「世界ごはんたべ記」の講釈
「世界ごはんたべ記」は、ライターのがぅちゃんの外食の記録です。どこのお店でなにを食べたかを報告しています。「世界」と名乗っている手前、異国のお店も母国のお店も登場します。
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前回のエピソード「#83 東京のイスラエル料理屋/タイーム」はこちらです。「世界ごはんたべ記」の記事一覧はこちらです。
シャマイムとは
シャマイムの外観。
「シャマイム/SHAMAIM」は、東京で有名なイスラエル料理屋だ。つまり日本で有名なイスラエル料理屋でもある。新宿の左上の「江古田/えこだ」という場所にある。
「120%イスラエル料理屋」としてやりきっているイスラエル料理屋は、東京では、シャマイムと恵比寿の「タイーム」だけかもしれない。いちおう「イスラエル料理」としてカウントされているお店は東京に6件ほどあるようだ。
シャマイムの雰囲気
シャマイムの外観。
シャマイムは商店街の中にあって、風情がある。お店の真となりに生姜焼き定食専門店があるので(それはそれで気になる)、シャマイムから生姜焼きの匂いがしているのかと勘違いしてしまった。おもしろい。
階段から2Fへあがって入店する。階段には、これまでシャマイムを取材した雑誌の記事などが並んでいて、殿堂入り(ホールオブフェーム)してる感じだった。ゲームボーイ時代のポケモンで四天王を倒したあとの気分での入店となる。
階段の雰囲気。
店内の様子。
店内にイスラエル関係のインテリアがあるというのは、イスラエル料理屋としてべつに珍しくはない。でもフォークダンス*やクラウマガ*の張り紙などがあり、はっとした。カルチャーセンターみがある。シャマイムは、イスラエルの文化の発信地としても機能しているようだ。
*フォークダンス
フォークダンス教室の張り紙。
フォークダンスで世界的に有名な楽曲「マイム・マイム」は、イスラエルの公用語・ヘブライ語の曲。ヘブライ語で「マイム/מים」は「水」。「土地を開拓するユダヤ人の移民が水を汲んで喜ぶ」のような表現をしているとされる。現在のイスラエルの都会にも、週末にはフォークダンスを踊る集団が現れたりする。
イスラエルの東京・テルアビブの路上でフォークダンスする人々。
このフォークダンスは毎週開催されている。(テルアビブでは有名だ)
*クラウマガ
クラウマガ教室の張り紙。
「クラウマガ/Krav Maga」はイスラエルの格闘技(本来は護身術)。日本でいう空手や柔道のようなもの。創始者はハンガリー人。(イスラエルは東欧出身のユダヤ人が作った国だ)
シャマイムのメニュー
テイクアウトメニュー。(1/7)
ベジタリアンメニュー。(2/7)
肉メニュー。(3/7)
一品メニュー。(4/7)
食べ放題メニュー。(5/7)
ドリンクメニュー。(6/7)
デザートメニュー。(7/7)
シャマイムのメニューには、イスラエルの定番料理が揃っている。ちまたで「イスラエル料理」と言われている料理は一通り網羅できるような内容だ。「イスラエル料理かもしれない中東料理や地中海料理」ではなくて、「イスラエル人がキュレーションした、母国の定番料理」となっている。
イスラエルでは超王道の、ひよこ豆のコロッケ「ファラフェル」と、ひよこ豆のディップ「フムス」は、目立つ形で掲載されていた。セットもあった。
フムスセット+ファラフェル
右下がファラフェル。その上の白い皿がフムス。
フムスとファラフェルは、日本でいう「米と味噌汁」くらい基礎であり奥義な料理だと私は思っている。なので注文した。フムスセットには、フムス、サラダ、ピタパン、オリーブのピクルス、スクッグ(コリアンダーとニンニクのチリペースト)が含まれる。
今回は、「フムスセット」に単品の「ファラフェル」を合流させる形でのオーダーとなった。べつに「ファラフェルセット」に単品の「フムス」でもよかった。(びっくりドンキーでチーズハンバーグに目玉焼きをトッピングするか、目玉焼きハンバーグにチーズをトッピングするか、のようなことだ。)
でも一応、シャマイムのファラフェルはセットだと6個で単品だと4個なので、すこし頭を使う必要があった。
(横構図で)
サラダ
サラダにはキュウリとトマトとレタスが、イスラエルらしくオリーブオイルで合えられていた。でも食べてみると「日本の家庭のオリーブオイルのサラダ」という感じもある。これはイスラエルでは食べられないし、日本のめし屋にも、多分ない。ここにしかないから尊い。
フムス
フムスはひよこ豆のペーストだ。一般的な材料は、ひよこ豆、タヒーニ(中東のごまペースト)、ニンニク、レモン汁、水etc。シャマイムのフムスにはタヒーニが多めに含まれたクリーミーなテクスチャで、好みだった。一般的なフムスには含まれているニンニクやレモン汁の風味はかなり控えめと感じた。やさしい。
イスラエルの料理には、なにかとレモンが含まれる。だからシトラス系の酸味が苦手な人は食べづらいかもしれない、という懸念がある(私の中に)。でもシャマイムでは、その心配がなさそうだった。逆に、レモンがどうしても食べたいという人は、物足りないと感じる可能性はある。なんにせよ美味しいの範疇だけども。
調味料のスクッグが、ニンニクなどの苦味が強くて、シブくて最高だった。
ファラフェル
イスラエルの王道のファラフェルだった。コリアンダーとひよこ豆の風味が、しっかりめにする。塩分はひかえめだ。クミンが強くないので「カレー」という感じがなく、「イスラエル」という感じだった。(ファラフェルには一般的に、ひよこ豆、クミン、コリアンダー、イタリアンパセリ、ニンニク、タマネギ、など含まれる。)
割ると鮮やかな黄緑色。イスラエルでもこんな感じだ。
シャマイム-שמים-
ミズラヒ音楽のベテラン歌手「イヤル・ゴラン/Eyal Golan」。
シャマイムに入店した時、ヘブライ語の(おそらく)ミズラヒ音楽がかかっていて、脳が完全にイスラエルにログインした。でもメニューを眺めてたら、急に清春(きよはる)が店内で「忘却の空」を歌い出したので、脳が池袋経由で江古田のシャマイム-שמים-に舞い戻った。(「忘却の空」は、池袋を舞台にしたテレビドラマ「IWGP」の主題歌だ。)
ちなみに「シャマイム/שמים」は、「空」を意味する。
今回のおしながき
シャマイム
フムスセット/1100円
ファラフェル/550円
シャマイムのHP
シャマイムの住所:東京都練馬区栄町4-11 TMビル2F