イスラエルのテルアビブに住んでいます、がぅちゃんです。
テルアビブで信号を待つ女性
イスラエルで「国の象徴/National Symbol」と考えられている8つについて紹介します。モノ、生き物、食べ物、様々です。ウィキペディアの「List of national symbols of Israel」がわかりやすかったので参考にしています。それらのシンボルがイスラエルで実際にどう使われるかなども紹介しています。
イスラエルのシンボル8つ
1 イスラエル国旗
2 メノーラーがデザインされた国章
3 国歌のハティクバ
4 ナショナルカラーの青と白
5 国鳥のヤツガシラ
6 国花のアネモネ
7 国樹のオリーブ
8 国犬のカナン・ドッグ
1 イスラエル国旗
イスラエルの国旗
白地に青が印象的なイスラエルの国旗ですが、青い2本の線は「タッリート/Tallit」というユダヤ教徒の衣服がモチーフとされています。中央にある六芒星は「ダビデの星/Star of David/Magen David」と呼ばれており、現代ではユダヤ教のシンボルとしても考えられています。イスラエルでは、あらゆる場所でこの国旗を見かけます。
タッリート。ユダヤ教徒の男性が礼拝するときに羽織る。Photo by Mushki Brichta
テルアビブのビーチにある国旗。
エイラートの砂漠にある国旗。
テルアビブの住宅地に国旗。
2 メノーラーがデザインされた国章
イスラエルの国章
メノーラー (menorah)はユダヤ教の重要アイテムで、7つに枝分かれしたロウソク立てです。国章の中央に描かれているものです。メノーラーの両脇にはオリーブの葉が描かれていて、オリーブはヘブライ語聖書にも登場する7種類の農産物のひとつです。国章は国旗と違って街中であまり見かけませんが、メノーラーはよく見かけます。
エルサレムの旧市街の土産屋で売られる、量産型のメノーラー。
テルアビブのパン屋に飾られた、8つに枝分かれしたメノーラー。これは厳密には、ハヌカー(Hanukkah)という期間に飾られる特別なメノーラーで、ハヌッキーヤー(Hanukia)という名前。
そんなハヌッキーヤーに火を灯すドラァグクイーン(女装したパフォーマー)。テルアビブの音楽バー「Desire」にて。
3 国歌のハティクバ
イスラエル国家「ハティクヴァ」の合唱バージョン
ハティクバ、ハティクヴァ、などと日本語で表記されます。英語では「Hatikvah」、ヘブライ語では「התקווה」と綴り、希望という意味があります。ハティクバの歌詞は、ゾーロチウ出身(Zolochiv/現在のウクライナ)のナフタリ・ヘルツ・インベル(Naftali Herz Imber)という詩人のポエムから採択されたとされています。
ナフタリ・ヘルツ・インベル(1856〜1909)。 Photo by ????
