無名なのは貴様だ。というのをまずは差し置き、日本で無名の飲食店についてレポートする。知られざる名店です(か?)
前回のお店→【#3 アメリカのスピンドラーズ】
ヴァルズレストランとは
ヴァルズレストランのエントランス。
「ヴァルズレストラン/Val’s Restaurant」は、アメリカ料理を提供するファミリーレストランだ。ハーバード大学があるマサチューセッツ州にある、ホールデンという町にある。観光客はわざわざ行かない町だと思う。京都で無理矢理たとえると、亀岡となる(知らんがな)。
ヴァルズレストランは、ホールデンや隣町の住人にとっては、特別な日の外食候補地として白羽の矢がたつ飲食店らしい。友人の家族会議(15人くらい)の晩餐会の会場に指定されており、なぜか私も行くことになった。予約をした友人は、「ヴァルと直でしゃべった」と、座席確保の旨をグループに告げていた。
ちなみに「ヴァルズレストラン/Val’s Restaurant」を直訳すると「ヴァル(さん)のレストラン」になる。「〜の/〜’s」は、アメリカのレストランによくある名称だ。ちなみにちなみに、あのマクド(ナルド)も「マクドナルドの/McDonald’s」という意味だ。
ヴァルズレストランの雰囲気
これが狭い方の部屋だった。
とにかく広い。ホテルかと思った。大小様々な部屋があり、迷える。さすがは周辺住人のアテンションを一気に集めてるだけある。店内にはシーフードの気配が強い美味しい香りがただよい、クラシックのピアノの音が流れていた。音だけなら、千原ジュニアのトークに出てくる福知山の焼肉屋と同じだ。
ヴァルズレストランのメニュー
紙。
アメリカの老若男女が満足するアメリカの定番料理が揃っている。サラダ、スープ、サンドイッチ、肉、魚etc。日本人がやよい軒の食品サンプルを見た時の化学反応が、メニューを読んだ時のアメリカ人の脳内で発生している、と予想する。私はやよい軒を思い出した。大戸屋でもよかったが、京都では前者にお世話になったのでね。
揚げラビオリ
よそ様のご家族に紛れてグループで来店していたので、自分の把握できない角度から急に前菜など流れてくる。「揚げラビオリ!」と言ってパスされた。ノールックで食らいついた。ついでに隣の人の皿に、ナイフで弾くようにしてパスしてあげた。カニが入ってないカニクリームコロッケのような味で美味しかった。
サラダ
お手本みたいなアメリカのサラダだ。誰も何も指定せず登場するサラダ、これを私は「野生のサラダ」と読んでいるのだけど、野生のサラダに現地の食のセンスは宿ると考えてる。キュウリ、レタス、ニンジン、紫キャベツ、紫玉ねぎ、オリーブ、ミニトマト。ソースはクリーム系の「ランチ/Ranch」。
ポークシュニッツェル
2198円/19.99ドル。大きなナイフが入ってる。
「シュニッツェル/Schnitzel」は、薄く伸ばした肉をパン粉で揚げた、オーストリア発祥の料理。ドイツやイスラエルでも国民食クラスの料理。奇しくも私はドイツとイスラエルで暮らしたことがあるので、調査のメスが入るのは時間の問題だった。
シュニッツェルを誰かに説明する時、私はいつもこう言っている。鶏肉なら「チキンカツ」。豚肉なら「トンカツ」。トンカツなら、トンカツとどう違うのかという思考が醍醐味となる。トンカツだけどトンカツじゃないよね。みたいな。
でも今回は完全にトンカツだった。イスラエルでもドイツでもこれはありえない。今回は、というか、初めて本物のシュニッツェルのトンカツを食べた。もう自分でも何を言ってるかわからない、きっとバカ言ってる。
トンカツ。
フライドポテト。
トンカツが3枚と、フライドポテトが散らばっていた。マッシュルームとホウレンソウのソテーに、トンカツソースのようなソースがかかっている。ウスターソースと視た。偶然だけど、このお店はウスター郡(日本でいう市)という地域に属する。
ウスター
余談だが、ウスターソースは、イギリスのウスターという町が発祥と言われている。そのウスターにちなんだのが、マサチューセッツのウスター。そんなウスターに属するホールデンにあるレストランでウスターソースのトンカツを食べるということ、なんだかすごくオイシイ気がした。
ごちそうさまでした。
御ま品と書め
ヴァルズレストラン/Val’s Restaurant
揚げラビオリ/Toasted Ravioli/1098円(9.99 USD)
ポークシュニッツェル/Pork Schnitzel/2198円(19.99 USD)
ヴァルズレストランのHP
ヴァルズレストランの住所:75 Reservoir St, Holden, MA 01520