「世界ごはんたべ記」のせつめい
「世界ごはんたべ記」は、ライターのがぅちゃんによる外食の記録です。どんなお店で何を食べたか、どんなことを感じたか……などなど、じゆうに書いています。
海外ぐらしが長いので、異国のお店はひんぱんに登場します。とはいえ「世界」と名乗っている手前、母国のお店も発表していかねばなぁと思っています(……か?)。
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前回の記事「#28 京都のグリルドチーズ専門店/グッドグッド9 」はこちら。「世界ごはんたべ記」の記事一覧はこちら。
スモーブローキッチン・中之島とは
お店の看板。
「スモーブローキッチン・中之島」は、大阪の中之島にある「スモーブロー」の専門店だ。「スモーブロー/Smørrebrød」はデンマークのオープンサンドイッチで、パンの上に具をのせた料理。スペイン料理でいう「ピンチョス」、日本料理でいう「寿司」、みたいなことだ。スモーブローは「デンマークの伝統料理」だけど、「北欧料理」とも言われてる。
スモーブローキッチン・中之島の、スモーブロー。
スペインのピンチョス。@Txapela/バルセロナ
スモーブローの特徴である「黒めのライ麦パンにバターを塗って具を乗せて食べる」は、北欧では一般的な食べ方と言われている。北欧とは、次の5ヵ国:デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、アイスランド(バルト三国やブリテン諸島を含んだりもする)のことだ。このうちの3ヵ国(デンマーク、ノルウェー、スウェーデン)は「スカンジナビア」とも呼ばれる。
アイスランドのスモーブロー「ルブレイス・メザ・レヒタンシールンギ」。(詳細)
アイスランドの温泉。(関連記事)
北欧とは、どこのことか
1:デンマーク、2:ノルウェー、3:スウェーデン、4:フィンランド、5:アイスランド。Original image by Hazhk
まずまずもって、北欧人以外は、北欧というものをざっくり捉えがちだと思う(非アジア人のアジアの見方よろしく)。ノルウェー人の友人いわく、「スウェーデンとデンマークは似てるが、フィンランドは言語の感じが違うから距離を感じる」らしい。「ノルウェーは真面目、デンマークはパリピ」と言ってたスウェーデン人もいた。
デンマークの首都・コペンハーゲンの雰囲気。
コペンハーゲンのゲイプライドの様子。
コペンハーゲンの伝説的スポット「クリスチャニア」。
アイスランドだけ離島なのだが、ノルウェー人の友人いわく、「1000年前のおいらたちみたいな喋り方してる」と、冗談まじりに言っていた。 このあたりは血と時がからみあうセンシティブな話題だと思うので、まにうけずに受け止める。とりあえず、フィンランド以外はみんな(心の)距離が近いと視た(かなりざっくりだが)。
スモーブローはデンマーク料理
スモーブローキッチン・中之島の、スモーブロー。
ノルウェー人の友達は、「スモーブローはスモーブローとして食べてる」と言ってた。「でもスウェーデンではそれをスモーガス(Smörgås)と呼ぶ」とも言ってた。この状態は「中東でみんな食べてるフムス」の感じに似てるが、北欧では「スモーブローはデンマークのもの」と、みんな納得してそうではある。中東のフムスみたいに、発祥をめぐって「俺が! 俺が!」となってない。
イスラエルのイケアの、フムス。
イスラエルのイケアの、フムス売り場。
ファラフェルも売られてる。
イスラエルのイケア。シティポップみがある。
イスラエルのグルメに関する記事:まず名前が挙がるイスラエルの定番料理5つ
ところで、イケアはスウェーデンの会社だ。デンマークではない(念のため)。デンマークはレゴや。それはともかく。スモーブローは北欧料理ではあるけど、もうちょい詰めると、「スカンジナビア料理」といえる。でも確実にデンマーク料理。「デンマークのスモーブローは、他の国のやつより豪華絢爛」と、ノルウェー人の友達は言っていた。なんか当事者っぽいインサイトだ、なるほどだ。
