イギリス人の友達と京都で遊んでいた。南にある家具屋「ファニチャーエキサイト宇治店」から北へ上がる帰り道、お腹がすいたので晩ごはんを食べることにした。大好きな映画「ジョン・ウィック」に出てきそうないかつい居酒屋が気になっていたがぅちゃんはそこを推してみたけれど、「怖そう」ということで断られていた(この店を断られたのはこれで2回目らしい)。イギリス人の友達は「高そう」とも言っていた。日本の物価は安いんだぞ、というネイティブのがぅちゃんによる説得も虚しかった。こうしてがぅちゃんは、京都の河原町三条にある回転寿司チェーン「寿しのむさし 三条本店」に連れていかれる。
寿しのむさし 三条本店。
寿しのむさし 三条本店といえば、学童保育の遠足で「劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲」を見たあとに連れていかれた寿司屋…というか、初めてお寿司を食べた場所…とかなんとか、がぅちゃんは語っていた。イギリス人の友達は、「はー?」「ポケモンの映画ー?」と、聞いているようで聞いていない。がぅちゃんは、「オリジナルでもクローンでも今そこにある命は真実っていう…」などと、ポケモンの映画のメッセージを届けつづけていた。会話はあまり成立しておらず、なんだかんだと聞かれたら答えてあげるが世の情け、とかわけのわからないことも言っていた。
劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲。
常連であるイギリス人の友達が着席した瞬間、目の前をカリフォルニアロールが駆け抜けた。時代は変わったと感じる。メニューも英語つきだった。英語の国のイギリスがこしらえたアメリカがこしらえた料理が本家として日本に上陸している。イギリス人の友達を前にして、国力も一周まわっていた。そんなとき日本人は、イギリスのものを日本のものとしてイギリスで発表できたことがあるだろうか。多分そんなことできるのはキティちゃんくらいだ。などと、くるくるまわり続ける良心価格のお寿司を見送りながら考えていたら、イギリス人の友達がいよいよセルフ緑茶を作りだした。雑用はプロにまかせて、がぅちゃんはいよいよお寿司を襲いはじめた。
カリフォルニアロール。
鴨のお寿司。
ハモの天ぷらのお寿司。
バッテラ(サバのお寿司)。
ゆばのお寿司。
カリフォルニアロールに気を取られていたけれど、京都グルメのお寿司を堪能できて最高だった。そして美味しい。2人でなんだかんだ8000円ぶんくらい食べてしまった。値段だけで言えば、さっき断られたいかつい居酒屋より、明らかにいかつい。そしてがぅちゃんは悟った。ごはんは旅のようだと。高かろうが安かろうが、行かない人はたぶん行かない。
寿しのむさし 三条本店 | 京都市中京区河原町三条上ル恵比須町440