「世界ごはんたべ記」の説明
「世界ごはんたべ記」は食レポです、と言ってよい気がしますが、違う気もします。1エピソードにつき、1軒のお店を紹介します。「世界」と名乗っている手前、異国のお店も母国のお店も登場します。
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前回のエピソード「#100 滋賀の売店/おうみ屋」はこちら。「世界ごはんたべ記」の記事一覧はこちら。
立石バーガーとは
立石バーガーの自販機。
「立石バーガー」は、東京B級グルメのお店としてはかなり有名だと思う。ハンバーガーが自動販売機で売られていることで有名だが、それだけじゃ説明がたりない。その佇まいがどうにもこうにも唆(そそ)るので、こんなにも話題なのだと思う。こんなにもってどんなにもだ、という話になるが、京都でいうところのアフロ地蔵くらいだと思う。決してメジャーではないが、きっとそれ故に唯一無二。
立石バーガーの雰囲気
お店の外観。
自販機。
自販機の下に「営業中」とある。営業している。
手作りの自販機で、手作りのサンドイッチが売られている。お店の外観自体がメニューのように機能していて、合理的だ。イノセンスの草薙素子か。そこまでじゃないにしても、ブレークスルーの次元ならスマホと同格だ。スティーブジョブズがこれを見たら、なんと言っただろう。直感的と言ってほしい。でもプリミティブと言ってもいいかもしれない。つきぬけた感じがある。
立石バーガーの前の通り。
立石バーガーのメニュー
ぜんぶ100円。
自販機には4種類のアイテムがスタンバイしていた。チキンカツバーガー、ピザパン、焼肉バーガー、立石バーガー、の4つ。厳密には「ハンバーガー」は売ってないので、やはりハンバーガー屋ではない。スティーブジョブズの母国の基準で判断すると、サンドイッチ屋だ(そもそもハンバーガーはサンドイッチ)。でもピザパンは米国基準をもってしてもサンドイッチになれないので、立石バーガーはパン屋といえる。
先客がいた。
お金をいれる。
ボタンを押す。
私のターンがきた時、立石バーガーは売り切れていた。
立石バーガーが売り切れていたので、直談判すべく、お店の中に入った。お店に人がいるのは明らかだった。なぜなら、自販機の客の気配を感じ取って、手動でアイテムを自販機に補充している人物がいたからだ。客は、その誰かが自販機にアイテムを補充するのを外からかろうじて目視してから、100円を入れてボタンを押し、アイテムをゲットする。仕組みがわかったので、次のステップへ進んでみたくなった。
店内の様子。
内側から見た自販機。色はパレスチナだ。
立石バーガー
「立石バーガー」のスタンプが押されている。
熱くも冷たくもない。
すんなり立石バーガーにありつけた。牛肉、ケチャップ、タマネギ、文字通りの味。私は、100円のハンバーガーをわざわざ買いに行くことは滅多にないが、よく考えるとこれはハンバーガーではなく立石バーガーなので、話が違った。いろいろなものを噛み締めた。美味いか不味いかだと、疑う余地なく美味い。
料理からはおかしなオーラは出てない。
パワーオブマネー
店内の商品棚。アメリカの国力を感じる。
食パン。300円。
厨房の様子。
壁にコミュニティの気配。
店内は、喫茶店のような弁当屋のような雰囲気だった。クラシック音楽に、他人の家の香り。他人の家は、飲食店と違って、お金の力で入場できない。非日常だった、立石バーガーは隅々まで。パン屋じゃないかもしれない。でもカウンターには、パンそのものも売っている。よく見ると「コロッケバーガー」もあった。もっとよく見ると、カレーやストラップやマグカップも売っているようだった。見どころが多い。
たて構図で。
今回のおしながき
立石バーガー
立石バーガー/100円
立石バーガーの住所:東京都葛飾区堀切3丁目17−15
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