「海外キマグレごはん」の企画説明-おしながき-
「海外キマグレごはん」では、私が海外で食べたごはんを紹介します。日本国外で食べた自炊以外のごはんなら、なんでも紹介したいと思っています。ただし、何を「ごはん」とするかは、その日の気まぐれで決めようと思っています。
そしてこの企画、必ずしも「海外らしいごはん」ばかりではないです。「イスラエルのケバブ」の日もあれば「イスラエルのラーメン」の日もきっとあります。私はイスラエルに住んでいるので、イスラエルで食べた料理の発表は多くなる見込みです。
とはいえ、アメリカのハンバーガー、イタリアのピザ、クロアチアのクロマグロなど、できるだけ多くの国から多岐にわたる料理を紹介したいと考えています。何卒、よろしくおねがいいたします。
*
前回の記事「#8 イスラエルのサーモンタルタル」はこちら。「海外キマグレごはん」の記事一覧はこちら。
フィッシュアンドチップス
「フィッシュアンドチップス/Fish&Chips」はイギリスを代表する料理のひとつで、世界的に有名なメニューだ。揚げた白身魚をフライドポテト(Chips)といっしょに食べる。欧米先進国とかでは広く知られているメニューだと思う。
フィッシュアンドチップスの定義(というか共通認識?)は、二つある。一つは、白味魚(タラ類)を用いること。もう一つは、液体で溶いた衣(Batter)で揚げること。日本の揚げ物で例えるなら、「天ぷら」が最も近いと思う。片栗粉の「竜田揚げ」ではなく、パン粉の「フライ」でもない。
イギリスのフィッシュアンドチップス。新聞紙に包まれていた。
ぶあついサクサクの衣。
好きなように揚げた魚
フィッシュアンドチップスの作り方は簡単で普遍的だから、私が暮らす中東のイスラエルでも定番料理だ。いまどきのレストランに行けば、たいてい、シーフードメニューに採用されている。子供も観光客も食べやすい料理だから、マクドナルドのチキンナゲットくらいカジュアルかもしれない。
プレゼンテーションや食べ方はイギリス(というか欧米諸国)とほぼ同じで、ふつう、レモンやタルタルソースで食べる。しかし「イギリスの料理」と、とくに意識しているわけではなさそうだ。「好きなように揚げた魚のフライドポテト添え」くらいの感覚だと思う。サイズも自由だし。
小ぶりなフィッシュアンドチップス。@Fishop
欧米の料理で言うところのフィッシュアンドチップスに近い食べ物です。
フィッシュアンドチップスに限ったことではないが、食べ物の名前に関して、イスラエルでは「既存の料理名を引用する」ということをよくやる。都合がいいからそう呼んでいるだけなので、本家-ホンモノ-を気にしだすと誤解につながることがある。
「フィッシュアンドチップス」と言われると「Fish&Chips」を思い浮かべるのが普通だが、イスラエルでは違う。「フィッシュアンドチップス」は「欧米の料理で言うところのフィッシュアンドチップスに近い食べ物です。」くらいを意味する。
だからつまり、内容が自由でバリエーションも多いので楽しい。日本の「アジフライ」みたいにパン粉で揚げたものや、「竜田揚げ」のように粉で揚げたもの、または一口サイズで「チキンナゲット」のように提供されることも多い。「ナマズのフィッシュアンドチップス」なんてのもあった。
「アジフライ」っぽいフィッシュアンドチップス。@Tishbi Winery
「竜田揚げ」っぽいフィッシュアンドチップス。@Pavella
ナマズのフィッシュアンドチップス。@Yam 7
直撃するクリエイティビティ
そんなイスラエルのフィッシュアンドチップスの中で、自分史上、一番美味しかったのが、「ビシクレッタ」というレストランで食べたやつだ。フライドポテトが見るからに自家製で、ハウスカット感に溢れていた。マヨネーズもオリーブオイルを用いたホームメイド。説明されるまでもなく、舌に直撃するクリエイティビティだった。
フィッシュアンドチップス。
オリーブオイルのマヨネーズ。
「オリーブオイルのマヨネーズ」は珍しいけれど、この国では妥当な発想と言える。イスラエルには「聖書にも登場する伝説の7食材」というのがあり、オリーブはそのうちの一つだ。オリーブオイルに関しては「かけない食べ物が無い」と言えそうなほど、よく使われる。イスラエルではたぶん、オリーブ食品を避けて生きていけない。(さすがは地中海沿岸の国だ)
スーパーのお惣菜コーナーのオリーブ。
地中海の遺跡(のビーチ)。@Aquaduct Beach(関連記事)
私が暮らす大都会かつゲイタウンなテルアビブ(誇張)には、「フィッシュアンドチップス専門店」なんてのもあったりする。これがまた美味しくて、デリバリーの際には、重宝している。
「からあげ弁当」みたいなもんだ。@Joseph ‘n’ Sons