世界ごはんたべ記#66 京都の焼肉屋「三樹」

「世界ごはんたべ記」のせつめい

「世界ごはんたべ記」はライターのがぅちゃんによる外食の記録です。どんなお店で何を食べたか、どんなことを感じたか、などを自由に書いています。

海外での生活が長いので、異国のお店はよく登場すると思います。でも「世界」と名乗っている手前、母国のお店もたくさん発表していきたいです(か?)。



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三樹とは

三樹の外観。

「三樹/みき」は、京都府の福知山市にある焼肉屋だ。「焼肉レストラン三樹」というのが正式名称ではある。三樹は街の中心地からやや離れたところにあり、大通りに面しているわけでもないので、決して目立ってはない。場所を知っている地域の人が訪れるお店といった、完全ローカルな雰囲気がある。福知山市出身の千原ジュニアも、子供の頃に食べに行ったことがあるらしい。

福知山市のランドマーク「福知山城」。

福知山城から見た景色。

福知山城の自動販売機。明智光秀がデザインされている。

ちなみに福知山市は、京都市内にある京都駅から電車で2時間くらいの場所にある。京都市内に長く住んでいる人(例えば私とか)でも、行ったことがない人は多いと思う(京都から2時間かければ新幹線なら東京とかにも行ってしまえる)。福知山を初めて訪れた私は、ひとまずランドマークの「福知山城」などを訪れた。福知山の市章が、むかし住んでいたイスラエルという国の国旗と似てて気になった。

福知山市の市章をあしらった服を着た明智光秀。

福知山市の市章。「フ」を9つ組み合わせたデザインだそう。Image:CC0

イスラエルの国旗。Image:CC0

三樹の雰囲気

三樹のすぐ前の通り。

三樹は「土師川/はぜがわ」という、わりと大きな川のすぐそばにある。堤防のほぼ真裏だ。三樹どころか福知山も初めて訪れる私にとっては、迷ったとしか思えないような風景が展開していて、道中で相当な旅行気分を味わえた。でも三樹の前にさえ行けば、絶対に見間違えないサイズの看板に「焼肉レストラン三樹」とあったので、道中の不安に比例してかなりの安心感が湧きおこった。

三樹の看板。

別の角度から。

ガレージは広めだ。車で来る人も多いのだろう。

営業中。

店内は、完全に日本の焼肉屋の匂いがした。満腹でもお腹が減りそう。角がないクラシックのピアノのBGMがポロンポロンと流れており、そこにテレビ特有のガヤガヤしたトーク音声が混ざる。銭湯っぽいかも?…と一瞬思ったが、いや違う、これは純喫茶だな(焼き肉の香りの)。と、三樹という世界に記憶の錨(いかり)をおろしておいた。バナナパフェとか出てきても、あまり違和感がない気がする。

店内の雰囲気。

ピシッとセッティングしてある。

緑が生えていて、映えていた。

三樹のメニュー

一品のメニュー。(1/3)

焼肉のメニュー。(2/3)

ドリンク&デザートメニュー。(3/3)

日本の焼肉屋のメニューは読みやすいので好きなのだが、まさにそんな内容だった。「ドリンク」「焼くもの」「一品」といった分別。ところどころ、イラストがあったりフォントが編集されていたりして、愛着が湧く。「MENU」の字がアメリカのテキサスのBBQ専門店(実際に行ったことはないけれど)みたいなデザインになっていて、グッとくるものがあった。

セッティングされたタレと牛脂。

おつまみのチャンジャ。

そしてキムチ盛り合わせ。

「チシャ菜」と勘違いして「チャンジャ」を注文してしまった。自分で頼んだくせに「なんかへんなやつが来たぞ」と、失礼なことを感じていた。チャンジャはタラの内臓の塩辛のような食べ物で、私が最も苦手とする魚介系の珍味だ(ウニとかですら抵抗を感じてしまう)。しかし口に運べば美味しかった。「虫は実は美味しい」と言う人もこういう気分なのかもしれないと感じた。

チャンジャ。虫よりは(というか虫がどうこう以前に)絶対に美味しいと言い切れる。

塩タン

塩タン。

ミント付きだ。

「塩タン/しおたん」ってあだ名みたいでかわいいな…というのはさておき、三樹の塩タンがやってきた。ネギやパセリなら見たことあるけれど、ミントは初めてだった。「食後にミントガムとか渡されるから先にミント食べておけば話が早いかもな」と、お門違いな妄想をした。牛角とかで食べる塩タンと比べると、塩が強めで肉の旨味が濃かった。レモンとミントと白ネギでコンボすると、そういう一品料理のような味がした。ネギよりミントのほうが私は好きだ。追いミントしたかった。

完全に焼肉をしている。

こうやって食べた。

ほかにもいろいろ。これはロース。

ホルモン(小腸)。

テールスープ。牛のしっぽが入っている。

しっぽ。タレにつけて食べてみると、ビーフシチューの味がした。

石焼ビビンバでしめた。

クレジットカード

宝石みたいな牛脂だった。

おかあさん風(というかたぶん本当におかあさんだと思う)の店員さんに、「クレジットカード使えますか」と聞いた。すると店員さんは、「たいがいのとこは使えます」と答えてくれた。一瞬、意味がわからなかったが、「どの会社のクレジットカードでも使えますよ」という意味だった。クレジットカードを使えるかどうかという次元を超えた回答で、即座に頭が追いつかなかった。すごい。意味に気づいた時、急にめちゃくちゃ頼もしく感じた。

帰りぎわに、ミント味のガムをもらった。ここまでが焼肉だと思う。

三樹の住所:京都府福知山市堀2367-1

出演-おしながき-

焼肉レストラン三樹
キムチ盛り合わせ/660円
チャンジャ/330円
ロース/1320円
塩タン/830円
ホルモン/710円
テールスープ/1100円
石焼ビビンバ/1100円

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