世界ごはんたべ記#41 イスラエルのハンバーガー屋「モーセ」

「世界ごはんたべ記」のせつめい

「世界ごはんたべ記」は、ライターのがぅちゃんによる外食の記録です。どんなお店で何を食べたか、どんなことを感じたか……などなど、じゆうに書いています。

海外ぐらしが長いので、異国のお店はひんぱんに登場します。とはいえ「世界」と名乗っている手前、母国のお店も発表していかねばなぁと思っています(……か?)。



前回の記事「#40 イスラエルのハンバーガー屋/ビトリーナ・リリ」はこちら。「世界ごはんたべ記」の記事一覧はこちら

モーセとは

モーセの入り口。

「モーセ/Moses」は、イスラエルのハンバーガーチェーンだ。国内に7店舗ある(2021年5月時点)。イスラエルの東京「テルアビブ」を中心に展開してるので、テルアビブで暮らしてる人からすると「またみつけた」みたいな感覚がある。体感では、各町内にありそうなくらい、存在感がつよい。

テルアビブのメインストリート「ロスチャイルド通り」にある、モーセの広告。

モーセといえば、一般的には、海を割ったことで知られる聖人のほうで有名だと思う。「モーゼ」「モーゼス」「モーセス」とか、呼び方はいろいろある。日本にある「モーゼスさんのケバブ」のモーゼスも、いちおうモーセだ。イスラエルのモーゼスさんにも、ケバブはある。(後述)

海を割り、仲間を逃すモーセ。「出エジプト記/Exodus」より。Image:CC0

モーセの雰囲気

モーセの外観。

ケバブなどのイスラエルの定番料理もある、ハンバーガーチェーン。老若男女、LGBT、みんな行きやすい、イスラエル(人向け)の都会のファミレス。ひとことで言えば、「ハードロックカフェ」みたいな感じだ。でも、アメリカ料理がうりのお店というわけではなさそう。

店内の雰囲気。

モーセにはたぶん、10回は行った。とくに、モーセの旗艦店(だと思ってる)、ロスチャイルド店によく行った。私とアメリカ人パートナーの間には「迷ったらモーセ」という文化があった。迷みが多い我々なので、よく行ったな〜。なお、週末のに悩んだ場合、行き先は自動的に「ベネディクト」となる。

のびのびしててイイ感じ。

20〜30代のアーバンなカップルがディナーしてるような、ムーディーでクールなイメージ。という印象ではあるものの、実際には、おじいちゃんやおばあちゃんに連れられてきた孫たちがテーブルでわちゃわちゃやってる光景も見た。というか、家族連れが多い。これをファミレスと言わずして何と呼ぶのか。

モーセのメニュー

英語メニュー。

「イスラエル人のためにアメリカナイズされた」という、やや複雑な状態になっている。もうすこし丁寧にいえば、「イスラエル人が理解できる、イケてるアメリカ料理が揃ってる」という感じ。「フィリーチーズステーキ」とか「味噌サーモン」とかある。日本の居酒屋に「おでん」と「チキン南蛮」がある、みたいな感じだ。

バーガーメニュー。

アメリカンレストランなのかなと思いきや、「ケバブ」とか「フライドカリフラワー」とか「シュニッツェル」とかも押さえてるから、根っこがイスラエルだと感じる。アメリカ人がこのメニューをみたら、「中東料理? 地中海料理? ドイツ料理? なんかイケてる」となるかもしれない。

「ザ・アメイジング・メニュー」。

(リアル)モーゼスさんのケバブ

モーセ(モーゼ、モーゼス、モーセス/Moses)の、ケバブ。

イスラエルのレストランのケバブの典型的な姿だ。ひとことで言えばミートボール。日本ではハンバーグと呼ぶのかもしれない。肉には、タマネギ、パセリ、スパイスなど含まれている。添えられてるイタリアンパセリのたたずまいが、ぐぅのねもでないくらいイスラエルだ。中東のゴマのソース「タヒーニ」つき。

