世界ごはんたべ記#80 東京の深川めし専門店「深川宿・本店」

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「世界ごはんたべ記」の講釈

「世界ごはんたべ記」は、ライターのがぅちゃんの外食の記録です。なんの店でなにを食べたかを報告しています。「世界」と名乗っている手前、異国のお店も母国のお店も登場します。



前回のエピソード「#79 京都の干物レストラン/ヒモノ照ラス」はこちらです。「世界ごはんたべ記」の記事一覧はこちらです

そもそも「深川めし」とは

深川めし。

「深川めし」は「貝の炊き込みご飯」のことだ。「日本五大銘飯」とか「農林水産省郷土料理100選」とかにも選ばれた、由緒正しい日本の郷土料理らしい。「貝の炊き込みご飯」自体は日本各地に存在するらしいが、東京の深川という地域のものが代表格とされている。故に「深川めし」。

これも深川めし。

深川めしにはバリエーションがあり、味噌で煮込んだ貝を米にかけたものもある。穴子がまぎれたりまぎれなかったり、とかするらしい。なんにせよ、「貝と米」が主人公の料理だ。主人公以外が自由な感じ、台湾料理の「魯肉飯/ルーローハン」にも似ている。

深川めしは漁師や大工の料理

深川めしのルーツは、江戸時代の漁師の生活に関係しているとされる。当時の深川には漁師町があったそうで、漁師がさっさと食事するために作った「貝の味噌汁(味噌煮)のぶっかけご飯」が、深川めしの始まりのようだ(当時の深川ではバカガイがばかみたいに獲れたらしい)。

獲れたての貝との距離が漁師さんよりは遠かった大工さんは、貝と米を炊き込みご飯にして、弁当にして持ってったらしい。ぶっかけご飯と炊き込みご飯の差がここで生まれる。なんとなく、桃太郎のじいさんとばあさんの活動内容の違いがよぎる(彼らのランチは何だったのだろう)。

深川宿とは

深川宿のエントランス。

そんな深川めしを提供する飲食店のなかで、最も知名度が高いのが「深川宿/ふかがわじゅく」だ。東京(および日本国内)に2店舗あり、清澄白河(きよすみしらかわ)に本店がある。今回は本店のほうに行った。東京メトロの公式チャンネルで石原さとみが食べてないほうの店舗だ。

東京メトロの公式チャンネルで深川めしを食べる石原さとみ。@富岡八幡店

深川宿の雰囲気

店内の様子。

「東京の郷土料理のお店」という期待の芯を食っているような世界観が展開していた。貝と炊き込みご飯の匂いが漂う空間に、芸人のコウメ太夫がくちずさんでいるメロディ(の本物のやつ)が流れている。でもべつにおおげさな雰囲気は無く、「あくまでもふつうの日本の食堂」という空気なのが絶妙だった。

目の前に囲炉裏があった。

深川宿のある江東区の民俗芸能「木場の角乗り」を描いた絵画。

深川宿・本店のメニュー

メニュー。

メニューのアイテムは3つと、ミニマルだ。「深川めし」「浜松風」「辰巳(たつみ)好み」の3つ。「深川めし」は「あさりの味噌煮のぶっかけご飯」。「浜松風」は「あさりの炊き込みご飯」。「辰巳好み」は「これら2つのミックス」…と、店員さんが(こちらから聞くまでもなく)説明してくれた。

ほかにもお土産や単品もあるようで、「あさりの串焼き/660円」などあった。そいつのビジュアルは写真を見る限りでは最も私好みだったが、まずはメインを制覇したかったので「辰巳好み」にしておいた。「私どっちも食べちゃお、欲張りだからっ」と、対岸に着席したマダムも言っていたので、辰巳のセンスで間違いないのだろう。

お店の外では、拡張とカスタマイズがメニューに施されていた。

辰巳好み

これが辰巳好み。私好みでもある。

2種類の「深川めし」、「すまし汁」、「野菜の煮物」、「漬物」、「白玉と黒胡麻ペースト」が、お盆に乗ってやってきた。これにあと、デザートのくずきりもついてくる。合計2365円。ポケモンを一色で選ばされていた私からすると、夢のような内容だ(でもなんだかんだスピンオフ的なピカチュウバージョンが好み/知らんがな)。

ぶっかけのほうの深川めし

「あさりを食べる」という行為を、脳が確実に咀嚼している。こ・れ・が・あ・さ・り・で・す、と。「あさりの」というのがすごくわかる。石原さとみがCMで言っていたこと、なるほどだ。はまぐりとぜんぜん違った。

あとは、ネギと海苔と、おそらく赤味噌。味覚がアメリカナイズされてヤヤわんぱくな私は、チーズとか入れても美味しいと思った。

炊き込みのほうの深川めし

べちゃっとしていなくて、ドライめでおいしい。日高屋のチャーハンのようなテクスチャだ。あっちのぶっかけが「あさり!」だったのに対して、こっちは「貝の風味の、米!」という感じ。米料理としてうまい。

ネギのかわりに乾燥パセリのようなハーブがふりかかっていた。同じ深川めしなのに、ほぼ違う料理でおもしろい。パセリのバイブスだけで言うと、東京の神田にあるパレスチナ料理屋のファラフェルにさえ似ていた。

つけあわせ

煮物。

漬物のきゅうり。

つけあわせも全て美味しかった。煮物は甘く、漬物はウマミがすごい。キュウリの漬物がチーズのような味がして、めちゃめちゃ好みだった。

デザートの「くず切り」もついてくる。

清澄白河

ブルーボトルコーヒー・清澄白河(きよすみしらかわ)店。

深川宿がある清澄白河(きよすみしらかわ)には、かの有名な「ブルーボトルコーヒー」の日本一号店もある。ブルーボトルコーヒーは、アメリカ発祥のカフェチェーンで、品質重視でやってることで有名だ(たしかそれがサードウェーブ)。

ブルーボトルコーヒーが深川宿とおなじテリトリーに存在していることが体感ではかなり疑われたけれど、やはり実在した。江戸とTOKYOがリンクした感じで、今な感じがした。アップル社とグーグル社にもお礼を言いたい。

東京のあさりをコロンビアのコーヒーで流しこむ形となった。

今回のおしながき

深川宿・本店
辰巳好み/2365円

深川宿・本店のHP

深川宿・本店の住所:東京都江東区三好1丁目6−7

次のエピソード「#81 東京のどじょう料理屋/駒形どぜう・浅草本店」

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