レゴで作った机。(大学の卒業制作)
スモーブローキッチン・中之島の雰囲気
店内の様子。
スモーブローキッチン・中之島は、まず建物が有名だ。重要文化財に指定されている「中之島図書館」の2階にあるからだ。「1904年に開館した由緒正しき建築物」といった、たたずまい。エントランスと本館のホールが特に有名だ。スモーブローキッチンにたどり着くまでに、ちょっと迷う。
建物のエントランス。
エントランスのそばには、スモーブローキッチン・中之島の看板。
風情のある掲示板にも、ポスターが貼られてる。
芸人「里見まさと」のイベント告知と並んでいる。大阪らしくて◎
ホールの雰囲気。
天井のドームが美しい。
エルサレムの聖墳墓(せんふんぼ)教会を思い出す。
「スモーブローキッチン・中之島」へと導く看板。
スモーブローについて説明する看板。
つきあたりに、お店がある。
スモーブローキッチン・中之島のエントランス。
内部の雰囲気は完全に「地域の図書館」という感じなので、こんなところにデンマーク料理屋があるのかしら。と思ってしまう。もちろんあるが。エントランスは「オシャレでかわいいカフェ」みたいなオーラなので、ごりごりのスモーブロー専門店という気配は、あまり感じない。
入店するとすぐショーケース。
小綺麗に並ぶスモーブロー。
工芸品などが売られている。
オリジナルグッズもある。
店内はおおむねレトロ。和インダストリアル。天井が高い。
お水も美しい。
背景には、スカンジナビアの地図がデザインされてた。
スモーブローキッチン・中之島のメニュー
メニューのカバー。
ページをひらくとこんな感じ。
「スモーブロー専門店」というよりも、「スモーブローをメインに取り扱うカフェ」といった感じだ。かわいいパフェとかもある。スモーブローの種類は豊富だが、デンマークのバイブスが強いわけではなさそう。種類はレギュラー9種〜で、570円均一。ディナー時は、がちデンマークのスモーブロー「Stjerneskud/流れ星」も食べられるそうだ。
スモーブローのレギュラーメニュー。美しくて理解しやすい。
ディナーのスモーブロー。(値段は倍ほど)
獣医さんの夜食
570円。
スモーブローの定番の一つ「Dyrlægens natmad/Veterinarian’s midnight snack(=獣医さんの夜食)」。「ローストビーフ」「レバーペースト」「コンソメのジュレ」「タマネギ」「スプラウト」が含まれる。超王道なので、デンマーク度が高い。「獣医さんの夜食」と「流れ星」は、アメリカ料理でいうピザとハンバーガー、イスラエルでいうフムスとファラフェルと視た。
レバーをぬりたくる。
鶏肉とマッシュルーム
570円。
「大山鶏の胸肉」「マッシュルーム」「タイム」が含まれる。オリーブのペーストのようなものも乗っていた。おいしい。とくべつデンマークということではないが、ユニバーサルなおいしさ。なに人でも楽しめると思う。あと、野菜がうまい。タイムがすこぶる香ばしかった。食材の調達にこだわっているというのには納得した。
断面図も美しい。
大満足
ハーフ&ハーフ(自主制作)。
スモーブローは美味しかった。が、個人的にはもっとデンマークデンマークしててほしかったので、大満足というわけにはいかなかった。こういうと矛盾に聞こえるが、文句は一切ない。美味しいし、楽しかった。なんとなくだが、スモーブローが(自分以外に)刺さってないという空気を感じた。(かっぱ寿司でネタをシャリから剥がして食べるような人間が言えることじゃないけど。)
スモーブローキッチン・中之島の住所:大阪市北区中之島1丁目2-10
出演-おしながき-
スモーブローキッチン・中之島
獣医さんの夜食/570円
鶏肉とマッシュルーム/570円
お店のHP