「世界ごはんたべ記」のせつめい
「世界ごはんたべ記」は、ライターのがぅちゃんによる外食の記録です。どんなお店で何を食べたか、どんなことを感じたか……などなど、じゆうに書いています。
海外ぐらしが長いので、異国のお店はひんぱんに登場します。とはいえ「世界」と名乗っている手前、母国のお店も発表していかねばなぁと思っています(……か?)。
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前回の記事「#44 イスラエルのハンバーガー屋/アメリカバーガーズ」はこちら。「世界ごはんたべ記」の記事一覧はこちら。
BGRとは
BGRの外観。
「BGR」は、アメリカの東海岸(と、なぜかクウェート)で展開している、アメリカのハンバーガーチェーン。本名は「BGR The Burger Joint」。「BGR」は、「Burgers Grilled Right/ちゃんと焼かれたバーガー」を意味する。「焼き」にこだわっている(というかそれで差別化をはかっている)ハンバーガーチェーンと言われている。
銭湯かッ pic.twitter.com/LTr4Ws3BVF
— がぅちゃん🏳️🌈🇬🇧🇨🇦🇩🇪🇮🇱🇺🇸 (@panda_no_blog) May 6, 2021
アメリカにおけるハンバーガー屋は日本のラーメン屋みたいなもので、けっこうそこらじゅうにある。マクドがサイゼだとしたら、BGRはカプリチョーザみたいな感じだ(ラーメンで例えんかい)。きょうびの主流の、クオリティ重視のカジュアルレストラン(いわゆるファストカジュアル)の、ハンバーガーチェーンだ。
カジュアルレストランの典型例が「シェイクシャック」。(写真は京都店)
BGRはアメリカの首都の「ワシントンD.C.」らへんに特に多いので、このへんに住んでる人なら、「食べたことないけど聞いたことある」という感じかもしれない。そういう意味では、カプリチョーザよりはバーミヤンに近いのかもしれない。「あ〜、あるなぁ、おいしいよなぁ」という感じだ。
ワシントンD.C.のマクドナルド。
床が京都とおなじで懐かしい。
BGRの雰囲気
店内の雰囲気。
扉を開けてまず、いの一番に感じたのは、スモーキーな香り。「火あついあついッ」ってなるくらいの近さでBBQとかしてないと辻褄があわないような匂いがした。さすが、焼きにこだわってるだけある。もくもくと肉の焼かれる香りに包まれる。自分がスモークされてんのかな? そのようなことを、5秒くらい考えた。そして思った。いや、ごめん、くさい。
テーブルに置かれた調味料とペーパータオル。
「くさい」と感じてしまってからは、「火事か? 大丈夫か?」とか不穏なことしか考えられなかった。でも「焼き」にこだわっているという意味では、ぐぅのネもでないほどにコンセプトを貫き通している。本気のビジネスの世界に生半可な気持ちで足を踏み入れた自分を、うしろめたくは思った。じぶんの中の岡島タエ子はうずき、サン姫は「鼻がもげそう」と言ってた。
岡島タエ子は、映画「おもひでぽろぽろ」の主人公。
BGRのメニュー
けっこう近付かないと(つまりオーダー直前になるまで)、読めない。
カウンター横にドーンと掲示されてるメニューを見て、自分の番が来たらオーダーするタイプ。日本の食券販売機とおなじくらい緊張するシステム。怖い。アイテムは「ハンバーガー系」「一品系」「サラダ系」などある。のっけからびびる要素が多いお店だったので、「傑作集」と名乗っている項目より、あせりながらとりいそぎ「トリプル・ディー」をオーダーした。
できあがるまでブルブルと待つ。
ブルブル震えだしたら、カウンターで商品を受け取る。
2番でお待ちのお客様(とかは絶対に言ってくれない)。
トリプル・ディー
9.99ドル(1098円)。
「トリプル・ディー/TRIPLE D」。「卵/Egg」「アップルウッドベーコン/Applewood Bacon」「チェダーチーズ/Cheddar」が含まれる。3つとも頭文字にDは無い。トリプル・ディーは要するに、「ベーコンエッグチーズバーガー」だ。ベーコンと気づけなくなるほどの時を厨房で過ごしたであろうベーコンが、はみ出ている。
ベーコンのテクスチャ。映画「もののけ姫」でサンが口移しした肉を思い出す。
ひとくちでわかる、圧倒的なスモーキーさ。ベーコンは飴みたいにバッキバキだ。店内のスモーキーさは入店後も衰えることを知らなかったので(というか私のせいで激化したので)、トリプル・ディーをかじったことにより、店(と煙)と自分が一体化したように感じた。ワンピースのスモーカー大佐ってこんな感じなのかな、と思った。
チリチーズフライ
4.29ドル(471円)。
「チリチーズフライ/Chili Cheese Fries」は、フライドポテトにチーズと豆入りミートソースをぶっかけたような食べ物で、アメリカの超定番料理だ。「あっさりしていて口直しにちょうどいい」と、いままでとは全く違う美味しさを発見した。「屋台で食べる○○がうまい」とかと似た現象だな、と感じた。
よっぽどのこと
このスモーキーなBGRは、ワシントンD.C.のダウンタウン兼ゲイエリア「デュポンサークル」にある店舗だ。2021年5月時点では、閉店状態となっている。デュポンサークルでハンバーガー屋がつぶれるというのは、よっぽどのことな気がしなくもない。ゲイバーも軒並み休業したそうだ。
デュポンサークルの名物ゲイバーの雰囲気(コロナ前)。
BGRは、マスクを着用して訪れたなら、ちょうどいい感じだったかもしれない。今となってはそう思う。またあの煙に包まれたいな。
BGR・デュポンサークル店の住所:1514 Connecticut Ave NW, Washington, DC 20036, United States
出演-おしながき-
BGR/BGR The Burger Joint
トリプル・ディー/TRIPLE D/9.99 USD(1098円)
チリチーズフライ/Chili Cheese Fries/4.29 USD(471円)
お店のHP