関連記事:イスラエルの定番ケバブ3種類と12品の解説

フライドカリフラワー

1020円(34シェケル)。

これにもタヒーニがついてきた。赤い「トマトクリームソース」が、ちょっとヨソ行きな態度。ところでカリフラワーは、イスラエルで最もよく食べられる野菜だと思う。カリフラワーのアイテムが無いお店は、ほぼ無い。「揚げ」と「焼き」が定番。テルアビブの名物グルメも「カリフラワーロースト」だし。

カリフラワーロースト。@ミズノン/テルアビブ(詳細記事)

カリフラワーのピュレ(左奥)。@ウリブリ/アッコ(詳細記事)

カリフラワーのクスクス(魚の切り身の下)。@ブルット/テルアビブ(詳細記事)

チキン・シュニッツェル

1770円(59シェケル)。

「シュニッツェル/Schnitzel」は、ドイツやオーストリアの肉料理だが、イスラエルでも定番。どれくらい定番かと言うと、「日本の居酒屋の唐揚げ」くらい定番だ。でもイスラエルのシュニッツェルの定義はざっくりなので、肉をパン粉で揚げたら、ぜんぶシュニッツェルになる。日本のチキンカツみたいなもんだ(というか同じ)。

ハンバーガー

「THE ARTBURGER」。1950円(65シェケル)。

サラダ付き。

ポテトも付いてる。

モーセはいちおうハンバーガー屋なので、やはりハンバーガーに凝っている。時に、スペシャルバーガーも爆誕する。ソウルフードの「サビーフ」を彷彿とさせる焼きナスとゆで卵の「エルサレム(バーガー)」とか、テリヤキとわさびマヨの「ビッグ・イン・ジャパン」とか、興味深い変わり種にも出会った(たべてないけど)。

アートバーガーの断面図。肉がえらく赤い。(ミディアムレアで頼んだ) 

推しメニューの「アートバーガー/THE ARTBURGER」をたべた。「ラム」「ビーフ」「パプリカ風味のケチャップ」が含まれる。ガラムマサラ系の味もした。ほぼ、ラムケバブのハンバーガー。自由に説明すると、カレー粉で和えたユッケにジンギスカンとケチャップをかけたような味だった。

中東のユッケ「クッベナイエ/Kibbeh Nayyeh」を思い出した。@マグダレナ/ガリラヤ

モーセくん

モーセくん(仮)。

テルアビブではよく、モーセくんのステッカーが電信柱とかに貼られてたりする。そのせいで、モーセの店舗がそこらじゅうにある印象だった。「モーセは知らんがモーセくんは見たことある」という人、まぁまぁいると思う。お店ではもう、モーセくんがブイブイいわしてた。

モーセくんのソース。(右から、BBQ、マヨネーズ、マンゴー)

モーセくんのナプキン。

モーセくんの使い捨ておしぼり。

ほんまもんのモーセくん。フィリップ・ド・シャンパーニュ作。Image:CC0

ほんまもんのモーセくん。ミケランジェロ作。Photo by Pvasiliadis

ほんまもんのモーセくん。エフライム・モーシェ・リリエン作。Image:CC0

ほんまもんのモーセくん。Image:CC0

そんなモーセをオマージュしたのが、宇多田ヒカル(Utada)の「Exodus ’04」。

モーセ(ロスチャイルド店)の住所:Rothschild Blvd 35, Tel Aviv-Yafo, Israel

出演-おしながき-

モーセ/Moses
ラムケバブ/Lamb kebab/64 ILS(1920円)
フライド・カリフラワー/Cauliflower/34 ILS(1020円)
チキン・シュニッツェル/Chicken breast schnitzel/59 ILS(1770円)
ハンバーガー/THE ARTBURGER/65 ILS(1950円)

お店のHP

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