「海外キマグレごはん」の企画説明-おしながき-
「海外キマグレごはん」では、私が海外で食べたごはんを紹介します。日本国外で食べた自炊以外のごはんなら、なんでも紹介したいと思っています。ただし、何を「ごはん」とするかは、その日の気まぐれで決めようと思っています。
そしてこの企画、必ずしも「海外らしいごはん」ばかりではないです。「イスラエルのケバブ」の日もあれば「イスラエルのラーメン」の日もきっとあります。私はイスラエルに住んでいるので、イスラエルで食べた料理の発表は多くなる見込みです。
とはいえ、アメリカのハンバーガー、イタリアのピザ、クロアチアのクロマグロなど、できるだけ多くの国から多岐にわたる料理を紹介したいと考えています。何卒、よろしくおねがいいたします。
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前回の記事「#12 トルコのイスケンデルケバブ」はこちら。「海外キマグレごはん」の記事一覧はこちら。
ルブレイス・メザ・レヒタンシールンギ
「ルブレイス・メザ・レヒタンシールンギ」は、日本語で「ライ麦パンとスモークトラウト」という意味だ。アイスランド語で「rúgbrauð með reyktum silungi」と綴る。「rúgbrauð=ライ麦パン」「með=と」「reyktum=スモークされた」「silungi=トラウト」と、グーグル先生が言ってた。
出会い頭で「ルブレイス・メザ・レヒタンシールンギ!」なんて言われたら意味不明だ。私も知ってる。タイトルにわざと奇天烈なカタカナを並べて、なんか、奇をてらおうとしたわけではないということを、まずは弁解しておきたい。私はいつも、できるだけ正しい名前でよびたいんや。
できるだけ正しい名前でよびたいんや、の例。(Into The Wildより)
食べのもにはたいてい、固有名詞がある。たとえば「ピザ」。そしてふつう、ピザをわざわざ「フラットブレッドとトマトソースと溶かしモッツァレラチーズ」とか言わない。でも「ルブレイス・メザ・レヒタンシールンギ」には、「ピザ」的な固有名詞がなかった。
ルブレイス・メザ・レヒタンシールンギ・ラピュタ。(さいごのは冗談)
しれっと湯に入ろうとする
そんな「ルブレイス・メザ・レヒタンシールンギ」には、アイスランドの天然温泉で出会ったぁ〜。実はこのとき、私は、アイスランドを周遊するゲイクルーズツアーに参加していて、つまりはパッケージツアーの一環で、半ば強制的に、温泉に連れて行かれたのだった。
気分は修学旅行だ。
銭湯に行く気分。
入浴料は3,642円(5,000アイスランドクローナ)。
天然温泉の名は「ミーヴァトン天然温泉/Mývatn Nature Bath」。「ミーヴァトン」の正体は「湖」で、施設そのものは「広い屋外プール」みたいだった。「この国のお風呂は日本っぽい(*後述)」と説く現地ガイドさんに、「湯に入る前は絶対に絶対に絶対にシャワーを浴びてね」と念押しされた。
ミーヴァトン天然温泉。
警備員。
シャワーせず、しれっと湯に入ろうとすると、警備員に本気で速攻で止められた。あるあるなのだろう。彼らの「シャワーしてない人を見抜く技術」は、かなり鍛えられていた。ドライな人には即・警戒という感じ。肝心の湯加減は、最高のぬるま湯だった。ゆる〜くず〜っと浸かってられた。
超・天然温泉だ。
湯のテクスチャ。
風呂上がりに牛乳をイッキ
「プールで遊んだ後は併設カフェで一服」という観光の強制ルーチンに、私も巻き込まれた。「ルブレイス・メザ・レヒタンシールンギ」は、カフェの売店に並んでいた。まるで日本の銭湯で風呂上がりに牛乳をイッキするかのように、「ライ麦パンとスモークトラウト」に食いつく(私だけが)。
売店。
「スニッカーズ」に「マグナム」と、いかにも欧州なおやつゾーン。
例のトラウトは、イケアみたいなディスプレイ。ひとつ364円。
「ルブレイス・メザ・レヒタンシールンギ」の味はもう、そのまんま、「ライ麦パン」と「スモークトラウト」だった。ほんとそのまんまだ。いちおうアイスランドの定番料理らしかったので、食べておいたんや。
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*アイスランドの余談*
アイスランドは島国で、イギリスの北西に位置する。二カ国間の距離はたった1,367km(北海道〜東京くらい)。孤島なので、日本のように独自文化が発達したそうだ。「お風呂」とか「魚料理」とかが似てるらしい。ガイドさんは、特殊な現地文化を説明するとき、やたら日本に言及していた。
「お風呂」に関しては「おおむね日本の温泉」みたいなことを言っていた。「魚料理」に関しては、「干物が定番食材なのが日本と似てる」そうだ。私の米国人パートナーが「煮干し」に引いてたのを思い出す。まあ人によっては引けるくらい、アイスランドの文化も、健全にユニークなのだろう。
欧米ではタブーの「鼻を吸う」も、アイスランドでは許されるらしい。
この国のユニークな文化は日本以外にも類似がありそうだけど、「王道文化同士で被ってるのは日本」という感じだった。でもツアー参加者は全員欧米人だったので、私以外、日本の例えにピンときてなかった。「風呂上がり」という日本独特の世界観にどっぷりつかってたのも、たぶん私だけだった。
ヒコーキ。