきた。これはいちおうニューイングランド料理にカウントされてる。(ボストンはもともとイギリス人が造った街だし)

フィッシュ&チップス。

「チップス/Chips」。イギリス英語で「フライドポテト」を意味する。

レモン付き。(右のカップの)タルタルソースと併せてデフォルト。

イギリスのフィッシュ&チップスは一切れ丸ごとフライする豪快さがウリみたいなとこがあるけど、ほかの国ではそうでもない。このお店は「みんなが食べれるものを」系だったから、ひとくちサイズの「おさかなチキンナゲット」感覚だった。

イギリスのフィッシュ&チップス。ポテトの形も、これこれ! といった風貌。

イギリスのと違(ちご)て小さいけど文句なしだぜ〜と、気を遣って「美味しい美味しい」言うてたら、カレシが「メ〜*、フツ〜。」とか言ってきた。(気ィつかって損した。ま、そんなコトやろぅからおいらはそれを注文しなかったんやけど。)

*「メ〜/Meh」は、アメリカで一般的に使われる間投詞。日本語で言うところの、「えぇー…びみょ〜」の「えぇー…」に値する。よくもわるくもない雰囲気を出したいけど、正直いって残念なときに放たれる言葉。羊かよ

クラブケーキ

フィッシュ&チップスがメ〜なのは目〜に見えてたから、サイドディッシュの「クラブケーキ/Crab Cake」で手を打った。クラブケーキは、カニを使ったハンバーグのようなお好み焼き。どちらにせよ、アメリカの定番シーフード。

ちょい平べったいかも。

日本のハンバーグやお好み焼きに家庭の数だけ味があるように、クラブケーキにも、そういうとこがある。カニの身が多めなとこや、つなぎ(と呼んでいいのか確証がないけれど)が多いとこ。このお店は、後者だった。

断面(?)図。

ひとことでいうと、「ポテトウィー/Potatoey」。ねっとりしたマッシュドポテトのようなテクスチャを、英語ではそう呼ぶ。もんじゃ焼きに近いお好み焼きに、焼き目をつけたような感じだった。でもニンニクとカニ風味が、美味〜。

王道のレムラードソース(Remoulade)。辛いガーリックマヨ、といった感じ。

このお店のクラブケーキの食感は完全に、居酒屋・土間土間の「もちもちチーズもち」。なんかのきっかけで日本で爆はやりしそうなエピファニーを感じた。「もちもちチーズもち・冬のカニフレーバー!」みたいな。

もれそう

ごちそうさまのあと、店内のトイレを使おうとした。でも男子便所はしまってて、扉全開の女子便所がおいらを挑発してた。モジモジ。するとそれを見てたっぽいキッチンのアニキが、スペイン語なまりで「女便所つこてええで!」と言うてきた!

トイレの前から見た厨房。

じぶん、イッキにゴキゲン野郎になりあがって「グラシァス、アミーゴ!」と言いそうになったけど、逆の立場だったとして、善人で軽薄な客がおいらに「アリガト☆シェイシェイ!」など言うメ〜なケースを想定してしまい、なんとなく萎えた。

やしふつうにもう、サンクスって言っといた。

出演-おしな・がき-

ソルティ・ドッグ/Salty Dog Seafood Grille & Bar
フィッシュ&チップス/Fish & Chips/19.95 USD
クラブケーキ/Crab Cakes Remoulade/7.95 USD

ソルティ・ドッグの位置。

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