旅するゲイライターのがぅちゃんです。
じぶんが実際に訪れた、世界の「LGBTフレンドリーカフェ」や「LGBTフレンドリーバー」をまとめました(7ヵ国=イスラエル/トルコ/ギリシャ/クロアチア/アイスランド/日本)。それぞれのお店の詳細レポート(雰囲気、値段、メニューetc)もありますので、あわせてご覧ください。
LGBTフレンドリーカフェとは
LGBTフレンドリーカフェの雰囲気。(5軒目の「ババル/アイスランド」より)
「LGBTフレンドリーカフェ/バーetc」とは、「LGBTフレンドリーであることを表明しているカフェ/バーetc」のことです。「LGBTフレンドリーカフェ」「LGBTフレンドリーバー」「LGBTフレンドリーレストラン」など、いろいろあります。「LGBTフレンドリー」とは、「LGBT(性的マイノリティの総称)の人々を受け入れたいし、彼らの生きやすさを推進(*文末に詳細)したい」という態度のことです。
LGBTフレンドリーカフェ&バー7つ
左上から時計回りで、イスラエル、トルコ、ギリシャ、日本、クロアチア、アメリカ、アイスランド。
ではこれより、じぶんが実際に訪れた7ヵ国(イスラエル/トルコ/ギリシャ/クロアチア/アイスランド/日本)より、7軒のゲイフレンドリーカフェ&バー&レストランを紹介します。それぞれのお店の詳細レポートのリンクもありますので、あわせてご覧ください。
1. イスラエルのLGBTフレンドリー音楽バー「デザイア」
デザイアの外観。
中の様子。
「デザイア/Desire」は、イスラエルの東京「テルアビブ」にある、LGBTフレンドリーな音楽バーです。ドラァグクイーンショーが毎週されることで有名です。ショーの開催日にはゲイの客が多く訪れますが、ゲイ以外の客も多いです。ちなみに、テルアビブは中東・北アフリカで最もゲイフレンドリーな都市と言われています。
ドラァグクイーンショーの様子。
イスラエルの地ビール「ネゲブビール」。
2. トルコのLGBTフレンドリーバー「パランテズ」
パランテズの外観。
レインボーフラッグ。
「パランテズ/Parantez Bistro」は、トルコのイスタンブールにあるLGBTフレンドリーバーです。観光客が100%訪れるであろうエリア「ベイオール/Beyoğlu」に、お店があります。人口の9割以上がイスラム教徒であり、LGBTコミュニティとの軋轢も報じられる国ですが、お店にはレインボーフラッグが掲揚されていました。
冷えた白ワイン。378円。
店頭でおやつをこしらえるおっちゃん。
3. ギリシャのLGBTフレンドリーカフェバー「デル・ソル・カフェ」
お店の外観。
店内の様子。
「デル・ソル・カフェ/Del Sol Cafe」は、ギリシャの首都「アテネ」にあるLGBTフレンドリーカフェです。「ヨーロッパの観光地にあるLGBTフレンドリーカフェ」として、オーソドックスな状態です。アテネのゲイエリアとも言われている「ガジ」にあります。ゲイの客が多いけれど、性別問わず人気のお店といった様子でした。
クラブサンドイッチ。975円。
ウォッカのショット。910円。
4. クロアチアのLGBTフレンドリーバー「ゲットー」
ゲットーの店内。
テラス席の雰囲気。
「ゲットー/Academia Club Ghetto」は、クロアチアの観光都市「スプリト」にあるLGBTフレンドリーバーです。スプリトはアドリア海沿岸にある風光明媚な都市で、世界遺産の「ディオクレティアヌス宮殿」の内部に街が展開しています。ちなみにアドリア海は、ジブリ映画「紅の豚」の舞台としても知られています。
店内の赤いオブジェ。
店内で演奏するDJ。
5. アイスランドのLGBTフレンドリーカフェ「ババル」
お店の外観。
店内の雰囲気。
「ババル/Café Babalú」は、アイスランドの首都「レイキャビク」にあるLGBTフレンドリーカフェです。アイスランドは、「世界で最もLGBTフレンドリーな国」「ジェンダーギャップ指数が11年連続1位」などと言われています。こじんまりとしたローカルなお店で、性別とわず地元で愛されている様子。
店内のゲイアート。
レジで、チップに感謝するマリオ。
6. アメリカのLGBTフレンドリーレストラン「デラックス・カフェ」
お店のネオン。
店内にいたエルビスプレスリー。
「デラックス・カフェ/Delux Cafe」は、アメリカのマサチューセッツ州の州都「ボストン」にある、LGBTフレンドリーレストランです。「ゲイバー」とも「ゲイカフェ」とも言われており、セクシュアリティを問わず、地元で人気のレストランです。ボストンは、アメリカで最もリベラルな都市の一つと言われています。
皿からすでに味がある。
アメリカ名物「キューバン・サンドイッチ」。
7. 京都のカフェ「スタンプタウン・コーヒー・ロースターズ」
お店の雰囲気。
お店の看板(の織物)。
「スタンプタウン・コーヒー・ロースターズ/Stumptown Coffee Roasters」は、アメリカのカフェチェーンです。「エースホテル京都」の中にあり、ホテルごと有名です。エースホテル京都はLGBTフレンドリーを(ほぼ)表明しているホテルなので、そういった空間の中にあるカフェという意味では、珍しいお店です。
「コルタード」と「ユズ&レモンドーナツ」。
エースホテル京都のロビーで飲める。
余談:*推進とは/LGBTに関するコラム
@ババル/アイスランド
「推進」とは、「社会で同じスタートラインに立てる環境の確保」という意味です。だから進む先は、あくまでも後ろから目指す、「みんなと同じスタートライン」です。「ゲイだし結婚できない」とか「セクシュアリティのことでしばかれる」とかは、性的少数者であることが理由になってる理不尽なハンデなので、スタートラインに立てていません。「同じスタートラインに立てない理由がセクシュアリティ」という状況を無くすのが、推進の目的です。
「普段しばかれないのが当然…と考えるまでもなく享受してる、その当たり前の世界」が当たり前じゃない人がいます。その人は、みんなと同じスタートラインに立ってないです。だからまずは、みんなの後ろからスタートラインへ前進する必要があります。その際、すでに前にいる人たちに、「後ろから前進中でございます」「そこを目指しております」とお知らせするために、「LGBTフレンドリー」と言ったり虹色の旗(レインボーフラッグ)を見せたりします。
アメリカの住宅街の様子。
歩みと呪い
この(後ろからみんなのところへむかう)歩みや応援を、振り返って目撃し、「わたしは自力なのにあいつらは進ませてもらってる」、と勘違いして混乱する人もいます。また、この前進を何かと勘違いして「攻撃」ととらえる人もいます。個人的にピンときた嫌な思い出やトラウマを現実に投影してしまい、できあがった自作自演のシーンで他人を一括批判する。わざとやってる人もいますが、たいていは、なにかが悔しくて悲しくて、たぶん自分でも苦しみながら、うっかりやっています。
報われないフラストレーションが放置されて、ストレスとなって心にこびりつき、やがて誰か(じぶん含む)を攻撃する糧として機能する現象を、「呪い」とよびます(私は)。LGBTというものを嫌う人の中にも外にも、それは存在しえます。あと、トランスジェンダー(LGBT)に関してですが、たとえば大芸人の友近は、男になりたくて西尾一男をやっているわけではない。そこは見ててなんとなくわかりますよね…? そこがわかれば、あともきっとわかる気がします。
西尾一男の動画。「笑うと、なぜ幸せになるか」を説明している。