ハティクヴァの元になった、ナフタリ・ヘルツ・インベル直筆のポエム。
4 ナショナルカラーの青と白
青くライトアップされた夜のエルサレム。左のライトはメノーラーの形になっている。
イスラエルのナショナルカラーに関しては、海外ZINEの記事:ユダヤは青色、テルアビブは白でエルサレムは金!イスラエルの色ルールで詳しく紹介しています。
5 国鳥のヤツガシラ
ヤツガシラ Photo by Luc Viatour
頭部の冠羽が8つに分かれていることから「八頭=ヤツガシラ」呼ばれるそうですが、英語では「Hoopoe」と呼びます。 イスラエルだけでなく、アフロ・ユーラシア大陸(アフリカ大陸とユーラシア大陸を合わせた大陸)に生息しています。 私はイスラエルに2年住んでいますが、まだ見た事がありません。 ただし灰色のハトは多いです。
テルアビブの噴水でじゃれるハト。
テルアビブのビーチに集まるハト。
空にはツバメらしき鳥の群れも。(たまにインコも飛んでる)
余談ですが、ヤツガシラがイスラエルの国鳥になったのは2008年のイスラエル建国60周年記念の時で、当時イスラエルの首相だったシモン・ペレス(Shimon Peres)によって宣言されたそうです。アラビアヒヨドリ(White-spectacled bulbul)と接戦だったそうです。
アラビアヒヨドリ Photo by محمد الفلسطيني
6 国花のアネモネ
アネモネ Photo by Aviad2001
英語では「Anemone coronaria」と表記され、地中海盆地(Mediterranean Basin)が原産といわれています。 花言葉を調べてみると、 「はかない恋」とか「見捨てられた」とか、苦しい感じが多かったです。ちなみに、イスラエルの国家=シクラメン説もあります。ただし実際には、ハイビスカスのような花をよく見かける気がします。
ハイビスカスのような花
7 国樹のオリーブ
イスラエルによくあるオリーブの木
(2の)国章にも描かれていたり、ヘブライ語聖書の7食材のひとつだったりと、オリーブはとにかく目立っている印象です。現在のイスラエルでもオリーブは本当によく食べられます。オリーブオイルをドレッシングのようにかけたりしますし、オリーブのピクルス、オリーブのペーストなどもあります。オリーブ自体がイスラエルの定番料理といっていいくらい人気です。
木に実ったオリーブ。
テルアビブのカルメル市場で売られる、オリーブのピクルス。
オリーブのペースト。パンにつけるバターと一緒に提供される。エルサレムのルーフトップレストラン「Notre Dame Rooftop Wine & Cheese」にて。
8 国犬のカナン・ドッグ
カナーン・ドッグ Photo by Alexandra Baranova
カナン(Canaan)はイスラエルに関する頻出フレーズで、ヘブライ語聖書に記された「約束の地/the Promised Land」を意味します。地名として認識されていて、他にも「the Land of Israel」「the Land of Canaan」「the Holy Land」などの呼び方があります。
カナンがどこを含むかの定義には、ヘブライ語聖書のどの部分を引用するかによってズレがある。Photo by Emmanuelm
肝心のカナン・ドッグですが、こちらは「Canaan Dog」と呼ばれており、 別名を「Bedouin Sheepdog」と言い、ヨーロッパや北アメリカを中心に現在3000体ほど存在しているそうです。 イスラエルで「これがカナン・ドッグだ!」と見せられたことはないですが、日本よりはペットを飼いやすい(受け入れられている)環境が目立つように思います。
犬の散歩風景。テルアビブにて。
レストランに犬が入れるのも珍しくない。テルアビブの日本食レストラン「ディスコ東京」にて。
「飲食店にネコ」もよくある光景。店員さんとじゃれていることもしばしば。
イスラエルのシンボルは他にもある
イスラエルのシンボル8つのまとめ
1 イスラエル国旗
2 メノーラーがデザインされた国章
3 国歌のハティクバ
4 ナショナルカラーの青と白
5 国鳥のヤツガシラ
6 国花のアネモネ
7 国樹のオリーブ
8 国犬のカナン・ドッグ
イスラエルのシンボルのコラージュ。(カナンドッグ。ヤツガシラ、アネモネ、ナフタリ・ヘルツ・インベルの画像のクレジットは記事内に表記)
イスラエルの象徴を8つ紹介しましたが、他にも国獣のガゼル(Israeli Gazelle)とか、国技まではいかないけれどバスケットボールやサッカーが盛ん、などあります。
また、1〜8のなかでも、国鳥のヤツガシラ(5)、国花のアネモネ(6)、国犬のカナン・ドッグ(8)に関しては、イスラエル人が「確かに!」と即答できるかは不明です。
逆に、イスラエル国旗、メノーラー、オリーブは日常的に見かけるので、あって当たり前な存在という感じです。これらは名実ともにイスラエルの国の象徴と言えるのではないでしょうか。
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